梅雨の時期や、日中忙しくて洗濯物を干せない家庭で活躍する乾燥機。しかし、毎日使うと電気代がかさむと聞き、導入や使用をためらう人も多いでしょう。
そこで今回は、乾燥機の電気代はどのくらいかかるのか、種類別に解説します。1か月の電気代の目安や、消費電力を抑えるコツも紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。
衣類乾燥機おすすめTOP5
乾燥機の機種や方式によって消費電力が大きく異なるため、電気代にも差が生じます。電気代は消費電力(W)÷ 1,000 × 使用時間(h)× 電気料金単価(円/kWh)で計算が可能です。種類別に電気代を確認して、どれだけコストがかかるのかを比較しましょう。
衣類乾燥機は1時間あたり10〜39円前後です。乾燥方式によって消費電力が異なるため、電気代には幅があります。工事不要で簡単に設置できる電気式は、高温のヒーターで乾かすため、消費電力が高めで約30〜39円/時です。一方、ガス式は燃焼による熱でスピーディに乾かすため、約10〜20円/時と比較的安いことが特徴です。
仮に1日6時間使用した場合の1か月の電気代は、電気式なら月5,400〜7,020円、ガス式なら1,800〜3,600円程度。使用時間が長い家庭では、方式による差がかなり大きく感じられるでしょう。ただし、家庭用のガス式衣類乾燥機は種類が限られており、普及率も低めです。
衣類乾燥機の導入を検討している人は、以下のコンテンツからおすすめの製品や選び方をチェックしてくださいね。
洗濯乾燥機の電気代は、1時間あたり33〜38円前後です。洗濯と乾燥を1台でこなす便利さの反面、電気代は高めなので注意しましょう。
縦型洗濯乾燥機は約38円/時で、電気代はやや高めです。衣類の傷みや縮みが起きやすいというデメリットもあります。ドラム式は乾燥方式が2種類あり、ヒーター式は約35円/時、ヒートポンプ式はより省エネで約33円/時。ヒートポンプ式は衣類が傷みにくいことも特徴です。
1日6時間使用した場合、月間の電気代は5,940〜6,840円程度。洗濯機と一体化しているため、スペースが限られている家庭でも設置しやすいといえます。縦型とドラム式の違いや、それぞれのおすすめ製品を知りたい人は、以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
浴室乾燥機の電気代は1時間あたり約37〜62円。浴室全体を温めて空気を循環させるため、消費電力が大きくなりやすい点に注意が必要です。
1日6時間使うと、1か月の電気代は6,660〜11,160円ほど。衣類を干すだけでなく、浴室の湿気対策やカビ防止などにも役立ちますが、頻繁に使うと光熱費が家計を圧迫する場合があります。
洗濯物を外に干せない時期や花粉の多い季節に便利ではあるものの、使い方の見直しも大切です。節電を意識するなら、タイマー設定やほかの乾燥機との併用も検討してくださいね。
便利な乾燥機ですが、使い方によっては電気代がかさんでしまうこともあります。乾燥機を効率よく活用しながら、無理なく電気代を抑えるためのコツを把握しておきましょう。
乾燥機に入れる衣類の量は8割までに抑えましょう。効率よく風がとおり抜けるので、乾燥時間が短縮され、電力の無駄が減ります。5kg容量の乾燥機なら、4kg程度に抑えるのが理想的です。衣類の詰め込みすぎによるムラも生じにくくなります。
ただし、節約を意識するなら、稼働回数を減らすまとめ乾燥も意識しましょう。毎日4割の衣類を乾燥させるより、2日に1回8割乾燥させたほうが年間約1,300円の節約になるという試算もあります(参照:経済産業省 自然エネルギー庁)。
洗濯機の脱水時間を長めに設定すると、乾燥機の使用時間を短縮できて電気代の節約につながります。十分に脱水すると衣類の水分量が減り、乾燥機にかける時間が短くなるためです。
とくに、乾きにくい厚手の衣類などは、脱水前に軽くほぐしておくと水分が抜けやすくなり、効率がアップします。洗濯機の回転数をあげると、より効果的に水分を飛ばせますよ。
脱水時間は最長設定がおすすめですが、しわになりやすい衣類もあるので、素材や衣類の種類に応じて調整しましょう。ある程度まで自然乾燥してから乾燥機にかけるのも手です。
乾燥機を使用する際は、気温や室温の差に注意を払いましょう。室内の温度が適切でないと、乾燥効率が落ちて電気代が余計にかかってしまいます。
乾燥機は室温が5℃以下または25℃以上になると、運転時間が10〜20分ほど長引く場合が。パナソニックのSD・VG(Cuble)シリーズは、室温より約15℃高い低温風で乾燥するため、室温が低いと乾きにくくなります。とくに、冬場など室温が低い時期には、暖房を軽く効かせておくと乾燥時間の短縮につながりますよ。
乾燥機のフィルターは乾燥効率に直結するので、定期的に掃除しましょう。フィルターがホコリで目詰まりすると、風の流れが悪くなり、衣類が乾くまでに余計な時間がかかってしまうもの。そのぶん電力も多く消費し、結果として電気代が増えてしまいます。
乾燥機の使用後は、フィルターについたホコリを取り除きましょう。週に1回はフィルターを取り外して水洗いし乾燥させ、清潔に保つことも大切です。
浴室乾燥機は1か月に1回程度のお手入れを心がけましょう。電源を落として掃除機などでホコリを吸い取り、本体カバーはタオルで拭いてください。フィルターは取り外して、シャワーや中性洗剤などで洗ってから乾燥させましょう。
浴室乾燥を使うなら、湿度を適切に管理しましょう。浴室内の水分が多いと、乾燥に必要な時間が延びてしまい、多くの電力を消費します。浴室乾燥を始める前に、壁や床の水滴をタオルで拭き取る、換気扇で湿気を逃がすなどして、あらかじめ水分を除去しておくと効果的です。
また、乾きにくい厚手のバスタオルやジーンズなどは、温風が当たりやすい吹き出し口の下に干すと乾燥効率がアップします。自然乾燥と併用して、エネルギー消費を抑えましょう。
夜間の電気料金が安いプランを利用すれば、乾燥機の使用コスト削減につながります。電力会社が提供する時間帯別料金プランでは、昼間に比べて夜間の単価が安く設定されているためです。
たとえば、東京電力の夜トク8は、7〜23時まで42.60円、23時〜翌7時まで31.64円と、時間によって約11円の差が生じます。中部電力のスマートライフプランは、平日の10〜17時は38.80円、17〜22時は28.61円、22〜翌8時まで16.52円と、時間によっては20円以上安くなるので、活用を検討してくださいね。
ただし、夜間の使用は騒音トラブルにつながることもあります。乾燥機の下に防音マットを敷く、タイマー機能を使うなどの工夫で、周囲へ配慮して稼働しましょう。
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