BEAMS DESIGN オリジナルスーツケース フロントオープンスタイルをレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

用意した2泊3日分の荷物は、すべて収納できました。緩衝材入りの大きなポケットがあり、ノートパソコンやタブレットを持ち運びやすいのが好印象です。

ただし、用意したアイテム以上を収納する余裕はありません。比較した商品には容量40L近いものもあったのに対し、本商品は34Lと少なめ。機内持ち込みが可能なスーツケースでも、もう少し荷物が入るものがあったので、荷物が少ない人向けといえます。

メーカーの売りであるフロントオープンスタイルは、やや使いにくさを感じました。メイン収納は2つにわかれていて、片側がフロントポケットと繋がった仕様。フロントポケット側を開けたときに荷物が雪崩のように溢れました。

内側にはメッシュポケットが3つありますが、そのうち2つは折りたたみ財布が入る程度と小さめ。化粧品のような細かなアイテムが多い人は、ポーチに入れてまとめるなど工夫したほうがよいでしょう。

比較した商品には、ポケットの数が豊富で整理しやすいものもあり、評価は伸び悩みました。頻繁に荷物を出し入れする人は、もっとポケットが多い商品を選ぶのがおすすめです。

1. 容量拡張機能｜×
2. フロントドア｜〇
3. TSAロック｜〇
4. タイヤストッパー｜×

2つあるメイン収納の両方にTSAロックがついており、海外に行く機会が多い人に向いています。アメリカ領土内の空港でTSA（米国運輸保安局）職員による検査に引っかかったとしても、専用の工具で解錠・施錠できるため、鍵を壊される心配がありません。

ダイヤルロック式を作用しており、鍵を持ち歩く必要がないのもメリットです。

しかし、容量拡張機能がないのは惜しいところ。容量を広げられるものに比べると、お土産など帰りの荷物が増えるときは使いにくく感じるかもしれません。

タイヤストッパーがなく、電車内などでスーツケースが動きやすいのも気になりました。

キャスターの動きがとてもなめらかで、荷物の重みをあまり感じませんでした。とくにクルクルと回る動作がしやすく、Uターンなどの細かな動きにもスムーズに対応できます。

キャスターはダブルタイプの4輪です。点字ブロックの上などを通るときにガタガタしやすい商品もあったのに対し、こちらは振動も小さめ。時々段差に引っかかる感覚があったものの、気になるほどではありませんでした。

謳い文句のとおり操作しやすいので、使用頻度が高い人にもぴったりです。

荷物を入れて引いたときの音量を計測した結果、約56.6dBと比較的静かでした。比較したほ化の商品には60dBを超えるほど音が大きいものもあったなか、こちらはゴトゴトと低音が鳴るくらいです。

静音キャスターが採用されているので、街中で使っても目立ってしまう心配は少ないでしょう。

重量は約3kgとまずまずの軽さでした。ボディはハードで、開閉はファスナータイプ。同じタイプの商品の多くが3kg台なので、平均的な重さ（※執筆時点）です。ソフトタイプは2kg台と非常に軽量でしたが、衝撃に強い素材なのは魅力的ですね。

同じハードタイプでも、フレーム付きだと重量4kgを超えるものも。軽いだけでなく、ファスナーに柔軟性があるため荷物を詰めやすく、使い勝手のよい素材です。

モニター6人のうち、「階段が上がりやすい」と回答したのは5人。持ち手部分に柔らかいゴムがついていて、荷物を入れた状態で持ち上げても手の負担は控えめでした。持ち手の硬さが気になる商品もあったのに対し、持ちやすさに配慮されている印象です。

ただし持ち手と本体の隙間が狭いので、手が大きい人は握りにくく感じるかもしれません。

＜階段の上りやすさについてのモニターコメント＞

1. 「持ち手がゴム製のため手に食い込まず痛くない」（男性/身長160cm程度）
2. 「本体重量が軽めで持ちやすい」（女性/身長160cm程度）
3. 「持ち手が狭くて手が若干当たるが、持ち上げれば問題ない」（男性/身長175cm以下）
4. 「持ち手がゴムなので持っても痛くはなかった」（男性/身長175cm程度）

コメントは一部抜粋

耐久性は、いまひとつの結果になりました。専門家は「側面が凹みやすいのが気になる」とコメント。ボディ正面の強度は十分ですが、極端に側面が凹むとファスナーが破損する可能性があります。

ファスナーを切り裂けば開けられるため、ハード・フレームタイプに比べると防犯性に不安があるのも気になりました。

内部の構造は、専門家から「穴の周りにあるバリが気になる」との意見が。持ち手部分を補強する板が薄いプラスチックで、使い込むと磨耗する懸念があるのも気になりました。底足はついていますが、本体をしっかり支えられないのも惜しい点です。

一方で、HINOMOTO社の頑丈なキャスターが使われているのは魅力。キャスターのゴムが薄いものに比べると、長距離の移動でも傷みにくいでしょう。伸縮ハンドルはわずかにガタつきますが、おおむね問題ありませんでした。

防水性については、小雨程度であれば耐えられるという結果に。シャワーをかけたあとに半紙の状態をチェックすると、半分ほど濡れていました。検証した商品には、半紙がほとんど湿らなかったものもあり、防水性はまずまずです。

とはいえ、水たまりができるほどのレベルではありません。土砂降りの雨でなければ、荷物がびしょ濡れになる心配はないでしょう。