軽量コンパクトながら美しい写真が撮れると人気の一眼レフカメラ、Canon EOS Kiss X10i。「初心者でも設定がわかりやすい」「表情までくっきり撮れる」などの口コミを見かけますが、実際のところどうなのか気になりますよね。
今回はその実力を確かめるため、以下の7つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気の一眼レフカメラとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、一眼レフカメラ選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」ことを心がけて、コンテンツ制作を行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
Canon EOS Kiss X10iは、簡単に本格的な撮影を楽しみたいカメラ初心者におすすめです。初心者向けブランドに属する1台でありながら、明るく鮮やかな発色と高い解像感が高評価。画質をチェックしたモニターからも「粗がほぼなく、くっきり見える」「メリハリのあるリアルな発色」と好評でした。ボケ感も自然で一眼レフらしい雰囲気が出ており、比較した中級者向けのモデルと遜色ない仕上がりが期待できますよ。
オートフォーカスの精度も極めて優秀です。動く人物をスムーズに追従し、合焦率は約95%と比較したなかでもトップレベルでした。ピントが合う点を指す測距点の数も最大45点と多め。子どもの運動会やスポーツなどの撮影にも活躍するでしょう。手ブレ補正力も広角・望遠ともにしっかり効いており、日常使いでは問題なく撮影できるレベルです。
設定メニューは、専門用語の少ない「やさしい」モードに切り替えが可能。比較した標準モードのみの商品と比べて、カメラに慣れていない人でも直感的に扱いやすいのが魅力です。モニターはタッチパネル式のため、スマホのような感覚で操作できますよ。重量は515gと比較したなかでも軽いため、初心者でも負担なく撮影・持ち運びができるでしょう。
しかし、カラーモードのバリエーションは少なめです。作品のアレンジを楽しみたい人はスマホに転送したあとで編集するほうがよいでしょう。中古であれば交換レンズも豊富に流通しているので、さまざまな雰囲気の撮影を楽しみたい人は交換レンズもチェックしてみてくださいね。
また、中級者向けのモデルと比べると暗所での撮影時にはややノイズがかかりやすい印象でした。普段使いでは気にならない程度ですが、上位を惜しくも逃す結果に。初心者でも手軽に本格的な撮影が楽しめる高性能なモデルですが、カラーモードの種類や暗所撮影のクオリティにもこだわりたい人はほかの商品もチェックしてくださいね。
一眼レフカメラとは、レンズが交換できるデジタルカメラのひとつ。ミラーレス一眼と違って内部にミラーが組み込まれているため大きく重めですが、画質は非常によく、発色・解像感ともに高い傾向があります。
カメラやプリンタでおなじみの大手精密機器メーカー・Canonも、コンパクトデジタルカメラから本格的な一眼レフカメラまで、幅広いカメラを展開。今回はそのなかから、エントリーユーザー向け一眼カメラ「EOS Kiss」シリーズの、EOS Kiss X10iをご紹介します。
前モデルのEOS Kiss X9iからAF性能や連写性能を高め、動く被写体を高精度で捉える「オールクロス45点AF」機能・被写体の顔を検出して追尾する「EOS iTR AF」機能を搭載。被写体の瞳を検出してピントを合わせる「瞳AF」も備え、「高精度な動体撮影を実現する」と謳われています。
イメージセンサーには、有効画素数約2410万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーを採用。映像エンジンDIGIC 8の組み合わせにより、暗所でも高い解像感のある写真撮影ができるよう目指しました。
さらに専用アプリ「Camera Connect」を使えば、スマホに画像を自動送信することも可能です。写真を家族で共有したりSNSにアップしたりといった、より身近な楽しみ方ができますよ。
本体サイズは131.0×102.6×76.2mm。カラーはブラックの1種類で、大きめのグリップがついたデザインです。付属品には、バッテリーパック LP-E17・充電器 バッテリーチャージャー LC-E17・ストラップがついてきます。
キットレンズには、標準ズームレンズ「EF-S18-55mm F4-5.6 IS STM」・手ブレ補正機構を搭載した望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm F4-5.6 IS STM」がついているので、レンズ選びに悩む人はあわせてチェックしてみましょう。
EOS Kissシリーズの一眼レフカメラには、本商品のほかに2019年に発売されたEOS Kiss X10もラインアップしています。
おもな違いは、AFの性能。X10のフォーカスポイントが9点なのに対し、X10iは最大45点と多く、より広範囲で高性能なピント合わせが可能としています。加えてX10iには、ファインダー撮影時でも顔検出できる「EOS iTR AF」を搭載。X10よりも動体撮影に適しているでしょう。
それに対してX10は、重量が約449g・幅が12.2cmと軽量コンパクトなのが魅力。どこでも気軽に持ち運んで撮影したい人はX10もチェックしてみてくださいね。
X10iの測距点は45点と一眼レフのなかでは多く、光学ファインダーを使って撮影する場合に便利。一方でX10は9点と少なく、細かなピント合わせはスマホのように画面を見ながら行うのを前提に設計されている印象です。
どちらかというとX10はスマホ寄り、X10iは一眼レフ寄りの撮影体験ができます。
今回はCanon EOS Kiss X10iを含む、人気の一眼レフカメラを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
Canon EOS Kiss X10iは、高い解像感とオートフォーカスの精度が魅力の商品。操作もわかりやすく、カメラ初心者にも使いやすい印象でした。
以下、メリットについてご紹介します。
実際に男女モニター複数人が写真撮影を行ったところ、発色・解像感ともにクオリティの高い写真に仕上がりました。なかでも解像感は「自然で透明感のある解像感」「輪郭もしっかり見える」とモニター全員が満足と回答。糸の編み目やJANコード・革の凹凸までにじまずに見えました。発色はやや暖色寄りで、メリハリのある鮮やかな写りです。
ボケ感のグラデーションもきれいで、一眼レフならではの雰囲気も出ています。「若干ノイズがある」と感じる人もいましたが、気になるほどではありません。オートホワイトバランスも非常に正確で、見たままの色を表現できています。比較したどの商品も同様の高画質を楽しめたので、一般的なスマホやコンデジとは違う繊細で鮮やかな撮影が叶うでしょう。
<画質のよさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
オートフォーカスの精度も、比較したなかではトップクラスです。左右に動きながら近づいてくる人物への合焦率(ピントの合っている割合)は約95%とかなりの高精度。全体平均の約91%(※執筆時点)を上回りました。ピントが合う点を指す測距点の数は最大45点と多く、被写体の追従もスムーズです。
比較したEOS Kiss X10もオートフォーカスは高評価だったものの、測距点が9点と少なく、ときおりピントを外してしまうこともありました。その点本商品は動く被写体をしっかり追えるため、子どもの運動会やスポーツの試合などでもぼやけを防いで撮影できますよ。
上位モデルであるEOS 90Dと同等の測距点数。EOS Kissという初心者向けブランドに属する一台ですが、オートフォーカス性能は上位モデルと同等といえます。EOS 90Dが高画素すぎて一般用途では扱いにくいことをふまえると、初心者にも使いやすい高性能機といえるモデルでしょう。
付属レンズの手ブレ補正力も十分です。シャッタースピードの速さを変えて撮影を繰り返したところ、広角側では1/30秒から1/15秒まで、望遠側では1/200秒から1/25秒まで補正力がしっかり効き、ブレずに撮影できました。比較した商品の多くも同程度の補正力があり、一般的な撮影では手ブレを意識せず撮影できるといえます。
設定のしやすさや操作性といった、総合的な使いやすさも申し分ありません。なかでも特徴的なのは、メニュー表示を「標準」から、イラストやアイコンつきの「やさしい」モードへ切り替えられる点。比較したほかのメーカーは画面に専門用語が多く、わかりにくいと感じた人もいましたが、こちらはカメラに詳しくなくても直感的に操作できるでしょう。
また、モニターがタッチパネル式なのも魅力。操作画面のデザインもわかりやすく、モニターからは「スマホ感覚で使える」と好評でした。ボタンも押しにくい箇所はなく、全体的に扱いやすいといえます。
<使いやすさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
タッチ操作がスマホ感覚で行えるので、スマホからのステップアップにも適しています。
カメラ本体の重量の実測値はSDカード・バッテリーを含めて515gと軽量な部類です。本体サイズも幅131×高さ102.6mmと大きすぎることはありません。より軽量コンパクトなEOS Kiss X10には及びませんが、比較したほかの商品には重量700g以上のものもあったなか初心者でも持ち運びしやすいでしょう。
滑り止め加工が施されたグリップは深く、撮影中の持ちやすさも上々。実際に使用したモニターからも「軽いうえにグリップも高いので、とても握りやすい」「ホールド感がよく、安定した撮影ができる」との声が多くあがりました。重心がグリップにあるため、望遠レンズがついていても重さを感じにくい印象です。
交換レンズは、中古であれば豊富なバリエーションがあります。現在Canonは多くの純正レンズが生産終了となっており、比較したなかでも純正レンズが豊富な「PENTAX」シリーズに比べると、新品レンズをそろえるのは難しいでしょう。
とはいえ、中古品のバリエーションは多く、大手中古カメラ店にて流通している中古レンズの数は、EFマウント・EF-Sマウントあわせて1700本以上(検証時)でした。新品の純正レンズにこだわらなければ、幅広いレンズを選べますよ。
キヤノンも、シグマ・タムロンなどのレンズメーカーも一眼レフ用のレンズの製造をほとんど終了しているので、この機種に限らず新品レンズにこだわる人には一眼レフは不向きな時代になりました。
一方で中古レンズの数は非常に多いため、安くさまざまなレンズで遊べる状況であるといえます。
Canon EOS Kiss X10iは、暗所での撮影にやや弱く、ノイズがかかって見えるのがネック。カラーモードも少なく、仕上がりの雰囲気を変えて楽しみたい人には物足りないかもしれません。
以下、デメリットについてご紹介します。
カラーモードのバリエーションが少なめなのが惜しいところ。モニターから「違いがわかりにくい」との声が複数あがりました。比較したX10でも同様だったので、シリーズ自体の傾向といえます。直接スマホへ写真を転送してアプリなどで編集したほうがよいでしょう。
比較したなかでカラーモードが充実していたのは「PENTAX」の一眼レフカメラでした。写真の雰囲気をさまざまに変えて撮りたい人はチェックしてみてくださいね。
<カラーモードについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
明所での高い解像感に比べて、暗所ではややノイズがかかるのも気になりました。糸の1本1本やJANコードの線の区別はつくものの、明所で判別できた細かな網目までは確認できず。彩度も少し落ち、暗い色の区別しにくさも感じました。
とはいえ、同シリーズのX10を含む比較した多くの商品で、暗所ではややノイズがかかり解像感が低下しました。上位機種と比べてわずかに劣る程度なので、普段使いには十分。日中や明るい場所での撮影が多い人ならほとんど気にならないでしょう。
2020/06/25 発売
重量(バッテリー込み) | 515g |
---|---|
本体サイズ | 131.0×102.6×76.2mm |
フォーカスポイント(測距点) | 45点 |
タッチパネル |
良い
気になる
有効画素数 | 2410万画素 |
---|---|
ファインダー形式 | ペンタダハミラー |
ISO感度 | 100〜25600 |
AF検出範囲 | EV-4〜18(F1.2レンズ使用時) |
シャッタースピード | 1/4000〜30秒 |
背面モニター | バリアングルモニター |
モニターサイズ | 3.0型 |
ファインダー視野率 | 95% |
ファインダー倍率 | 0.82倍 |
撮影可能枚数 | ファインダー撮影時:800枚/ライブビュー撮影時:310枚 |
ボディ内手ブレ補正 | |
USB充電・給電 | 非対応 |
動画撮影機能 | 4K25p、フルHD59.94p |
記録メディア | SDカード |
記録メディアスロット | シングルスロット |
防塵防滴仕様 | |
特徴 | 初心者向け |
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ここからは、Canon EOS Kiss X10iとは違う魅力を持つ商品をご紹介します。
PENTAX K-70は、種類豊富なカラーモードでさまざまな雰囲気の写真を撮りたい人にぴったりです。色の入れ替えやカラー抽出などユニークなモードも多く、「バリエーション豊かでおもしろい」とモニターから好評でした。
発色は自然かつ鮮やかで、明所はもちろん暗所も高い解像感で撮影できました。手ブレ補正は広角側・望遠側ともに非常に強力なので、夜景や望遠レンズを使用した撮影も三脚なしで行えるでしょう。
持ち運びやすさにこだわりたいなら、Canon EOS Kiss X10もおすすめ。重量449g・厚み6.9cmと一眼レフとしては軽量かつスリムで、気軽に持ち運びしやすいのが魅力です。
コンパクトながらナチュラルな発色と細部の再現性がよく、画質のよさも高評価。描写性能も高く、暗所ではやや解像感が落ちるものの、色再現性は明所とほぼ変わらないレベルをキープできました。
オートフォーカスの精度も高いうえ、広角側・望遠側ともに十分な手ブレ補正力があり、屋外での動体撮影にも使いやすいでしょう。初心者向けのメニュー表示にも対応しており、誰でも直感的に使いやすいですよ。
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