
不動産投資は失敗しやすい?失敗する原因や対策を解説
不動産投資に興味があるものの、失敗した場合にローンの返済だけが残ってしまうことに不安を感じる人もいるでしょう。また「不動産投資はカモにされる」などの情報を目にし、悪質な業者に騙されず、適切な投資判断ができるのか気になる人もいるはずです。
今回は、不動産投資でよくある失敗の原因や、失敗を防ぐための対策を解説します。あわせて、悪質な業者の見分け方やトラブルに直面した場合の相談先も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。

不動産投資の失敗率は?データで見る実態

2026年8月時点で、不動産投資の失敗率を示す公的な統計は存在しません。失敗の基準や収支状況は投資家によって異なるため、成功率や失敗率の数値の多くは、民間の推計にとどまります。算出方法や母集団が公開されていない数値は鵜呑みにせず、根拠となる一次統計に基づいているかを確認しましょう。
ただし、不動産投資の収益に影響する空室・空き家の実態は、公的データから確認可能です。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査 P.2」によると、賃貸・売却用・二次的住宅などを除く空き家の戸数は、385.6万戸と示されています。前回調査の2018年から36.9万戸増加し、総住宅数に占める割合は5.9%です。
空室が続けば家賃収入が減り、ローン返済や修繕費にも影響します。不動産を購入する前に、購入予定地域の人口推移や空き家の状況などを公的統計から調べ、入居者を確保できる見込みがある物件かどうかを見極めましょう。
不動産投資の失敗体験談によくある6つの原因

不動産投資に失敗した体験談をふまえると、原因は主に6つのパターンに分けられます。失敗につながりやすいのは、購入前に収益性や契約内容・返済負担などを十分に確認しないまま、投資判断をしてしまうケースです。よくある失敗として、以下が挙げられます。
- 表面利回り(物件価格に対する年間家賃収入の割合)だけで投資判断をする人は、諸経費を考慮した実質利回り(実際にかかる諸経費を差し引いて算出する利回り)を計算しないことで、想定より収益が出ないことがある
- 立地を十分に確認しない人は、周辺の賃貸需要を把握しないまま投資用不動産を購入し、空室が続いて家賃収入が想定を下回ることがある
- 修繕費の積立を後回しにする人は、将来必要となる修繕積立金を十分に確保できず、資金繰りが悪化することがある
- 「家賃保証」を鵜呑みにしてサブリース(不動産会社が物件を一括で借りあげ、入居者へ転貸する契約形態)契約を結ぶ人は、契約後に賃料が減額された場合、想定より収益が少なくなる
- 1社の説明だけを信じてしまう人は、相場より高い物件を購入するなど、業者の「カモ」にされることがある
- 頭金を用意せず無理に不動産投資を始める人は、借入額が大きくなり返済が生活を圧迫することがある
不動産投資の失敗は、複数の要因が重なって起こることもあります。たとえば、家賃収入が想定を下回り、修繕費などの支出が重なると、当初の収支計画から大きく外れかねません。こうした失敗を避けるには、不動産を購入する前に必要な情報を確認し、慎重に判断することが大切です。
不動産投資が向いている人・向いていない人の特徴

不動産投資は、長期的な計画を立て、着実に実行できる几帳面な人に向いています。入居者の募集や退去の手続き、修繕・メンテナンスの手配など、購入後も細かな管理や対応を長期間にわたって続ける必要があるからです。また、安定した収入があり、金融機関からの融資審査がとおりやすい会社員や公務員も、不動産投資に取り組みやすいといえます。
一方、リスクを一切負いたくない人は、不動産投資に向いていません。投資である以上、空室や修繕費の増加などの不確実性をゼロにはできず、損失が生じる可能性もあるからです。くわえて、決断を先延ばしにしがちな人も、不動産投資は難しいでしょう。好条件の物件を逃さないよう、迅速な決断をしなければならないこともあるからです。
自己資金の少なさやローンに不安がある場合は、少額から始められる不動産クラウドファンディングを検討するのもよいでしょう。物件の選定や運用、入居者への対応などを事業者に任せられるため、現物の不動産投資に比べて資金面や管理面の負担を抑えられます。資金状況やリスクの許容度をふまえ、無理のない方法を選ぶことが大切です。
不動産クラウドファンディングについて知りたい人は、以下のコンテンツを参考にしてください。おすすめのサイトや始め方などを詳しく紹介しています。
悪質な業者に「カモ」にされないための見分け方

不動産投資の勧誘トラブルは、若い世代で増加傾向にあります。悪質な業者のカモになって失敗しないためには、危険信号を見抜くことが重要です。悪質な業者は「今すぐ決めないと損をする」と契約を急かす、頭金ゼロのフルローンを強調する、家賃保証を過大にアピールするなどの特徴があります。
国民生活センターの報告によると、投資用マンションの勧誘に関する20代の相談件数は、2013年度の160件から2018年度には405件となり、2.5倍に増加したとのことです(参照:国民生活センター)。業者を選ぶ際は、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」などで、行政処分歴がないかを確認しておきましょう。
悪質な業者と気づかず、勧誘を受けて契約してしまっても、宅地建物取引業者の事務所等以外(自宅や飲食店など)で契約したのであれば、クーリングオフ(無条件で契約を解除できる制度)を利用できる場合があります。業者からクーリングオフについて告げられた日から8日以内であれば、書面による契約解除が可能です(参照:全日本不動産協会「クーリングオフ」)。
不動産投資で失敗しないための対策

不動産投資で失敗しないためには、業者任せにせず、実質利回り・修繕費・契約条件を自分で確認したうえで、複数の情報源を比較することが欠かせません。表面利回りやサブリースの家賃保証は、諸経費や契約条項を確認しないと、実際の収支と乖離する可能性があるからです。
物件の提案を受けたら、実質利回りを用いて実際の収益性を自分でも計算しましょう。実質利回りは以下の計算式で求められます。
【実質利回りの計算式】
- (年間の家賃収入-年間の諸経費)÷(物件の購入価格+購入時の諸経費)×100=実質利回り
修繕積立金は、国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン P.7」を参考に、㎡単価の目安と比較して妥当であるか判断する必要があります。サブリース契約の場合は、契約締結前の重要事項説明で、賃料減額や解約に関する条項に関して言及しているか確認しましょう。
また、1社の説明だけを鵜呑みにせず、セミナーや公的機関など複数の情報源から不動産投資の知識を身につけて、判断の精度を高めることも大切です。
さらに、頭金の割合や返済期間を変えて複数の返済計画をシミュレーションしましょう。家賃収入の一時的な減少や空室が発生した場合でも、給与収入などほかの収入から返済を続けられるだけの余裕があるかを確認が必要です。
不動産投資セミナーの参加を検討している場合は、以下のコンテンツを参考にしてください。おすすめのセミナーや選び方を詳しく紹介しています。
すでに失敗・トラブルに直面した場合の相談先

不当な契約によるトラブルが生じた場合は、1人で抱え込まずに公的な相談窓口を頼りましょう。契約解除や損害賠償の対応は個人では難しいため、専門の相談員に状況を伝え、今後の対処法について助言を受けることが大切です。
消費者ホットライン「188」に電話すると、居住地の消費生活センターを案内してもらえます。消費生活センターへの相談は無料です。相談する際は、契約書や業者とのやり取りがわかる書類などを用意しておくと、状況を伝えやすくなります。
運用の継続が難しい場合は、売却して損失を確定させる「損切り」も選択肢の1つです。売却価格がローン残債を下回っても、金融機関に相談したうえで任意売却できる場合があります。
売却を検討する際は、複数社に査定を依頼できる不動産一括査定サイトを活用すると、売却相場の把握が可能です。売却額とローン残債をふまえ、どのタイミングで手放すのが最も損失を抑えられるかを、専門家の意見も参考にして検討するとよいでしょう。
以下のコンテンツでは、おすすめの不動産一括査定サイトを詳しく紹介しています。選ぶ際の参考にしてください。
不動産投資の失敗に関するよくある質問
不動産投資の失敗に関する、よくある疑問をまとめました。契約前後の気になりやすい点を確認し、失敗を防ぐための参考にしてください。
不動産投資に失敗すると自己破産しますか?

不動産投資に失敗しても、必ず自己破産になるわけではありません。ローン残債や物件の売却価格などによっては、自己破産以外の対応を検討できる場合もあります。
たとえば、ローン残債が売却価格を上回る状態でも、金融機関の同意を得て任意売却で物件を手放し、売却後に残債の返済を続けるのも選択肢の1つです。金融機関との交渉によって、返済期間や返済条件を見直せる場合もあります。
返済が厳しくなった場合は、自己破産を急いで選択せず、早めに金融機関や専門家に相談しましょう。状況に応じた選択肢を確認したうえで、自分に合った対応を検討することが大切です。
不動産投資の失敗でどのくらい損をしますか?

不動産投資の失敗でどのくらい損をするかを、一律の金額で示す公的なデータはありません。損失の大きさは、頭金の割合や借入額、売却時の市況などによって変わるからです。
たとえば、空室が長引いて家賃収入が減少したり、想定以上の修繕費が発生したりすると、当初の収支計画よりも損失が大きくなる可能性があります。また、売却時の価格が購入価格を下回れば、売却による損失が生じることもあるでしょう。
損失額を断定するような情報を見かけたら、その根拠を確認したうえで、自分のローン残高や想定される売却価格などをもとに試算してみることが大切です。
サブリース契約なら家賃保証で失敗しませんか?

サブリースの「家賃保証」は、契約期間中に一定額の家賃が保証されるという意味ではありません。多くのサブリース契約には借地借家法が適用され、契約期間中や更新時に賃料が見直される場合があるからです。
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