「没入体験を提供する」と謳うゲーミングイヤホン、SteelSeries Arctis GameBuds。インターネット上では「装着感がよい」と評判です。その一方、「マイクの音が悪い」という気になる口コミも存在し、購入を迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の4つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のゲーミングイヤホンとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、ゲーミングイヤホン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
オーディオ専門店「e☆イヤホン」の販売員として3年間勤務。オーダーメイドや高級機種なども含め、これまでに試聴したイヤホン・ヘッドホンは、のべ500種類を超える。また、音楽や環境に合わせて11種類のイヤホン・ヘッドホンを使い分けるほど、音には並々ならぬ情熱を持っている。 その後、2023年にmybestへ入社し、豊富な知識を活かしてオーディオ機器のガイドを担当。「顧客のニーズを真摯に考えて、オーディオ機器を提案する」をモットーに、ユーザーに寄り添った企画・コンテンツ制作を日々行っている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
ワイヤレスタイプで、比較した有線タイプのようなケーブルのわずらわしさがないところも強み。Type-CのUSBドングルが付属し、スマホにも2.4GHz接続可能です。遅延が少なく、電車などの移動中もサクサク音ゲーをプレイできるでしょう。耳に沿わせられる形状かつ、イヤーピースも3種類付属していました。「装着感がよい」との口コミにも納得です。
定位感はあと一歩。ダミーヘッドマイクを使って音が移動したときの左右の大きさの差分を調べると、20.5dBと小さめでした。音の移動はなめらかで、ある程度の位置関係は再現されているものの、FPS・TPSゲームで敵の方向を正確に捉えたい人には不向き。実際にゲームをプレイしてみても、音は左右に広がるのみで立体感を表現できていませんでした。
「マイクの音質が悪い」という口コミどおり、マイク性能もいまひとつです。実際にマイクを経由した音声の周波数特性を分析したところ、比較した大半の商品と同様に男女どちらも声に芯がなく安定感がありませんでした。同時にノイズを流すと、声自体はしっかり拾えていましたが、ノイズはあまりカットできず。雑音の多い場所で通話すると声を聴き取りにくい可能性があります。
値段も25,000円前後と高め(※2025年1月時点・ECサイト参照)。ノイキャンやイコライザー機能などを搭載している点は魅力ですが、初心者は手を出しにくいでしょう。音質面でも「没入体験を提供する」との謳い文句に疑問が残ります。音ゲーをメインでプレイするなら選択肢になりますが、FPSやRPGの世界観に浸りたい人はほかの商品も検討してください。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
SteelSeries Arctis GameBudsと比較検証を行った商品のなかで、総合評価1位を獲得したベストバイのゲーミングイヤホンと、各検証でNo.1を獲得した商品をピックアップしました!
SteelSeries Arctis GameBudsの購入を迷っている人はチェックして、自分にとってのベストバイアイテムを見つけてみてくださいね!
SteelSeriesは、2001年にデンマークのコペンハーゲンで立ち上げられたeスポーツブランドです。「Arctis9」などのヘッドセットをはじめ、キーボード・マウス・スピーカーなどのゲーミング周辺機器を多数開発。プロゲーマーやeスポーツイベントのスポンサー活動も積極的に行っています。
今回ご紹介するSteelSeries Arctis GameBudsは、「没入体験を提供する」と謳う完全ワイヤレスのゲーミングイヤホン。4つのマイクを内蔵し、プレミアムHi-Fiオーディオドライバーとアクティブノイズキャンセリングを組み合わせることで、プレイヤーをゲームの世界に引き込む設計です。
昨今ではゲーム用のイヤホンに、音楽のプロがステージや楽曲制作で使っている有線タイプのモニターイヤホンが多く選ばれています。有線タイプのモニターイヤホンのほうが、ワイヤレスタイプよりも定位感が優れている傾向が。とはいえ、コードのわずらわしさが気になる人や自由な体勢でプレイしたい人にはワイヤレスタイプが向いています。
本品は2.4GHzワイヤレス接続の高速通信ができるように、パフォーマンスの向上を追求したオリジナルの新世代チップセット搭載しているのもポイント。付属のUSB Type-Cドングルを使うと、PS5・Switch・タブレットなどのさまざまなデバイスと接続できるうえ、イヤホンの側部をタップするだけで2.4GHzとBluetoothの接続をスムーズに切り替えられます。
連続使用時間がイヤホン単体で10時間・ケース込みだと40時間と長いのもこだわり。15分の充電で3時間の使用できる急速充電や、ワイヤレス充電にも対応しています。防塵防水性能はIP55相当。雨の日の外出やランニングなどのスポーツシーンでも耐えられる仕様です。
なお、今回検証で使用したのはPS5用オーディオプリセットを搭載しているタイプで、カラーはブラック・ホワイトの2色展開。同シリーズではXbox用オーディオプリセットを搭載しているタイプもラインナップしており、こちらはブラックの1色展開です。
今回はSteelSeries Arctis GameBudsを含む、人気のゲーミングイヤホンを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
音質はおおむね良好。実際にマイベストオーディオ機器担当が商品でゲームをプレイしたり楽曲を聴いてみたりしたところ、全体的にクリアなサウンドを楽しめました。とくに高音の再現性が高く、細かな効果音・金属音・動物の鳴き声などもきれいに拾えています。耳に刺さるようなチューニングではなく、聴きやすい音質も魅力です。
低音も迫力は控えめですが、埋もれることなくバランス重視の軽めの響き。ただし、中音の存在感が薄く、比較した上位商品のような音の厚みやリアルさに欠けるのは気がかりです。臨場感を重視しない音ゲーをプレイするには十分ですが、RPGなどの世界観に没頭したい場合は物足りない可能性があります。
イヤホン本体の直径は1.734cmと大きめですが、62,000件もの耳のスキャンデータをもとに設計されており、実際に確認しても耳に沿わせられる形状でした。イヤーピースもS・M・Lの3種類が付属しているのでフィット感を調節できます。
総じて、「装着感がよい」という口コミにも納得です。ただし、耳かけには非対応なので、途中で外れるリスクがある点は留意しておきましょう。
定位感はやや物足りません。「Apex Legends」の射撃訓練場でプレイヤーがフィールドを走る音源を、ダミーヘッドマイクを使って分析。すると、音と音の切り替わり自体はスムーズかつなめらかでした。
ただし、音が移動したときの左右の大きさの差分を調べると20.5dBと小さめ。左右それぞれの位置をある程度は把握できたものの、比較した全商品の平均値約23.1dB(※2025年1月時点)を下回っています。敵の場所を正確に捉えにくく、FPSやTPSゲームなどで勝率を上げたい人には不向きでしょう。
実際にマイベストオーディオ機器担当が「Apex Legends」をプレイし、さまざまなゲームのトレーラー映像を視聴したところ、音の立体感が控えめでした。左右には音が広がっていたものの、上下や前後への音の広がりはあまり感じられません。
不自然にまとまった音質で、抑揚や強弱などを表現しきれていないのも気になりました。音楽ゲームなどがメインの人なら十分な性能ですが、迫力や臨場感は得にくいといえます。「没入体験を提供する」という謳い文句には反する結果です。
「マイクの音質が悪い」という口コミがあるように、マイク性能も低評価に。本品を装着したダミーヘッドマイクから音声を流し、マイクを経由した音声の周波数特性を分析しました。すると、男女ともに声の輪郭ははっきりしていたものの、声の芯の部分である100〜1000Hzの音があまりブーストされず、キンキンした音質で安定感はありません。
同時にノイズを流すと男声は19.34dB、女声は15.67dBの音を拾えており、声自体は大きく鳴っていました。ただし、ノイズは2.12dBしか除去できず、うるさい環境のなかで通話すると音声がこもって聴こえる可能性があります。
比較したなかでマイクの性能が優れていた商品はほとんどなく、こちらも音声をクリアに届けたい人には不満が残りそうです。ボイスチャットでの音質を求めるなら、別途コンデンサーマイクなどを購入するとよいでしょう。
25,000円前後と高価格(※2025年1月時点・ECサイト参照)で、手を出しにくいところもネック。比較したなかでは有線タイプよりも、本品を含むワイヤレスタイプのほうが値段が高い傾向があり、こちらも例外ではありませんでした。
とはいえ、そのぶん本品には、ノイズキャンセリング機能や外音取り込み機能、ゲーム・音楽・映画に合わせて100以上のプリセットから音質を好みにカスタマイズできるイコライザー機能などが備わっているのが特徴。価格よりも機能性を重視する人向きといえます。
接続方式 | 無線(2.4GHz) |
---|---|
イヤホンの種類 | ゲーミングイヤホン |
マイク付き |
良い
気になる
連続再生時間 (イヤホンのみ) | 10時間 |
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連続再生時間 (充電ケース込み) | 40時間 |
イヤホン形状 | カナル型 |
付け替え用イヤーピースあり | |
プラグ形状 | USB Type-C(ドングル) |
充電時間 | 1.5時間 |
ケーブルの長さ | |
ノイズキャンセリング機能 |
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
販売中のショップが見つかりません
SteelSeries Arctis GameBudsは、公式サイトやAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどで購入できます。値段や送料はサイトによって異なるので、事前に比較するとよいでしょう。
ヨドバシカメラなどの家電量販店で販売していることもあるので、実際に装着感などを試したい人はお近くの取扱店舗を調べてみてください。
ShureのAONIC 215は、FPSもRPGも快適にプレイしやすい一品です。検証で測定した左右の音の差分は24.10dBと大きく、実際にゲームをしても音の移り変わりや鳴っている位置をしっかり把握できました。音質もクリアかつ迫力があり、ゲームの世界に浸れるでしょう。耳かけ構造の有線タイプで、安定して装着できるところも魅力です。
ワイヤレスで選ぶなら、SONY INZONE Budsもおすすめ。左右の音の差分は27.20dBと比較したなでもトップクラスで、包まれるような定位感を得られました。高音が弱く音の広がりはやや物足りないものの、全体的にまとまりのあるサウンドです。イヤーピースは4種類付属しており、自分の耳に合わせやすいでしょう。
接続方式 | 有線 |
---|---|
イヤホンの種類 | モニターイヤホン |
マイク付き |
良い
気になる
連続再生時間 (イヤホンのみ) | |
---|---|
連続再生時間 (充電ケース込み) | |
イヤホン形状 | カナル型、耳掛け型 |
付け替え用イヤーピースあり | |
プラグ形状 | 3.5mmミニプラグ |
充電時間 | |
ケーブルの長さ | 1.31m |
ノイズキャンセリング機能 |
SHURE AONIC 215 SE215DYを徹底レビュー!実際に使ってわかったメリット・デメリットは?
接続方式 | 無線(2.4GHz) |
---|---|
イヤホンの種類 | ゲーミングイヤホン |
マイク付き |
良い
気になる
連続再生時間 (イヤホンのみ) | 2.4GHz接続:11時間/Bluetooth接続:24時間 |
---|---|
連続再生時間 (充電ケース込み) | 2.4GHz接続:24時間/Bluetooth接続:48時間 |
イヤホン形状 | カナル型 |
付け替え用イヤーピースあり | |
プラグ形状 | USB Type-C(ドングル) |
充電時間 | 2時間 |
ケーブルの長さ | |
ノイズキャンセリング機能 |
SONY INZONE Buds WF-G700Nの口コミ・評判は?実際に使ってよい点・気になる点を徹底レビュー!
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