美容液を噴射しながら乾かす次世代型ドライヤー、ミルボン エルミスタ。「髪がスムーズに乾く」と評判です。しかし、「風が熱いのが気になる」「少し重く感じる」などの口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の9つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のドライヤーとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ドライヤー選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
新卒で国内メーカーの美容職に入社し、3年半従事。年間6,000人以上をカウンセリングし、お客さま一人ひとりにあった美容法を提案していた。その後マイベストへ入社し、メイク・スキンケア全般の記事を執筆。コスメコンシェルジュ・化粧品成分上級スペシャリスト・顔タイプアドバイザー1級を所有。
すべての検証は
マイベストが行っています
本記事における「サロン専売品」とは、主に美容院で販売されている商品のことを指し、ランキングではECサイトで取り扱いがあるものもご紹介しています。
目次
良い
気になる
ミルボン エルミスタは速乾性が低く、髪を乾かすのに時間がかかるのがネック。実際に濡らした毛束を乾かした検証では、2分間で2.73gの水分しか飛ばせませんでした。比較した商品には5g弱もの水分を飛ばせたものもあるなか、スピーディに乾かしたい人には不向きな印象です。また、引っかかりが気になり指通りはいまひとつで、髪が絡まりやすい人も使いづらいでしょう。
また、熱によるダメージも防ぎにくい結果に。毛束が乾いた時点での表面温度は平均60.33℃と、髪のタンパク質が変性を始める60℃を上回りました。比較したほとんどの商品が30~40℃台にとどまったなか、熱によるダメージ軽減は期待できません。同価格帯の商品に備わっていた温冷自動切替やスカルプモードなども備わっておらず、頭皮ケアをしたい人にも向かないでしょう。
重量の実測値は668gとかなり重めです。多くの商品が400~500g台だったのに対し、乾かす時間が長くなるほど手が疲れてくる可能性があります。持ち手の指が当たる部分に操作ボタンがついていることもあり、誤操作が起きやすいのもネック。折りたたんでの収納もできないので、場所を取りやすいのも気になりました。
一方、髪のまとまりやすさは高評価。乾燥後に毛束が広がりやすい商品もあったなか、毛束の先までしっとりとしたまとまり感を得られました。マイナスイオンの付着量も平均-413.3vと、全体平均の-153.55v(※2024年9月時点)を大きく上回り、髪同士の摩擦ダメージも軽減できるでしょう。運転音も平均55.6dBと静かだったので、時間帯を問わず使えますよ。
独自のミスト機能を搭載しているのもほかにない魅力ですが、価格は5万円台(※2024年9月時点)と高級。ドライヤーに必要な速乾性・熱ダメージの受けにくさ・使い勝手の評価は総じて低かったので、価格に見合う満足度は得にくいかもしれません。髪をいたわりつつ素早く手軽に乾かしたい人は、ほかの商品を検討してください。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
実際にミルボン エルミスタと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストバイのドライヤーと、各検証でNo.1を獲得した商品をピックアップしました!
ミルボン エルミスタの購入を迷っている人はぜひチェックして、自分にとってのベストバイのアイテムを見つけてみてくださいね!
パナソニック
髪が乾きにくい人に!速乾性とダメージの受けにくさを両立
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
ダメージを抑えつつ高い速乾性も発揮。指通りのよい髪に
美容院向けのヘアケア製品を展開する化粧品メーカー・ミルボン。今回は、パナソニックとミルボンとの共同開発により誕生したドライヤー、エルミスタをご紹介します。
本商品は、エアコンク(美容液の入った交換式カートリッジ)をセットして使用することで、髪に微細な美容液ミストをなじませながら乾かせるのが大きな特徴。ヘアケアと乾燥を同時に行うことで、「サロンでブローしたあとのようなツヤと指通りが叶う」と謳っています。
モーターには、高風圧な風を生み出す小型ブラシレスモーターを採用。ドライ時間を短縮するほか、直進性の強い風により髪の乱れを軽減し、まとまり感のある仕上がりを目指しています。
さらにドライヤー本体に搭載したマイナスイオンで、静電気による広がりを抑制する設計に。美容液がキューティクルをケアすることによって、ヘアカラーの持ちも期待できるといいます。
エアコンクは、髪質や悩みにあわせて7種類がラインアップしています。気になるタイプを選んでくださいね。
<エアコンクラインアップ>
今回はミルボン エルミスタを含む、人気のドライヤーを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
人気のドライヤーを比較検証したところ、ミルボン エルミスタには気になった点がいくつかありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひ最後までチェックしてみてください。
ドライヤーに欠かせない速乾性の評価はいまひとつです。水分を含ませた毛束を2分間乾かしたところ、飛ばせた水分は2.73g。比較したなかには4~5gもの水分を飛ばせた商品も複数あるのに対し、素早く乾かせるとはいえません。「髪がスムーズに乾く」との口コミどおりとはいかない結果でした。
乾かしきった髪の指通りのよさも低評価。毛髪多目的計で毛束のくし通りを測定した結果、41.3Jもの力がかかり、比較した商品の平均21.23J(※2024年9月時点)を大きく上回りました。サラッとした手触りに仕上がった商品も多いなか、手ぐしですぐに引っかかっててしまう点が気になります。髪が絡まりやすい人にも不向きでしょう。
「風が熱いのが気になる」との口コミどおり、熱による髪へのダメージも気になるところ。髪のタンパク質が変性を始めるのが60℃以上といわれているなか、毛束が乾いた時点での表面温度は平均60.33℃に達しました。
比較したほとんどの商品は乾燥直後でも30~40℃台に抑えられていたのに対し、熱による傷みを抑えたい人には使いづらいでしょう。
操作のしやすさもよいとはいえませんでした。電源コードの長さは2.7mと比較したなかでも長く、どこでも使いやすいのは利点。ヘッドの長さも85mmと動かしやすいサイズではありますが、重量の実測値は668gとかなり重めです。比較した商品には400g台の軽いものも多いなか、長く使っていると手が疲れる可能性があります。
また持ち手の指がかかる部分に、風量や温度切り替えボタンがついているのがネック。使用中に誤ってボタンを押してしまわないよう、注意が必要です。
加えて折りたたみ不可なので、狭い洗面所だとかさばりやすい懸念があります。コード止めはついているものの、専用ケースやスタンドもありませんでした。サイズの実測値は高さ277×幅174×奥行76mmなので、収納の際の参考にしてくださいね。
機能性の評価も伸び悩みました。温度調節は2段階・風量調節は3段階と基本の機能は備わっているものの、温冷自動切替機能はなし。比較したほかの商品に搭載されているようなスカルプモードもなく、頭皮ケアしたい人には物足りない印象です。
とはいえ、ミスト機能があるのは本商品ならではの魅力。美容液の入ったエアコンクをドライヤーにセットすることで、美容液をミスト状に噴霧させながら乾かせる機能です。ミスト機能を使ってみたい人は、チェックしてみてもよいでしょう。
乾燥後の髪のまとまりやすさは高評価を獲得。自然乾燥時の毛束の幅を100%とすると、エルミスタで乾かしたあとの毛束の幅は平均83.5%まで落ち着き、しっとりまとまり感のある仕上がりになりました。
比較したなかには髪の広がりを抑えられない商品もあったなか、毛束の毛先まで落ち着いた仕上がりにしたい人によいでしょう。
熱によるダメージは抑えにくかったものの、摩擦ダメージの起きにくさの評価はトップクラスで優秀です。
毛束が乾いた時点でのマイナスイオン量の測定値は平均-413.3vと、全体平均の-153.55v(※2024年9月時点)よりかなり多め。比較したなかにはマイナスイオン量が少ない商品も多数ありましたが、これなら髪同士の摩擦によるダメージの軽減も期待できるといえます。
運転音も十分静かでした。4m離れた場所から稼動音を測定したところ、平均55.6dBを記録。役所の窓口周辺ほどの静けさで(参照:環境省)、とくにうるさいとは感じにくい音量でした。
深夜や早朝でも、寝ている家族を邪魔せずに使えるでしょう。
搭載モード | ミスト |
---|---|
温冷自動切り替え機能 |
良い
気になる
幅(実測値) | 17.4cm |
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奥行(実測値) | 7.6cm |
高さ(実測値) | 27.7cm |
電源コードの長さ(実測値) | 270cm |
風速(実測値) | 14.27m/s |
騒音レベル(実測値) | 55.6dB |
遠赤外線機能 | |
スカルプ機能 | |
折りたたみ可能 | |
海外対応 |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
ここからは、ミルボン エルミスタ以外のおすすめ商品をご紹介します。
ダメージを抑えつつ素早く乾かすなら、パナソニックのイオニティ EH-NE7Lがおすすめです。速乾性の検証では、毛束の水分を2分間で約4.8gも除去できました。比較したなかでもトップクラスの速乾性を発揮し、ロングヘアや毛量が多い人でもドライ時間の短縮が見込めますよ。
乾いた時点での毛束の表面温度は、30℃台と低い温度をキープできました。マイナスイオン量の実測値も比較したなかでは多く、熱や摩擦によるダメージが気になる人にもぴったり。乾いた毛束は指通りがよく、毛先までまとまり感のある仕上がりになりました。
運転音は静かで時間帯問わず使いやすく、折りたたんでコンパクトに収納できるのも利点。ドライモードのみのシンプルな設計ですが、1万円以下(※2024年9月時点)と手に入れやすい価格帯なのでぜひ試してみてくださいね。
リファ ドライヤースマートは折りたたみができるコンパクトなモデルながら、速乾性・ダメージレスの両立が叶う1台。力強い風で一気に乾かせ、濡れた毛束の水分は2分間で約4.3g飛ばせました。まとまり感は出にくかったものの、サラッとした指通りのよい仕上がりに。髪が絡まりやすいロングヘアの人にもよいでしょう。
乾燥後の毛束の表面温度も平均45.8℃と低く、毛束に付着したマイナスイオン量も多め。熱や摩擦のダメージの軽減も期待できます。温冷の自動切り替えやスカルプ・モイストモードなどの機能も多彩にあり、頭皮や毛先など場所にあわせた乾かし方ができるのも魅力です。
重量は472gと軽く、手に負担がかかりにくいのもうれしいところ。折りたたむとスリムになるので収納に困りにくいのはもちろん、持ち運びにも便利です。スマートな見た目にもこだわりたい人はぜひチェックしてくださいね。
ミルボン エルミスタは、サロン専売品です。お近くの取扱店舗で対面カウンセリングを受けたうえで会員登録すると、公式オンラインストアからも購入できます。まずはお近くの店舗に取り扱いがあるか、サロンリストからチェックしてみましょう。
本体価格は税込55,000円、エアコンクは税込2,750~3,300円(※2024年9月時点・公式サイト参照)なので、予算内に収まるかどうかやランニングコストなども加味しつつ検討してくださいね。
ミルボン エルミスタの使い方をご紹介します。効率よく乾かせるよう、以下のポイントをチェックしてみましょう。
ミストの噴射時間の目安は以下のとおり。必要に応じて追加噴射をすることもできます。
(参照:ミルボン公式サイト)
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