スマホでスマートに支払いができるキャッシュレス決済アプリ、PayPay(ペイペイ)。インターネット上では「買い物がスピーディで友だちに送金もできる」など高評価の口コミが多いですが、「ポイント還元に期待できない」との評判もあり、利用を迷っている人もいるのではないでしょうか。
今回はその実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証しました。
さらに、ポイント還元率が高く利用しやすい人気のキャッシュレス決済アプリとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説します。ポイント還元率アップの条件や便利機能なども調査したので、キャッシュレス決済アプリ選びを迷っている人は参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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PayPay(ペイペイ)はシェアが広い点が魅力ですが、還元率はあまり高くありません。ほかのキャッシュレス決済アプリと比較した結果、基本還元率は0.50%と一般的な水準に。還元率を最大2.00%まで上げる「PayPayステップ」もありますが、支払い回数・金額に条件が設けられており、ハードルが高め。過去には3.00%まであった還元率ことを考えると、誰でも簡単に高還元率を実現できるとはいえませんでした。
登録できるクレジットカードがPayPayカードに限定されている点も気になります。加えて、PayPayカードからのチャージはポイント付与の対象外であり二重取りができません。口コミに「ポイント還元に期待できない」との声があるように、還元率を重視する人には物足りなく映るでしょう。
一方、使えるシーンの多さは魅力的。比較したところ、加盟店多さはトップクラスでした。調査したコンビニや飲食店はもちろん、スーパー・ECサイトにも加盟店が多数。街でもネットでも日常的に使いやすいといえるでしょう。
アプリの機能も充実していました。使える店舗の位置をマップ上で確認できますよ。家族・友人間での送金やグループ支払いもでき、お金のやり取りが簡単に。税金や公共料金も支払えるほか、余ったPayPay残高の出金(払い出し)も可能です。
「超PayPay祭」のスクラッチくじなど、お得なキャンペーンも頻繁に開催。常時ポイント1.50%還元を実現できる楽天ペイと並ぶとお得感が少ないものの、「やめたほうがいい」との口コミもありますが加盟店の多さや機能の充実ぶりを考えると優秀なアプリといえます。使える場所の多さで選びたいなら、ぜひPayPayを検討してくださいね。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
PayPay(ペイペイ)は2018年10月にサービス提供を開始したスマホ決済サービスです。2024年8月時点での利用者数は6,500万人を突破し、経済圏を大きく広げています。
運営しているのはLINEヤフーグループのPayPay株式会社。関連会社にはPayPay証券やPayPayカード株式会社があり、スマホ決済サービスと連携して資産運用や保険事業も展開しています。
なお、福岡ソフトバンクホークスと2019年にチームスポンサー・2020年からネーミングライツ契約を結びました。本拠地の福岡ドームは「みずほPayPayドーム福岡」として広く知られています。周辺施設では決済手段にPayPayが導入され、クーポン配布やキャンペーンの開催なども行われています。
<チャージ方法>
なお、PayPay残高には以下の3種類があります。
<PayPay残高の種類>
サービス提供は2024年内の予定
チャージ方法は簡単。ホーム画面の「チャージ」から「チャージ方法」を選択し、希望の方法を選んでから金額を入力するだけです。手動でチャージするのが手間に感じるなら、オートチャージ設定を利用しましょう。決済時に残高が不足していれば、自動でチャージされます。
「PayPayクレジット(旧あと払い)」もチェック。利用料金を翌月まとめて支払えるため、事前の残高チャージが不要です。なお、利用にはPayPayカードまたはPayPayカードゴールドの申し込みが必要です。
今回はPayPay(ペイペイ)を含む人気のキャッシュレス決済アプリを実際に調査して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
テレビCMや広告などで見かける機会の多いPayPayですが、実際のポイント還元率やクレジットカードとの親和性が気になりますよね。
ここからはまず、PayPayの気になるポイントをチェックしていきます。
PayPayで支払うと、PayPayポイントが貯まります。還元率は基本付与率が0.50%で、ほかのキャッシュレス決済アプリと比較すると一般的な水準でした。
ポイント還元率を最大2.00%まで上げる「PayPayステップ」もありますが、1か月の支払い回数や支払金額の条件をクリアする必要が。日常の支払いをPayPayに集約できるなら高還元を期待できますが、ほとんどの人にはハードルが高いでしょう。
<ポイント還元率を2.00%にするための3ステップ>
1.基本付与率(最大+1.00%)
2.条件達成(+0.50%)
3.PayPayカードゴールドをクレジット利用設定(+0.50%)
ちなみに、ポイント還元率では楽天ペイが突出して高く、常時1.00%還元でした。楽天カードと紐づけるだけで還元率を1.50%にできるため、還元率アップのハードルが低いですよ。
PayPayはサービス当初3.00%という還元率を誇っていました。現在は3.00%から0.50%に下がってしまったと聞くと、還元率が下がってPayPayをやめるべきか悩む人も多いでしょう。
しかし、0.50%の還元率はQRコード決済としては平均的。ポイント付与率を上げるPayPayステップもあるため、還元率が下がったからといって一概にやめるべきではないといえます。
PayPay残高へのチャージ方法は、銀行口座・セブン銀行/ローソン銀行ATMでのチャージなど6種類。基本的にチャージ手数料は無料ですが、「ソフトバンク・ワイモバイルまとめて支払い」でチャージする場合のみ、当月2回目以降のチャージに2.50%の手数料がかかります。
頻繁にキャリア決済でのチャージをすると、手数料が膨らむ可能性があります。初月無料の1回目に十分な額をチャージしておくなど工夫が必要です。少しずつチャージしたい場合は別の手段を検討してくださいね。
登録できるクレジットカードがPayPayカード(旧Yahoo! JAPANカード含む)に限定される点も、使い勝手としてはいまひとつ。PayPayカードを持っていない人はほかのチャージ方法を選ばなくてはなりません。
なお、PayPayカードからPayPay残高へのチャージはポイント付与対象外。ポイント還元率を上げる「PayPayステップ」の条件をクリアするには、PayPayクレジットの利用設定が必要です。
クレジットカードから電子マネーにチャージしてポイント二重取りをしたいなら、PayPay以外のキャッシュレス決済を検討すべきでしょう。たとえば、楽天ペイは楽天カード・ATM・銀行口座などからのチャージで1.50%の還元が受けられます。
ほかにも、モバイルSuicaはビューカードからのチャージで1.50%還元。au PAYはau PAYゴールドカードからのチャージで1.50%還元です。二重取りできるクレジットカードについては「ポイント還元率が高いクレジットカード」のコンテンツで詳しく解説しているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
ポイント還元率アップのハードルがやや高く、登録できるカードがPayPayカードに限られるなど気になる点もありましたが、PayPayは日常のさまざまな場所で利用できる便利なサービスです。
ここからは、加盟店の多さやECサイトの対応数、アプリの使い勝手などメリットをご紹介します。
一方、差が出たのはスーパー。ほとんどのアプリが2~4店舗にとどまるなか、PayPayは調査した5店舗すべてに対応していました。普段の生活での使いやすさが伺えますね。家電量販店もほとんどの店舗で使えますが、ヨドバシカメラは未加盟でした。
加えて、使えるガソリンスタンドも順次拡大中。PayPayに対応しているのは一部の店舗に限られる場合もあるため、よく利用する店舗で使えるか確認してくださいね。
買い物や食事などで使える機会が多く、ほかのサービスに比べてPayPayが使えないというシーンは少ないといえます。ポイントを貯めるチャンスも増えるため、上手に利用すればよりお得感が得られますよ。
なお、ZOZOタウンに対応していたのはPayPayとLINE Payのみでした。洋服をネットでよく購入する人は、PayPayアプリを入れておくとスマートに決済できますよ。
・ECサイト|5店舗中3店
支払いや残高のやり取りに関する機能も充実していました。請求書払いに対応しているため、公共料金や税金の支払いにも使えます。わりかん機能は2023年5月31日に終了しましたが、グループ支払い機能を使えば複数人で会計を清算するのも簡単です。
相手がPayPayを使っていれば、手数料無料でPayPay残高を送金可能。口座情報がわからない人とのお金のやり取りに便利です。PayPay残高は銀行口座へ払い出せるため、お金の管理がしやすくなります。
比較したなかには公共料金支払いや送金機能がないサービスもありました。対して、PayPayの使い勝手のよさはかなり良好といえるでしょう。
ほかのQRコード決済の請求書払いと同様に、PayPayでの請求書払いではポイントは貯まらないので注意しましょう。公共料金や税金などの請求書を支払う場合は、PayPayカードのようなクレジットカードで支払うのがおすすめです。
公共料金でお得にポイントが貯まる方法は「公共料金支払いでお得なクレジットカード」のコンテンツで紹介しているのでぜひチェックしてみてくださいね。
ポイント還元率(前払い) | 0.50% |
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最大還元率 | 1.50% |
送金機能あり |
良い
気になる
貯められるポイント | PayPayポイント |
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チャージ方法 | 銀行口座、現金、クレジットカード(PayPayカードのみ)、キャリア決済、ヤフオク!・PayPayフリマの売上金 |
PayPayは利用できる店舗数が多く、充実の機能で使い勝手も良好です。しかし、還元率や貯まるポイントの種類が気になる人もいるでしょう。
ここではPayPayが向いていない人におすすめのキャッシュレス決済アプリをご紹介します。
さらに楽天ポイントカードの対象店なら楽天カードとのポイント二重取りで最大2.50%もの還元が可能に。対応しているECサイトは楽天市場だけですが、楽天経済圏の人は忘れずに入れておきたいアプリです。
利用できる店舗は実店舗が多く、飲食店・コンビニなどの買い物ならまず困らないでしょう。アプリの機能も充実。使える店舗は地図や住所などで簡単に調べられました。送金機能・税金や公共料金の支払いなど、便利な機能が豊富で使い勝手がよいですよ。
Pontaポイントを貯めたいポン活派の人には、auPAYがおすすめ。毎月5と8がつく「たぬきの吉日」に買い物をすると、抽選で最大3,000ポイントが当たります。キャンペーンは誰でも参加可能。auユーザー以外の人も、買い物日を合わせてはいかがでしょう。
機能の充実度は比較したなかでもトップクラス。GPS機能がとくに優秀で、利用できる店舗までの道順までわかります。お金のやり取りに関する機能も「わりかん機能」を含め、チェックした項目をすべてそろえていました。
通常のポイント還元率は0.50%ですが、auPAYゴールドカードからチャージすると最大1.50%の還元が受けられます。ゴールドカードは年会費がかかるものの、携帯料金の支払いなどをまとめれば効率的にPontaポイントを貯められますよ。
PayPayでは通常の支払いのほかにもお得なサービスが盛りだくさん。自治体限定のデジタル商品券など外部主催のキャンペーンも頻繁に開催されているので、ぜひキャンペーンページから確認してくださいね。
ここでは、キャンペーン情報を一部ご紹介します。
<参加条件>
2024年6月21日~8月9日まで開催されていた超PayPay祭では、1等が当たると決済金額の100%がPayPayポイントで付与されました。2等なら5.00%、3等なら0.50%分のポイントが還元されるため、PayPay対応店舗の利用がかなりお得になります。
当選確率はPayPay残高よりPayPayクレジット払いのほうが高く、ソフトバンクユーザーは必ず1~3等が当たったようです。次回の超PayPay祭の際はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
PayPayの使い勝手のよさを実感できたら、ぜひ周りの家族・友人に紹介しましょう。紹介された人がPayPayに新規登録後、所定の条件を満たすことで、紹介した人・された人それぞれに300ポイントが付与されます。
紹介するには、本人確認済みであることが条件です。また、認証コードを送った相手が所定の手続き後、60日以内にPayPayアプリで「1回で1,000円以上」の支払いを完了させる必要があります。
なお、紹介コードによって付与されるポイントは、1か月最大10人・3,000ポイントが上限。友だち紹介特典は2024年6月5日~終了日未定なので、使っていない知人にどんどんおすすめしてくださいね。
PayPayを使うには、PayPayアプリを取得する必要があります。AppStoreまたはGooglePlayで検索し、スマホにダウンロードしましょう。アカウント登録までの流れは次のとおりです。
1.PayPayアプリをダウンロードする
2.アプリを起動、電話番号とパスワードを入力
3.SMSで認証コードを受信
4.受信した4桁の認証コードを入力
5.登録完了
登録ができたら、アプリにお金を入れます。入金の方法は、セブン銀行・ローソン銀行ATMで現金を入金するだけ。銀行口座やPayPayカードを紐づけると、より簡単にチャージできますよ。
支払い方法は2種類。お店によって対応が異なるので、都度使い分ける必要があります。支払い方法を聞かれたら、「PayPayで支払う」旨を伝えてくださいね。
<アプリのバーコードを見せてお店側が読み取る方法>
<お店のQRコードを自分で読み取る方法>
どちらの支払い方法に対応しているかは店員に確認しましょう。QRコードを読み取る場合はレジ付近に置かれている場合が多いですよ。
PayPay残高の送金方法は以下の3とおりです。24時間、1円単位で手数料無料で送れます。ただし、PayPayポイントは送れません。
PayPay IDとは、アカウントごとに設定できる固有のIDのこと。ホーム画面の「アカウント」から任意で設定できます。携帯電話番号を相手に伝えたくないなら、事前に設定しておくと便利。ただし、一度設定すると削除や変更はできません。
なお、複数人で会計を清算するときにはグループ内でPayPay残高を送りあう方法が使えます。幹事が「グループ支払い」を作成し、追加したメンバーに対して均等割り、または任意の金額を登録。参加メンバーに通知が行く仕組みです。
「送る」に対応した受け取り方は、以下のとおりです。
また、立替て支払った場合などには以下の方法も利用できます。
PayPay残高を送るときの表示名も任意で設定可能です。事前に設定しておくと相手からもわかりやすく便利ですよ。
PayPay残高を銀行口座へ出金(送金)する手順は、以下を参考にしてください。
1.アプリ下部「ウォレット」を選択
2.PayPay残高表示部の「内訳・送金」を選択
3.PayPayマネー欄の「送金」を選択
4.登録済み口座がある場合は希望の口座を選択
5.送金金額を入力→「送金する」を選択6.手続きが完了。振込予定日が記載されていることを確認
銀行口座への最低送金金額は1円。送金手数料はPayPay銀行あてなら0円、他金融機関宛は一律100円かかります。
なお、PayPay給与受取利用中に本人名義の銀行口座への送金は、月1回のみ手数料無料。一度確定した送金は処理中でもキャンセルできないので慎重に行いましょう。
ポイントの使い道を決めたら、アプリのホーム画面で「ポイント」を選択、画面上の「設定」から使い方設定を行いましょう。最後に「保存」のタップを忘れないでくださいね。以降は自動で選んだ使い方ができます。
PayPayポイントは1ポイント=1円。有効期限はありません。PayPayが使える店舗で利用できますが、PayPay残高とは異なり銀行口座への出金はできないので注意してください。
ここでは、本人確認や機種変更時の対応など、PayPayについてよくある質問をまとめました。
<本人確認方法>※下記のいずれか
本人確認の状態は「アカウント」→「詳細」で確認できます。本人確認ができない場合は、「本人確認(eKYC)ができない」のページを確認してみてくださいね。
レシートで確認していた支払い内容も、PayPayなら利用履歴がすべて残るため振り返りが楽々。取引の種類や期間で絞り込めるほか、利用レポートで月々の利用額の推移をグラフで確認できます。
取引履歴を確認する方法は以下のとおりです。
スマホやタブレットの機種変更をした場合は、電話番号を変更したかどうかで手続きが変わります。電話番号を変更していない場合は、新しい端末でPayPayアプリにログインするだけで、残高や設定を引き続き利用可能です。
電話番号を変更し、かつPayPayアカウントをそのまま引き継ぎしたい場合は、PayPayにログインできる場合・それ以外の場合によって手続き方法が変わります。
新規でアカウントを作成するとこれまでの情報の引き継ぎや統合はできないので慎重に行ってくださいね。
キャッシュレス決済はとても便利なサービスですが、すべてがアプリ上で行われるためセキュリティ面は気になりますよね。PayPayではさまざまな不正利用に対する防止策を実施しており、安心・安全のセキュリティを徹底。不正利用時は即時アカウントを停止して、被害拡大を防止しています。
SMSによる2要素認証や、お客様情報の暗号化、金融口座登録時には本人確認が必須。不正利用の可能性に気づいた場合は、24時間365日相談できるカスタマーサポート窓口で電話対応してもらえます。万が一被害にあってしまった場合は全額補償を約束しており、過去の補償事例も公開されていますよ。
できるだけ安全性を高めるために、利用者自身での対策も有効です。たとえばスマホの端末認証(Touch IDやパスコードなど)の設定や、利用可能額の上限を決めておくことができます。慌てずに対応するためにも、万が一の際の対応を事前に確認しておきましょう。
PayPayに限らず、スマホでのキャッシュレス決済サービスは災害時や通信トラブルの際に使えない点は念頭に置いておきましょう。そもそもスマホを使って決済するため、スマホの電源が入っている必要があります。スマホのバッテリー残量にも注意が必要です。
通信環境が不安定な場合も、アプリを起ち上げるまでに時間がかかったり、バーコード画面がなかなか表示されなかったりと不便に感じることも。リスクを理解したうえで代替手段の対策もとりつつ、日常生活に取り入れてくださいね。
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