アメリカンツーリスター フロンテックをレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

フロントポケットの中に、メッシュポケット・PCポケットのほかに、小物用のポケットが2つあるのは便利です。底が深いため、厚みのあるアイテムもおおむね問題なく入れられます。

メインの収納部分は十分なゆとりがあり、マチ幅を広げなくても用意したすべてのアイテムが収まりました。

しかし、一般的なスーツケースのように左右に大きく開くことはできず、メインの収納部にアクセスできるのはフロント部分からのみ。メインの収納部の奥に入れた小物は、かなり取り出しにくそうです。

構造が特殊なので慣れるまでは扱いにくく感じる可能性があり、今回比較したなかでは収納性の評価が伸びませんでした。

操作性のよさについては、今回比較したなかでトップレベル。持ち手の高さが多段階で調節できるうえに、点字ブロックの上を通ってもタイヤが引っかかりません。

斜めに傾けず垂直に持った状態で歩いてみると、ほかの商品との違いがより明確にわかります。路面のガタつきが手元にダイレクトに伝わるものもあったのに対し、こちらは動き方がとてもなめらかでした。

悪路での使用や、出張先で長時間歩く機会が多い人にもぴったりです。

引っ張って動かしたときの音量を測定してみると、平均61.2dBでした。

ほかの商品のなかには、60dBを下回ったものもありましたが、音がかなりうるさいわけではありません。一般的なスーツケースの音量なので、使っていて不快に感じる心配は少なそうです。

伸縮ハンドルやキャスターの付け根が細いのが気になりますが、専門家の棚井さんからは「ボディはそれなりに頑丈で、内装もしっかりしている」という意見が寄せられています。比較した全商品のなかでは、耐久性はまずまずです。

しかし構造が特殊なぶん、フロントポケットのファスナーが壊れると、メインの収納部を開けることができなくなってしまうのは惜しいところ。

棚井さんは「フロントポケットは構造上ミシンが入れられず、修理できない」とコメントしています。フロントポケットのファスナーが壊れないように、慎重に扱ったほうがよいでしょう。

横向きで持つための取っ手がついておらず、モニターからは「階段に当たる」「持ち上げにくい」という意見がありました。横向きで持ち上げられるものに比べると、階段の上りやすさはいまひとつです。

また、取っ手部分が角ばっているうえに硬いので、「取っ手の裏側の凹凸が手に食い込んで痛い」とコメントした人も。サイズのわりに、重量があるのも気になります。階段が多いエリアに行く場合は注意が必要です。

重量を測定してみると、約3.3kgでした。

今回比較したなかには、3kgを下回るものもあったので、特別軽いとはいえません。中に荷物を入れすぎるとかなり重くなる可能性があり、力に自信のない人にとってはやや取り回しにくく感じそうです。

今回比較したなかでは、機能性は優秀。タイヤストッパーはついていませんが、マチを拡張すると収納部分に少し余裕ができます。

フロントドアがあるため、寝かせず立てた状態のままでも開け閉めでき、PCポケットやメッシュポケットから小物がサッと取り出せました。鍵の番号が若干回しにくいものの、TSAロックを搭載しているのも魅力です。