賃貸・住宅情報サイトとしておなじみの、LIFULL HOME'S (ライフルホームズ) の不動産一括査定。「匿名査定に対応しているのがよい」「提携企業数が多い」と評判ですが、「依頼するまでの手順が難しい」などの口コミや「怖い」との検索ワードを見かけるため利用を迷っている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、実際に使いやすく便利なサービスといえるかを以下の2つの観点で調査した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、複数の主要な不動産査定サイトとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。提携企業数や条件指定のしやすさだけでなく、対応エリアや手続きのスムーズさについても比較検証しましたので、不動産査定サイト選びで迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
LIFULL HOME'S 不動産一括査定は、地方でも多くの不動産会社に査定を依頼したい人におすすめ。提携企業数は4,614社以上(※)と比較したなかではトップクラスの多さで、うち大手不動産会社も15社含まれています。対応エリアは北海道から沖縄までと広く、戸建て・マンション・土地・倉庫など取り扱っている不動産の種類も豊富。エリアや物件の種類を問わず、多くの会社に査定してもらいたい場合にぴったりです。
2024年6月時点
最大査定数も10社とかなり多めです。比較したなかには6社以下の少ないサイトも複数ありましたが、こちらは一度に多くの不動産会社に査定してもらえます。公式サイトには不動産会社の特色が豊富に掲載されているうえ、希望の会社を選べるため、被りを避けて査定依頼できますよ。
査定前の入力項目も細かく、比較したサイトには少なかった希望金額や住宅ローン残債・物件の写真も載せられます。家族や近所に知られたくない場合の連絡方法にも配慮されており、連絡時間も指定可能です。匿名査定にも対応しているので、不動産会社からの営業電話を避けたい人にも気軽に使いやすいでしょう。
査定対象は、一戸建て・マンション・土地などの住居用不動産となり、ビル・店舗・農地などの事業用不動産の査定には対応していません。とはいえ、選べる不動産会社が非常に多く、細かな条件から適正価格を把握しやすい魅力的なサイトです。不動産査定サイト選びで迷ったら、ぜひ利用を検討してみてください。
<おすすめの人>
<おすすめではない人>
LIFULL HOME'Sは、「叶えたい!が見えてくる」がコンセプトの不動産・住宅情報サービス。スーモやアットホームと並ぶ国内最大級のサービスで、賃貸物件の検索や一戸建て・マンションの購入・売却などさまざまな事業を展開しています。
運営会社は、東証プライム市場に上場するLIFULL。「2023年 一括査定サイトランキング」の訪問査定率で3年連続1位を獲得(※)しており、情報が正確である点や不動産会社の特色がわかりやすい点などをアピールしています。
不動産会社のミカタ 2023年一括査定サイト訪問査定率ランキングより
今回は、LIFULL HOME'Sを含む不動産一括査定サイトを調査して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
LIFULL HOME'Sは、提携企業数・最大査定数が比較したなかでトップクラスに多いサービス。入力項目も多く匿名査定にも対応しているのが特徴です。
以下、メリットについてご紹介します。
LIFULL HOME'S 不動産一括査定の大きな魅力のひとつは、提携企業数の多さです。
公表している提携企業数は、2024年6月時点で4,614社以上。比較したサイトの大半が1,500社以上、スーモやイエウールといった大手サイトも2,000社以上だったなか、とくに多い提携数でした。
また、提携している大手不動産会社は15社と、全体平均の12社(※執筆時点)を上回っているのもメリット。不動産会社の選択肢が多いほど条件に合うところに出会いやすいため、エリアを問わず、さまざまな不動産会社に査定依頼を出せるでしょう。
最大査定数は10社と、多くの不動産会社にまとめて査定を依頼できるのも特徴。比較したサイトの最大査定数の中央値が6社(※執筆時点)だったのを考えると、手間なく多くの不動産会社と接点を持てます。
査定数が多いからといって査定額が上がるわけではありませんが、相場をつかみやすく、信頼できる担当者と出会える可能性も高くなります。またLIFULL HOME'Sでは、不動産会社の特色や意気込みなどの情報が豊富に掲載されているのもうれしいポイント。査定先の不動産会社は選べるため、複数のサイトを利用した際の被りを防ぎやすいですよ。
比較したなかには、アットホームやオウチーノのように査定数に上限がないものもありましたが、10社に査定依頼ができる本サイトも業界のなかではトップクラス。まとめて多くの不動産会社に見てもらいたいなら、ぜひ利用を検討してみてください。
申し送りでは「家族に知られたくない」「近所に知られたくない」などを選択でき、プライバシーが配慮されています。細かい申し送りに加え、連絡時間も指定できるのは、比較したなかでも半数ほどしかありませんでした。
「査定を依頼するまでの手順が難しい」との口コミもあり、申し送り事項などが細かく設定できるためはじめは混乱するかもしれません。しかし、しっかり条件指定しておかないとしつこく営業電話がかかってくる場合も。申し込み時点で希望を漏れなく伝えるようにしてください。
比較したサイトでは、希望売却時期を入力できるものは多かったのものの、希望金額を入力できたのは3分の1程度。住宅ローン残債や物件の写真を共有できるサイトはさらに少なく、両方に対応しているのは本サイトだけでした。
査定方法は、机上・訪問の2つから選べます。早く売却したい場合以外は、机上査定で複数の不動産会社に査定を依頼したほうがよいでしょう。比較したほかのサイトと同じく、近隣の売買事例や具体的な売却スケジュールも発信していますよ。
<入力できる情報>
匿名査定を実施しているのも本サイトの特徴です。比較したなかで匿名査定に対応していたのは、LIFULL HOME'Sのほかにイエウール・マンションナビ・おうちクラベル・すまいステップの5社のみ。不動産会社に個人情報を知らせたくない人・営業電話を避けて気軽に相場感を掴みたい人に使いやすいでしょう。
匿名査定を利用すれば、査定結果から相談する不動産会社を決定できます。メールアドレスの登録が必要ですが、売却を考えている物件の大体の相場を気軽に知りたいときにはとても便利なサービスです。
LIFULL HOME'S 不動産一括査定のデメリットは主に1つ。事業用不動産の査定には対応していないのが、気になるポイントです。
LIFULL HOME'Sの査定対象は、一戸建て・マンション・土地などの住居用不動産。比較したスーモやアットホームなどの大手サービスと同様、ビル・店舗・農地などの事業用不動産の査定には対応していない点に注意が必要です。
とはいえ、住居用不動産の売却を検討している場合はとくに気にならないでしょう。イエウール・リビンマッチ・イエイ・HOME4Uなどのサービスは、事業用不動産を含めて広く対応していたため、事業用不動産の売却ならこちらもチェックしてみてください。
<対応物件種別>
良い
気になる
査定前の入力情報 | 土地面積、建物面積、専有面積、築年数、間取り、希望売却金額、希望売却時期(※査定前の入力情報は種別により異なる) |
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対応エリア | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
査定先の選択可能 | |
申し送り可能 | |
連絡方法の指定 | |
連絡時間の指定 | |
査定方法の指定 | |
チャット入力 | |
発信情報 | 売却までの手順、高く売るコツ、近隣の売買事例 |
ここからは、LIFULL HOME'S 不動産一括査定が向いていない人におすすめの不動産一括査定サイトをご紹介します。
アットホームは、最大査定数に上限がないのが特徴。「まとめて多くの不動産会社に査定を依頼したい」という人におすすめです。
比較したなかでは、最大査定数に上限がなかったのはオウチーノとアットホームの2社のみ。地域によっては20社以上の不動産会社にまとめて査定を依頼できます。提携企業数も2,372社、うち大手不動産会社14社と比較したサイトの平均を上回りました。
さらに、物件の住所や築年数などを入力すれば、相場状況を知れる簡易査定も実施。匿名査定は非対応ですが、少ない情報の入力だけで相場を確認できるのはうれしいポイントです。
入力項目も豊富で、希望売却金額・時期に加えて、物件の写真も事前に共有できます。査定前の申し送りや連絡時間の指定も可能。手軽に多くの不動産会社に査定をしてもらいたいときに有力候補となるサービスです。
イエウールは、事業用不動産の査定にも対応しているのが特徴。「ビルや店舗、農地の売却を検討している」という人にぴったりです。
査定対象の不動産が幅広く、一戸建てやマンションなどの住居用不動産に加え、一棟ビル・ビル一室・店舗・工場・倉庫・農地などの査定にも対応。比較したなかでは数少ない、事業用不動産の査定ができるサービスです。
提携企業数は2,300社以上と比較したなかではトップクラスに多く、うち大手不動産会社も15社と豊富。不動産に関するさまざまな情報をコラムとして発信しているのも特徴で、不動産売買を検討しているときに参考になります。
LIFULL HOME'Sで不動産の査定を依頼する手順は、以下のとおりです。
どの不動産会社を選択するかは、公式サイトでニーズ別の選び方が紹介されています。「住み替えで今の家を売りたい」「相続した不動産を売りたい」「急いで現金化したい」など目的から適した不動産会社を紹介してもらえますよ。
査定結果が出そろったら、査定価格・根拠・販売計画などを比較して、利用する不動産会社を選びましょう。価格査定は無料で、費用は売買契約締結後に不動産会社に支払う仲介手数料のみです。
LIFULL HOME'S 不動産一括査定についてのよくある質問とその回答を紹介します。疑問点がある場合は、事前にチェックしておきましょう。
公式サイトでは「個人情報や物件情報を許可なく外部に公開することは一切ない」としています。情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得しているサービスであることからも、情報漏洩のリスクは低いといえるでしょう。
LIFULL HOME'Sでは、一戸建てや土地の土地別売買相場の情報を公開しています。売りたい不動産に近い条件で検索するだけで相場を知れるため、気になる場合はチェックしてみてください。
とはいえ、不動産の価格はさまざまな条件によって決まるため、相場を鵜呑みにせず、詳細な価格は不動産会社に査定を依頼しましょう。
LIFULL HOME'Sでは、不動産会社の特色や意気込みを詳しく公開しており、信頼できる不動産会社を選択できます。不動産会社の対応のよさを覆面調査する「LIFULL HOME'S接客グランプリ」を実施するなど、サービス品質向上に努めているのも特徴的です。
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