先代のK-3 Mark II以来、約6年ぶりに登場した新型一眼レフカメラ、PENTAX K-3 Mark III。インターネット上では「グリップ感がよい」など高評価の口コミが多い一方、「持ちやすいが重い」という口コミもあり、購入を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の7つの観点で検証・レビューを行いました。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の一眼レフカメラとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、一眼レフカメラ選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
PENTAX K-3 Mark IIIは、本格的な写真撮影を楽しめる一眼レフを探している人におすすめです。画質のよさは比較したなかでもトップクラスで、モニターからも「自然な発色でメリハリもある」「拡大しても粗さがない」と好評。暗所では若干ノイズが生じたものの発色や解像感は失われず、薄暗い場所での撮影も問題なくこなせます。カラーモードはフィルムの色を再現したような、渋めのラインナップでした。
オートフォーカス性能も非常に優秀です。合焦率は約91%と高く、左右に大きく動く被写体を捉え続けられました。ピントが合う点を指す測距点の数は101点と、比較したなかでも非常に多め。9~45点程度の商品が多かったなか、小さな子どもや動物など動き回る被写体の撮影もスムーズでしょう。
手ブレ補正力も広角側・望遠側ともに良好。カメラ本体に手ブレ補正ユニットが内蔵されているので、比較したニコンやキヤノンの製品とは異なりレンズを変えても手ブレ補正が効くのはうれしいポイントです。中古レンズの流通は少なめですが、純正品はニコンやキヤノンの4倍以上あり、保証つきの純正レンズを使いたい人にもおすすめですよ。
ボタンの配置や押し心地は、モニターから「一度覚えれば便利に使えそう」と好印象。液晶もタッチパネルに対応しており、スマホ感覚で扱えます。ただしメニュー表示は一般的な一眼レフと同様の設計なので、初心者にはやや難しく感じるかもしれません。操作に慣れないうちはオートモードを活用するとよいでしょう。
レンズキットは執筆時点で税込269,800円(※公式サイト参照)と、比較したなかでも高価。バッテリー込みで約820gと重いこともあり、初心者が気軽に持ち運んで使う1台とはいえません。とはいえ、画質のよさや手ブレ補正、AF性能はすべて高水準。価格に見合うだけの価値を感じられる中〜上級者はぜひ検討してくださいね。
PENTAX K-3 Mark IIIと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストバイ一眼レフカメラと、各検証でNo.1を獲得した商品をピックアップしました!
PENTAX K-3 Mark IIIの購入を迷っている人はチェックして、自分にとってのベストバイアイテムを見つけてみてくださいね!
キヤノン
肉眼で見るよりきれいな発色と優れたAF。本体も軽い万能機
PENTAX K-3 Mark IIIは、光学機器メーカー・リコーが手がける「ペンタックス」シリーズの一眼レフカメラ。同社のAPS-Cサイズデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルとして、2021年4月に発売されました。
さらなる高画質化を実現するべく、ローパスフィルターレス仕様の裏面照射型イメージセンサー(有効画素数:約2,573万画素)を採用。画像処理エンジンおよびアクセラレーターユニットも刷新し、「徹底的にノイズを抑えた高画質画像を実現した」と謳っています。
さらに、101点測距のAFシステム「SAFOX 13」や、5軸・5.5段の高性能手ブレ補正機構「SR II」なども搭載。オートフォーカスや手ブレ補正の性能も進化しています。ムービー撮影では、高精細な4K動画も記録できるようになりました。
ファインダーは視野率約100%、倍率約1.05倍。フルサイズ機に匹敵する大きな大きなファインダー像を実現しつつ、ディストーション補正レンズの採用やコーティングの最適化により、歪みのない自然な見え味を追求しています。明るさも前モデル(K-3 II)に比べて約10%アップしました。
液晶モニターは、Kシリーズとしてははじめてタッチ操作に対応。撮影に集中しやすいよう、ファインダーを覗くと同時に画像モニターがオフになる仕様です。液晶モニターとファインダーの見口との段差を大きくすることで、覗いたときに鼻が当たりにくくしています。
専用アプリ「Image Sync」を使えば、撮影した画像をスマホに転送したり、スマホからのリモート撮影も可能に。SNSなどへのアップロードもより簡単にできますよ。
2枚のSDカードを同時に使用できるデュアルカードスロットを搭載。スロット1はSDカードの高速転送規格・UHS-IIに対応しています。バッテリー・SDカード込みの本体重量は約820g、サイズは約134.5×73.5×103.5mmです。
ボディは全面がマグネシウム合金製で、衝撃や振動に強い設計です。防塵・防滴構造に加えて、マイナス10℃での耐寒試験もクリア。過酷な環境下での撮影にも対応できる堅牢なボディを備えています。本体カラーはブラック・シルバーの2色展開です。
今回はPENTAX K-3 Mark IIIを含む、人気の一眼レフカメラを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
検証の結果、PENTAX K-3 Mark IIIには6つの魅力がありました。購入を検討している人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
画質は比較したなかでトップクラス。自然ながら鮮やかな発色で、写真を見たモニターも「ごく自然な色合いでメリハリも感じられる」とコメントしています。比較した同じPENTAXブランドのK-70よりも鮮やかに写る印象です。
解像感も非常に高く、画像を拡大してもシャープさを実感できるほど。モニターも「目一杯拡大してもほとんど荒さがない」と好評でした。明るい場所での撮影はノイズも気になりません。
キットレンズのボケ感の表現も得意。背景がしっかりぼかされており、主役である被写体が際立っていました。ハイクオリティなポートレート撮影を楽しめるでしょう。
とくに緑の発色が美しく、自然を撮るのに適しています。人物や食べ物などもきれいに写せました。
カラーモードは特別多くはないものの、必要十分なバリエーションはあります。フィルムの色を再現したような渋めなものが多いので、フィルムライクな仕上がりが好みの人におすすめです。
比較したなかにはカラーモードが似たり寄ったりで作風を変えにくいものや、実用的なモードが少なく使いにくいものもありました。本商品はユニークな色合いのものは少なめですが、雰囲気のある写真に仕上げたいときに重宝するでしょう。
暗所ではノイズが生じるものの、解像感の低下は少ない印象。細部までくっきりと写っており、糸の網目や小さな文字、時計の秒針も読み取れます。薄暗い場所の撮影でも問題なく使えるでしょう。
比較したなかには暗所で彩度が低下した商品もありましたが、本商品は明所と同様、本来の色味を再現できています。オートホワイトバランスはやや暖色寄りですが、色の再現性は申し分ない1台です。
<画質のよさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
オートフォーカスの性能も優秀です。合焦率(ピントの合っている割合)は約91%と比較したなかでも高く、被写体が左右に大きく動いてもしっかり追従しました。
ピントが合う点を指す測距点は101点と、比較したほかの商品が9~50点だったなかとくに多い部類です。測距点が多いほど動くものにもピントを合わせやすいので、動きの激しい被写体をきれいに撮影したい人にうってつけでしょう。
測距点の数は一眼レフのなかでもトップクラス。動き回る被写体の撮影も難しくないでしょう。
手ブレ補正の効果もしっかり感じられます。実際に、1/8秒までシャッタースピードを遅くして撮影しても手ブレが気になりませんでした。
比較した商品には広角側で1/15秒・望遠側で1/25秒まで対応できたものが多かったなか、本品はそれ以上に補正がよく効いています。一般的な使い方であれば、ブレが気になることは少ないでしょう。
PENTAX K-3 Mark IIIは、カメラ本体に手ブレ補正ユニットが内蔵されています。比較したニコンやキヤノンの製品とは異なり、どんなレンズを使っても手ブレ補正が効くところが魅力です。
純正品の交換レンズが充実しているのも魅力です。ニコン・キヤノンに比べて中古レンズの選択肢は少なめですが、APS-C用レンズの純正品は他社の4倍以上。保証つきの純正レンズにこだわりたい人にもぴったりです。撮りたいイメージに合ったレンズを探してみてくださいね。
ボタンの配置や押し心地は良好。液晶はタッチパネルなので、スマホユーザーなら操作しやすいでしょう。
メニューや設定項目は一般的な一眼レフと同じで、やや複雑です。比較したキヤノンの「EOS Kiss」シリーズのように初心者向けのメニューは用意されておらず、モニターからは「初心者には難しい」という声もあがりました。慣れないうちはオートモードも活用してくださいね。
<使いやすさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
操作は一般的な一眼レフと同じです。この機種だけが特段難しいわけではありません。
検証して気になったPENTAX K-3 Mark IIIのデメリットは2つ。購入してから後悔のないよう、しっかりチェックしておいてくださいね。
重量感があり、持ち運びやすいとはいえません。比較したなかには重さ500gほどの商品もあったのに対し、本商品はバッテリー込みで約820gと重めです。サイズも大きめなので、多少荷物が重たくなっても画質のよさにこだわりたい人向けといえます。
一方で、グリップ感は良好。実際に持ったモニターからも「グリップが深くて握りやすい」と好評でした。片手で持つのは難しい重さですが、しっかり両手で持って撮影すると安定するでしょう。
フラッグシップモデルだけあり値段は高め。公式サイトでの販売価格は、ボディのみで税込219,800円・レンズキットが269,800円(※執筆時点)でした。比較したなかにはレンズを含めて10万円台の商品もあったので、かなり高価です。
性能は申し分ありませんが、価格面で足踏みする人も多いでしょう。初心者がいきなり購入するモデルというよりは、カメラ慣れした中〜上級者におすすめのモデルです。少しでも安く手に入れたい人は、中古品も狙い目ですよ。
独特の発色・解像感重視のローパスフィルターレスセンサー・強力なボディ内手ブレ補正・頑丈な防塵防滴といったところに価値を感じる人は、値段にも納得できるのではないでしょうか。初心者が一発目で買うカメラというより、中・上級者向きです。
2021/04/23 発売
重量(バッテリー込み) | 約820g(SDカード含む) |
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本体サイズ | 約134.5×73.5×103.5mm |
フォーカスポイント(測距点) | 101点 |
タッチパネル |
良い
気になる
有効画素数 | 約2573万画素 |
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ファインダー形式 | ペンタプリズム |
ISO感度 | 100~1600000 |
AF検出範囲 | EV-4~18 |
シャッタースピード | オート:1/8000秒~30秒、マニュアル:1/8000秒~30秒(1/3EVステップまたは1/2EVステップ)、バルブ (タイマー露光設定可能:1秒~20分) |
背面モニター | 固定式 |
モニターサイズ | 3.2型 |
ファインダー視野率 | 100% |
ファインダー倍率 | 約1.05倍 |
撮影可能枚数 | 約800枚 |
ボディ内手ブレ補正 | ◯(5軸) |
USB充電・給電 | 対応 |
動画撮影機能 | 4K(3840x2160,30p/24p)/Full HD(1920x1080,60p/30p/24p) |
記録メディア | SD、SDHC、SDXCメモリーカード(SDHC、SDXCメモリーカードはUHS-I/UHS-II規格に対応) |
記録メディアスロット | デュアルスロット |
防塵防滴仕様 | |
特徴 | 不明 |
PENTAX K-3 Mark IIIのデメリットが気になる人には、こちらの商品がおすすめです。
カメラ初心者には、Canon EOS Kiss X10iがおすすめです。初心者向けのメニュー表示に対応しており、専門的な知識がなくても使いやすい設計。一眼レフカメラとしては軽く、持ち運びもしやすいですよ。
肝心の画質も申し分ありません。やや暖色寄りのビビッドな発色で、肉眼で見るよりも鮮やかな写り。合焦率は約95%と比較したなかでもトップクラスで、動く被写体もしっかりと追えました。一般的な撮影では手ブレも気にならないでしょう。
中古の交換レンズが充実しており、新品にこだわりがなければ幅広い選択肢があります。簡単に本格的な撮影が楽しめて、はじめて一眼レフを買う人にぴったりの1台です。
PENTAX K-3 Mark IIIは、リコーの公式オンラインショップで販売中。レンズキットの販売価格は、執筆時点で税込269,800円(※公式サイト参照)です。
このほか、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのECサイトでも、新品・中古品の取扱があります。お得に買えるサイトを選んでくださいね。
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