現金代わりに楽天ポイントを使って、金融商品を購入できる楽天ポイント投資。興味はあるものの、始め方やメリット・デメリットがよくわからず、一歩踏み出すことをためらっている人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、楽天ポイント投資の仕組みやメリット・デメリット、やり方を徹底解説します。ポイント運用との違いやおすすめの銘柄なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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楽天ポイント投資とは、楽天グループの利用で貯まったポイントを、金融商品の購入に使えるサービスです。ポイントは1ポイント=1円として、楽天会員ランクに応じた上限まで投資に利用できます。
楽天会員ランクの最上位であるダイヤモンド会員は、1日・1注文あたり最大50万ポイント、1か月の合計50万ポイントまで利用可能です。ダイヤモンド会員以外は、1日・1注文あたり最大3万ポイント、1か月で合計10万ポイントが上限に設定されています。対象取引は、投資信託・国内株式・米国株式・バイナリーオプションの4種類です。
ポイント投資を始めるには、楽天証券で証券口座を開設しなければなりません。取引口座には、確定申告が必要な一般口座・確定申告不要の特定口座のほかに、投資利益が一定期間非課税になるNISA口座も選べます。
ただし、ジュニアNISA口座・iDeCo口座はポイント投資の対象外のため注意しましょう。
ポイント投資とポイント運用の大きな違いは、実際に金融商品を購入するかどうかです。ポイント投資では、ポイントを現金代わりに使って実際に金融商品を購入しますが、ポイント運用ではポイントそのものを運用会社に預けます。
楽天ポイントクラブが提供するポイント運用サービスには、アクティブコース・バランスコースの2種類があります。アクティブコースは、値動きが大きめの商品に投資して積極的な運用を目指すコース、バランスコースは値動きが小さめの商品に投資して安定的な運用を目指すコースです。
最初にコースを選択して100ポイント以上の楽天ポイントを預けることで、ポイント運用を始められます。運用中のポイントは自由に引き出して、通常ポイントとしても利用できることを覚えておきましょう。
証券口座不要で始められるポイント運用は、手軽に投資を擬似体験したい人にぴったりのサービスといえます。ポイント運用で要領を掴んだあとは、ポイント投資や現金投資に挑戦するのもおすすめです。
ここからは、楽天ポイント投資を行うメリットを4つ見ていきましょう。
ポイント投資のメリットは、自己資金なしで資産運用を始められることです。
楽天ポイント投資では、楽天ポイントを1ポイント=1円として金融商品の購入代金に充当できます。現金投資の代金の一部にポイントを使うことも可能です。現金が減らないので、損失に不安がある人でも投資のハードルが低く感じられるでしょう。
ただし、ポイント投資は元手が少額になりやすいため、まとまった資産形成には不向きです。例えば、毎月1,000ポイントを利回り3%で20年間積み立てた場合でも、最終的な積立金額は約33万円にとどまります。老後資金などのまとまった資産を用意したい場合は、現金投資の併用も検討してみてください。
楽天ポイント投資は、新NISAの成長投資枠口座・つみたて投資枠口座での取引に対応しています。
新NISAとは、毎年一定額の投資で得た利益が無期限で非課税になる制度です。通常、投資利益には約20%の税金がかかるため、新NISAを利用することで大きな節税効果が期待できます。
税金が非課税になる投資金額は、成長投資枠口座が年間240万円で、つみたて投資枠口座が年間120万円です。
なお、新NISA口座は成長投資枠・つみたて投資枠で併用が可能です。
ポイント投資を始めれば、楽天市場でお得にポイントを貯められるかもしれません。なぜなら、ポイント投資はSPUと呼ばれるポイントアッププログラムを適用できるためです。
具体的には、楽天証券で楽天ポイントコースとマネーブリッジを設定し、当月内に3万円以上のポイント投資を行えば、楽天ポイントの還元率を上げられます。投資信託の購入で+0.5倍、米国株式の購入で+0.5倍、合計で最大+1倍です。楽天ポイントを1ポイント以上利用した投資が対象になります。
なお、マネーブリッジとは、楽天証券口座と楽天銀行口座を連携できるサービスのことです。口座間の資金移動がスムーズになるうえ、楽天証券口座の資金が不足した際は、楽天銀行口座から自動で不足分を送金してくれます。
楽天市場でのポイント還元率が上がれば、より多くのポイントを投資に回しやすくなるため、ポイント投資を行う際はSPUの条件も意識してみてください。
楽天ポイント投資なら、投資信託や国内株式だけでなく、米国株式・バイナリーオプションにも投資できます。
バイナリーオプションとは、通貨ペアの為替レートが一定時間後に指定レートを上回るか下回るかを予測する取引方法で、予測が当たった場合のみ利益の払出しが可能です。
米国株式の場合、楽天証券の米国株式現物取引取扱い銘柄のすべてに投資できます。バイナリーオプションでは、ドル/円・ユーロ/円・ポンド/円・豪ドル/円・ユーロ/ドルの通貨ペアが投資対象です。
ポイントで米国株式・バイナリーオプションに投資できる証券会社は少ないため、興味がある人は楽天のポイント投資を積極的に利用してみてください。
楽天ポイント投資には複数のメリットがある一方、注意すべきデメリットもあります。ここからは、楽天ポイント投資のデメリットを4つ見ていきましょう。
ポイントを現金代わりに使うポイント投資においても、現金投資と同様に元本割れのリスクはあります。元本割れとは相場変動などにより、投資した金額より金融商品の価格が下がってしまうことです。
例えば、10,000ポイントを使って10,000円の金融商品を購入した場合でも、相場が下落すれば、売却時には9,000円や8,000円の価値になっている可能性があります。
ポイント投資をする際は、元本割れのリスクを考慮したうえで申込みを行うことが大切です。なお、ポイント投資では保有ポイントを超えて投資することはできないので、元本以上の損失が出て負債を抱えるリスクはありません。
楽天の期間限定ポイントは、ポイント投資に充当できないため注意しましょう。楽天ポイントには、通常ポイントと期間限定ポイントの2種類があります。
期間限定ポイントは、キャンペーンなどの特典として付与されるポイントです。15日や月末など、ポイントごとに有効期限が定められています。
期間限定ポイントは、楽天ポイント加盟店や楽天サービスでの買い物代金などに充当可能です。楽天ペイや楽天ふるさと納税の支払いにも利用できます。期間限定ポイントはポイント投資に回せないため、有効期限を確認のうえ計画的に利用しましょう。
楽天ポイント投資では現金投資と同様に、手数料がかかる場合もあるので注意しておきましょう。
国内株式の手数料はコースによって異なります。利用者が選択できるコースは、超割コースといちにち定額コースの2種類です。
超割コースの場合は取引金額5万円まで55円など、1回の取引金額に応じて手数料がかかります。いちにち定額コースの場合、1日の取引金額100万円まで手数料無料ですが、100万円を超えた際は取引金額合計に応じて手数料が発生する仕組みです。
米国株式は、1回の取引金額に応じて手数料が決まります。取引金額が2.22米ドル以下の場合は手数料無料ですが、2.23米ドルを超えた場合は約定金額×0.495%(税込)の手数料が必要です。
投資信託の場合、選ぶ銘柄によっては買付手数料だけではなく、信託報酬を含むファンドの管理費用、途中で解約する際の信託財産留保額といった手数料がかかることがあります。バイナリーオプションの取引手数料は無料です。
取引手数料が生じるとその分利益が減ってしまうため、ポイント投資をするときは、できるだけ手数料の低い商品・方法を選ぶようにしましょう。
楽天ポイント投資を始めるには、楽天証券の口座開設が必須です。口座を新規開設する場合は、楽天証券の公式サイトにアクセスし、画面の指示にしたがって申込みを行います。
しかし、楽天証券のサービスがよくわからないまま口座を開設することに、抵抗感を覚える人もいるでしょう。以下の記事では、楽天証券の口コミ・評判やメリット・デメリットを解説しています。楽天証券のサービス内容を詳しく知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
ポイント投資を始めるには、まず楽天証券の口座を開設しましょう。ここからは、楽天ポイント投資のやり方を、6つのステップで詳しく解説します。
公式サイトから、楽天証券の口座開設を申込みましょう。口座開設の費用は無料です。
申込みページを開くと、まずメールアドレスの登録を求められます。楽天会員でない人はメールアドレスを送信して、届いたメールに記載のURLから手続きを進めましょう。すでに楽天会員の場合はログインすると、楽天会員メールアドレスがそのまま登録されます。
本人確認書類を提出しましょう。書類提出の方法は、「スマホで本人確認」または「書類アップロードで本人確認」の2通りです。
スマホと運転免許証またはマイナンバーカードがあれば、スマホで本人確認を利用できます。スマホで運転免許証またはマイナンバーカードと、自身の顔写真を撮影して送信すれば本人確認は完了です。
書類アップロードで本人確認を選ぶ場合は、スマホまたはPCで書類をアップロードしましょう。利用できる書類は、住民票の写し・印鑑登録証明書・パスポート・各種健康保険証・在留カード・特別永住者証明書・住民基本台帳カードです。
書類提出の方法によって、口座開設にかかる期間が異なります。スマホで本人確認の場合は翌営業日以降、書類アップロードで本人確認の場合は約5営業日後にログインIDが届くため、スピーディに手続きしたい人はスマホで本人確認を選ぶとよいでしょう。
届くまでの期間は、スマホで本人確認の場合は翌営業日以降、書類アップロードで本人確認の場合は約5営業日後が目安です。スマホで本人確認を選択した人でIDが届かない場合は、専用ページから再通知を依頼してください。
楽天証券公式サイトのログインページから、IDとパスワードを使ってログインし、初期設定を行いましょう。暗証番号の設定や勤務先情報の入力など、初期設定は5分程度で完了します。
口座開設の申込時に、スマホでマイナンバーカードを提出していない人は、マイナンバーの登録も必要です。初期設定が終わったら、楽天証券のマイメニューからお客様情報の設定・変更に進み、ポイントコースを楽天ポイントコースに設定しましょう。
しかし、投資信託の種類は豊富にあるため、どれを選んでいいのか迷ってしまうかもしれません。以下の記事では、mybestが投資信託のおすすめ銘柄を徹底比較しています。投資信託の購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
最後に、楽天ポイント投資をするうえでよくある質問と回答を紹介します。スムーズに取引を進めるためには、疑問をあらかじめ解決しておくことが大切です。
例えば、ポイント利用上限500ポイントで毎月3,000円の積立設定をした際、利用可能ポイントが300ポイントであれば、300ポイントのみが使用され、2,700円分は現金で購入される仕組みです。
変更期限は、引落方法の設定により異なります。証券口座引落の場合は積立注文が作成される日の午前3時まで、楽天キャッシュ引落の場合は前月13日の午前3時まで、楽天カードクレジット決済の場合は前月16日の午前3時までであれば、設定変更が有効です。
楽天証券以外にも、ポイント投資ができる証券会社は複数存在します。証券会社によって対応しているポイントや対象商品が異なるため、できるだけ自分の用途に適した証券会社を選ぶことが重要です。
以下のコンテンツでは、ポイント投資ができるおすすめの証券会社をランキング形式で紹介しています。楽天証券以外でのポイント投資に興味がある人は、ぜひチェックしてみてください。
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