ソニー サウンドバー HT-S100Fは、テレビの音が聞こえやすくなればよいという人におすすめです。専門機器を使い音域ごとに音量を測ると、声の芯が聞こえやすくなる100Hz付近で約89.2dBもの音量を記録し、満足といえる基準の75dBを上回りました。声の輪郭や聞き取りやすさに影響する、1~2kHz付近の音量はやや小さめでしたが、雑音が少なく声がクリアに聞こえやすいでしょう。低音の鳴りも良好。とくに超低音〜中低音の音量が、高評価の基準値80dBを上回る、81.7dBとボリュームがありました。一方で、低音の芯となる40Hz付近では69.7dBと控えめ。比較した全商品の平均値である約71.6dB(※執筆時点)を下回り、「低音が弱く感じる」という口コミは払拭できませんでした。体に響くような感覚は得られず低音の迫力にはやや欠けるため、自然な響きで聞きたい人向きといえます。音が前方向に飛ぶところはメリット。テレビ周辺の音量の差を実測すると、上下左右は1.3dBほどしか音量の差が出なかったのに対し、前後では2.27dBもの音量差がありました。映画館のように音が移動する感じや包まれるような立体感は足りないものの、見ている人までまっすぐに音が届きますよ。音声フォーマットは地デジ・BS放送に対応し、切り替えなしで映画もテレビ番組も楽しめます。操作はボタン・リモコンの両方で行えました。動作状況はライトで確認可能。口コミに「ランプの点灯がわかりにくい」との指摘もありましたが、使いはじめに取扱説明書で確認すればさほど困らないでしょう。「手軽に置けるスリムな形状」と謳うとおり、コンパクトなワンボディでテレビ下に設置しやすいのも利点です。自動音場補正や立体音響のDolby Atmosに非対応で、音のカスタム性はいまひとつ。「テレビの音声が聞き取りやすい」との口コミどおりテレビ番組を見るには十分ですが、音にこだわる人には物足りない可能性があります。接続方法も上位商品のように充実しているとはいえず。値段は15,000円前後と比較したなかでは手に取りやすい価格帯ではあるものの、機能性を重視する人はほかの商品もチェックしてみてください。価格は執筆時、ECサイト参照
JBL BAR 1000は、テレビのスピーカーでは味わえないような迫力と臨場感を求める人におすすめです。実際に音を測定した結果、左右・上下・前後それぞれで約2.5dBの開きがあり、音量差によって音の移動感を再現していました。比較した商品にはワンボディタイプが多いなか、本商品にはサブウーファーとリアスピーカーがついており、全4か所から音を出す仕組み。音に包み込まれるような没入感がありました。低音の迫力も、比較したワンボディタイプの商品とは段違いです。とくに低いバスドラの音や、ベースの細かな動きを聞き分けられるほどのクオリティ。住環境によっては、近隣への騒音に配慮が必要なほどパワフルです。口コミに反して人の声には芯があり、音楽や効果音に埋もれません。音楽も映画も快適に楽しめました。接続方法は豊富で、スマホやタブレットとはWi-Fi・Bluetooth接続できます。HDMIはARC・eARCに対応し、高品位な音声フォーマットの品質をそのまま伝送可能。動作状況の確認や、接続機器の切り替え・イコライザー設定などは、本体・リモコン・アプリで行えます。本体の近くまで行かなくても手軽に操作できて便利です。比較した商品の半数以上は非対応のキャリブレーション機能を搭載し、部屋の広さやインテリアに合わせてサラウンド効果を自動調整できます。本体もサブウーファーもサイズが大きいので設置場所は取りますが、リアスピーカーはワイヤレス充電式なのでケーブルが散らばる心配はありません。声の聞き取りやすさ・低音の大きさ・臨場感の高さを兼ね備え、サウンドバーにおけるいい音に必要な要素をすべて満たしています。143,000円(※2025年2月時点・公式サイト参照)の価格に見合った性能で、使い勝手にも優れるサウンドバーでした。設置場所に余裕があるなら、ぜひ第1候補として検討してみてくださいね。<おすすめな人>映画館のような臨場感で映画・ゲームなどを楽しみたい人ライブ会場にいるかのようにリアルな音楽再生を楽しみたい人リモコン・スマホから手軽に操作できるものがいい人<おすすめできない人>コンパクトに設置したい人
ヤマハ サウンドバー SR-C20Aは、設置しやすさ・リーズナブルさを重視する人におすすめです。本体幅は60cmと非常にコンパクト。比較した多くの商品が70cm以上、なかには100cmを超えるものがあったのに対し、どのようなテレビ台にも置きやすいサイズです。重量も1.8kgと軽く設置時の負担もほとんどありません。値段も2万円以下と手頃で、購入コストも抑えられます。使い勝手も同価格帯の商品内ではかなり優秀。操作は本体・リモコン・専用アプリで行えるうえ、映像に合わせて自動で音声の設定が切り替わるAACにも対応しています。声の聞き取りやすさも良好で、テレビ単体よりはクリア。小声のシーンでは若干ぼやけ気味ですが、ほかの帯域に埋もれることなく声の抑揚までうまく表現できていました。一方で、包み込まれるような臨場感を味わいにくいのは気がかりです。音が移動する感覚を得られるか調べるため、専用ソフトで左右の音量差を計測すると、差分が小さく乗り物が動くような雰囲気はあまり感じられません。低音域の音量も控えめかつマスクがかったような聞こえ方で、迫力は物足りず。「少しこもった音質」との口コミは否定できない結果でした。カスタマイズ性も低め。クリアボイス機能や4種類のサウンドモードがある点は便利ですが、自動音場補正機能はなく環境に合わせた音の最適化はできません。また、比較した半数以上の商品が備えていた上位再生フォーマットのDolby Atmosにも非対応でした。接続方法はHDMI・Bluetooth・光デジタルに対応。HDMI接続の仕様はARCのみでeARCは使えないため、高品位な音声フォーマットが出力できない点に注意してください。本品はコンパクトかつ手頃なうえドラマなどテレビ番組の視聴には十分な音質ですが、映画やライブ映像には物足りない可能性が。音の迫力や臨場感を重視する人はほかの商品を検討しましょう。<おすすめな人>コンパクトで軽いものを探している人ドラマやテレビ番組メインで視聴する人<おすすめできない人>迫力や臨場感あるサウンドを求める人環境やコンテンツに合わせて音を細かくカスタマイズしたい人
DENON サウンドバー DHT-S218は、声の聞こえやすさと手頃な価格を重視する人におすすめ。声の厚みやハキハキ感に関わる音域のボリュームを実際に測定すると、音量は約78dBとボリューミーで、比較した全商品の平均75dB(※2025年2月時点)を優に超える大きさでした。実際に聞いてもセリフの強弱まで再現できており、「声の聞き取りやすさがすばらしい」との口コミにも頷けます。臨場感の高さも非常に優秀です。音の広がりを調べるため左右の音量差を測定すると、同価格帯のほかのモデルと比べて差分はかなり大きめ。音が左右に移動する感覚を得られ、映画館のような緊迫感を味わえました。「重低音は強くない」との口コミどおり低音は大迫力とはいかないものの、テレビよりはパワフルさを楽しめます。使い勝手も良好。地デジ用音声フォーマットのAACに対応し、コンテンツごとに音声を切り替える手間がかかりません。接続方法はHDMI・Bluetooth・光デジタル・オーディオの4つと多く、スマホ・タブレット・オーディオ機器など多彩なデバイスと接続可能です。HDMI接続は比較した約2/3の商品と同じくeARC仕様で、高品位な音声フォーマットにも対応していました。幅89cmと大きすぎないワンボディタイプで、設置しやすいのも魅力です。重量は3.6kgと両手で持ち上げやすく、移動時の負担も少ないでしょう。一方でカスタマイズ性はあと一歩。立体音響技術のDolby Atmosや声がより聞き取りやすくなるDRC機能はありますが、レイアウトに合わせて音が最適化される自動音場補正機能は非搭載でした。価格は約3万円(※2025年2月時点・ECサイト参照)と性能のわりにリーズナブル。テレビ視聴・映画鑑賞などセリフが多いコンテンツをよく見る人にはおすすめできます。とはいえ、ズンズン響くような迫力ある重低音やカスタマイズ性を重視する人は、ほかの商品を検討しましょう。<おすすめな人>とにかく声の聞きやすさを重視する人音に包まれるような臨場感を求める人予算が3万円程度の人<おすすめできない人>低音のボリュームにこだわる人部屋のレイアウトに合わせて音質を補正できるものがほしい人
DENON サウンドバー DHT-S517は、低音の厚みや迫力を楽しめる商品を5万円以下で探している人におすすめです。本品は床置きのサブウーファーが付属する2ユニットタイプ。「重低音の迫力は物足りない」との口コミがありましたが、低音はパンチ・キレ・ふくよかさが備わった心地よい響きでした。超低音〜中低音の音域がしっかりと出ており、比較した全商品の平均を上回る優秀な結果です。「リアルな3Dサウンド体験」との謳い文句どおり、臨場感も高め。音が左右・上下・前後へ移動しているような感覚を得られ、テレビよりも立体感ある雰囲気を味わえます。セリフもBGMなどに埋もれることなくハキハキと聞こえ、「人の声が聞き取りやすい」との口コミにも納得でした。接続方法も充実しており、高解像度なUHD Blu-rayなどを聞けるeARC対応のHDMI端子が付属。Bluetooth接続も可能で、スマホやタブレットの音楽を大音量で楽しめます。音声フォーマットのAACにも対応し、映画から地デジへの切り替えもスムーズ。ただ動作状況はランプの点滅でしか把握できないため、見えにくい場合は本体に近づいて確認する必要があるでしょう。本体幅は105cmと小さくないものの、設置に負担がかかるほどではありません。比較した90cm程度の商品と並ぶと大きいですが、小さなテレビ台にもなんとか収まるサイズ。高さ6cm・奥行9.5cmで、テレビの受信部にも干渉しにくいですよ。なお付属のサブウーファーは4.5kgと本体より重く、幅17.2×奥行29のスペースも確保する必要があります。音が床に響きやすい点にも注意してください。カスタマイズ性はいまひとつの評価に。ボリュームを下げても声がクリアに聞こえるDRC機能や、4種類のサウンドモードを備えているのは利点です。ただ部屋の広さに合わせて音が最適化される、自動音場補正機能には非対応でした。価格は4万円台(※2024年12月時点・ECサイト参照)と性能のわりに手頃ではありますが、環境に合わせて音を調整したい人はほかの商品も検討しましょう。<おすすめな人>パワフルな低音で迫力あるサウンドを楽しみたい人予算を5万円ほどに抑えたい人<おすすめできない人>集合住宅など、低音の響きが気になる場所に住んでいる人コンパクトなものを探している人カスタマイズ性にこだわる人