派遣とパートは雇用主や契約期間、仕事への評価方法など、さまざまな点に違いがあります。これから働こうと考えている主婦や主夫のなかには、派遣とパートのどちらで働くか悩んでいる人もいるでしょう。
そこで今回は、派遣とパートの違いを項目ごとに解説します。派遣とパートのどっちがいいか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
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派遣とパートの違いは、主に雇用主や契約期間の決定方法、仕事への評価方法などがあります。これらの違いをしっかり理解することで、派遣とパートのどちらが自分に合っているか判断する手がかりとなるでしょう。
派遣とパートの違いのひとつに、雇用主が挙げられます。派遣の雇用主は派遣会社で、パートの雇用主は勤務先の企業です。
派遣の場合、派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社と契約している派遣先の企業で勤務します。給与の支払いや業務命令などを行うのもすべて派遣会社です。交通費の支給や社会保険といった福利厚生なども派遣会社のものが適用されます。
パートの場合、給与額の決定・給与の支払い・交通費の支給・業務命令などはすべて、勤務先となる企業が行います。また、よくパートとアルバイトは働き方が異なるものと思われがちですが、法律上どちらもパートタイム労働者とみなされ、両者のあいだに違いはありません。
派遣とパートはどちらも有期雇用ですが、雇用期間の仕組みが異なります。
派遣の場合、一般的に3か月単位の雇用契約で更新することが多いようです。契約終了の1か月前までに、派遣会社から派遣社員に対して今後の意思を確認されます。
そこで派遣社員と派遣先の双方が更新の合意をすることで、派遣社員は引き続き同じ派遣先で勤務が可能です。合意がなければ派遣先と派遣会社との契約は終了します。
パートの場合、契約期間は企業によって異なります。数か月間の場合もあれば、1年以上の場合もあるでしょう。そして契約終了の時期が近づくと雇用契約更新を行い、先の期間の雇用契約を結べることもあります。パートは、契約更新を繰り返すことで同じ職場で長期間働くことも可能です。
派遣とパートは基本的に有期雇用ですが、なかには無期雇用に転換できる場合もあります。派遣の場合は、派遣会社と期間を定めずに雇用契約を結ぶ方法が一般的です。派遣先で働いていない期間も、原則、給与または休業手当が支払われるメリットがあります。
パートの場合は、「有期労働契約が5年に渡り続くこと」かつ「 有期契約労働者からの申し出」があれば、期間の設定がない無期労働契約に転換することが可能です。労働者側からの申し出を企業側は断ることができません。
派遣とパートでは、仕事への評価方法が異なります。
派遣社員の場合は、派遣先企業の評価をもとに派遣会社がフィードバックを行うのが基本です。派遣先の企業の評価を派遣会社を通して評価するので、時給や昇進などの反映が遅い傾向があります。昇給や勤務条件の変更などの要望があれば、まずは派遣会社に相談しましょう。
パートの場合は、原則として直属の上司が仕事の評価やフィードバックを行います。勤務先が直接評価をするため、成果に応じて時給アップや昇進などが迅速に反映されやすいでしょう。
派遣では派遣会社が評価のフィードバックだけでなく、派遣社員のキャリア面談をしてくれることもあります。一方、パートには基本的にキャリアアップのサポートはないと考えてよいでしょう。
派遣とパートでは、求められる人材が異なるケースがあります。派遣とパートでは任せられる仕事の内容が異なるからです。
派遣は専門的なスキルが必要とされたり経験者が求められたりするケースが多くあります。反対にパートは簡単な仕事やルーティーンワークが主な仕事内容で、特別なスキルや技術は必要とされないことが一般的です。
ただし、なかにはパートでも専門的なスキルや経験者が求められるケースもあります。その場合は、一般的なパートよりも時給が高くなるでしょう。
ここでは、主婦(主夫)が派遣社員として働くメリットを解説します。まとまったお金や派遣会社からのサポートが必要な人は、派遣社員として働くことでメリットを感じることができるでしょう。
派遣には、月にまとまった給与を稼ぎやすいメリットがあります。派遣はパートよりも長い時間勤務する傾向があり、時給もパートより高額であることが多いようです。
一般社団法人日本人材派遣協会の「派遣社員WEBアンケート調査結果2021年度」によると、派遣の場合、週5日勤務で1日あたり7.5~8時間勤務が主流だとわかります。また、厚生労働省の「令和3年度労働者派遣事業報告書の集計結果」によると、派遣社員の平均時給は1,962円です。
一方、厚生労働省の「毎月勤労統計調査令和3年分結果確報」によると、パートは月間実労働時間数が78.8時間で、週5勤務で計算すると1日あたり約3.5時間勤務であることがわかります。パートタイマーの平均時給は1,223円です。
上記の結果から、パートよりも派遣社員のほうがまとまった給与を稼ぎやすいといえるでしょう。ただし、派遣社員もパートも時給制であることが一般的であるため、祝日の多い月は給与が減る傾向があります。
派遣に登録することで、派遣会社が自分に合った仕事を紹介してくれます。派遣会社はさまざまな業界・業種の派遣先を抱えているため、経験やスキルに合った派遣先を紹介してもらいやすいです。
派遣会社によって得意とする業界や職種は異なりますが、大体どの派遣会社でも事務職・テレマーケティング・営業職・エンジニア職・製造・接客業などの求人を多く抱えています。
より自分に合った求人を多く紹介してもらうためには、web登録ではなく直接派遣会社で登録する方法がおすすめです。実際に担当者と面談することで、自分の情報や希望をしっかり担当者に伝えられます。
web登録では担当者と細かく意見の交換ができないため、より自分に合った求人を希望するのであれば直接派遣会社で登録をしましょう。
派遣社員は、派遣先で困ったことがあれば派遣会社に気軽に相談することができます。派遣社員が気持ちよく前向きに働けるようにサポートするのも派遣会社の仕事です。
派遣会社のなかには、いつでも電話で相談対応してくれる会社も多くあります。派遣先の人間関係やハラスメントなどの言いにくい相談も、派遣先企業ではなく第三者である派遣会社に相談できるため、派遣先に直接相談するよりも気軽です。
派遣社員として働くことに不安がある人は、就業したあともサポート体制が万全な派遣会社を選びましょう。
ここでは、主婦(主夫)が派遣社員として働くデメリットを解説します。同じ職場で長期的に働きたい人にとっては、デメリットを強く感じる可能性があるでしょう。
派遣社員は同じ派遣先で3年以上働くことは基本的にできません。派遣で働く人のキャリアアップと雇用の安定を図るために、労働者派遣法で定められているルールです。
派遣先が変わると、新しい派遣先の仕事内容やルールを覚える必要があります。また、新しい人間関係を構築する必要もあるため、同じメンバーで長期的に働きたい人や職場環境の変化が苦手な人にはデメリットといえるでしょう。
平成27年9月30日以降に労働者派遣契約を締結・更新した派遣労働者は、派遣先の事業所における課・部署などの組織単位で、3年を超えて派遣就業することはできないと定められています。
同じ事業所の組織での勤務が3年を超える場合、派遣会社から新たな派遣先を紹介されることが一般的です。派遣先との契約が終了しても、派遣社員を辞める必要はありません。ほかにも派遣会社と相談して無期雇用として働く人や派遣先の正社員として働く人もいます。
同じ派遣先でも契約している派遣会社によって、時給が異なることがあります。派遣会社の取り分であるマージン率が派遣会社によって異なるからです。
例えば、派遣先が派遣会社に派遣料金を1人につき3万円を支払った際、A社のマージン率が30%、B社のマージン率が25%だとします。
A社の派遣社員がもらえる賃金は単純計算で2万1,000円、B社の派遣社員がもらえる賃金は2万2,500円です。同じ派遣先でもB社のほうが1日1,500円ほど賃金が高いとわかるでしょう。
また、福利厚生やキャリア支援の内容も、派遣会社によって異なります。あとから時給や待遇などの比較検討をするためにも、派遣会社に登録する際は複数の会社に登録しておくとよいでしょう。
ここでは、主婦(主夫)がパートタイマーとして働くメリットを解説します。自分の都合を優先して働きたい人や扶養内で働きたい人は特に大きなメリットを感じることができるでしょう。
パートは自分の都合に合わせた柔軟な働き方ができます。パートは主にシフト制で働くことが多いからです。
シフト制とは、週ごとや月ごとにシフトに入りたい希望日と希望時間を勤務先に伝えて、翌週や翌々週に勤務日時が決定する勤務方式をいいます。企業によっては、1日3時間や週2日といった短時間で働くことが可能です。
柔軟に働く日や時間を決められることで、家事育児や介護などで忙しい人も空いた時間を有効活用して働けます。
派遣は基本的に週5日のフルタイムで働くケースが多いため、派遣と比べてもパートは自由度の高い働き方といえるでしょう。ただし、パートでも出勤できる時間・曜日が多いほうが企業としてはシフトを組みやすいため、たくさん仕事に入れる人が重宝されます。
パートは未経験でもできる仕事が多いため、誰でも気軽にチャレンジできます。求人サイトでも未経験であっても応募可能な求人が多く掲載されていることが確認できるでしょう。
例えば、飲食店やアパレルなどの接客業や、スーパーやコンビニのレジ担当、コールスタッフ、一般事務などは未経験でも応募が容易です。「資格や経験はないが、とにかくお金を稼ぎたい人」でも応募しやすいのはメリットでしょう。
また、未経験のパートからであっても、ゆくゆく正社員として採用される可能性もあります。将来的に正社員としての採用を目指している人は、正社員登用制度を設けている会社を中心に選ぶとよいでしょう。
ただし、制度はあっても登用実績がないケースもあるため、過去の登用実績を調べたり面接時に質問してみたりすることで、その企業の正社員登用実績を確認することをおすすめします。
パートは扶養内で働きやすいメリットがあります。パートは勤務時間を調整しやすく、派遣に比べて所得を一定の範囲内に抑えることが容易です。
所得税における扶養の条件は、所得がパートの給与のみの場合は所得が103万円以下と定められています。この103万には55万円の給与所得控除が含まれていますが、扶養の控除額は世帯によって異なるため注意が必要です。詳しくは国税庁のサイトを確認してください。
社会保険における扶養の条件は、被扶養者の年間収入が130万円未満かつ、被保険者の年間収入の2分の1よりも少ないことです。
パートとして扶養の範囲内で働くことで、社会保険料を支払わずに済むメリットはありますが、将来的な年金の受給額はフルタイムで勤務している人より少なくなる点に注意が必要です。詳しくは日本年金機構の公式サイトを確認してください。
所得税の扶養と社会保険の扶養の条件をどちらもクリアしたい場合は、毎月およそ8~9万円を目安に働きましょう。時給1000円の人が月8~9万円を稼ぐ場合は、1日5時間で週5日、1日7時間で週3日などのペースで働くと扶養内に抑えることができます。
ここでは、主婦(主夫)がパートタイマーとして働くデメリットを解説します。パートタイマーは、主に収入の面や昇給の面でデメリットを受けやすいといえるでしょう。
パートは収入が安定しづらい傾向があります。シフトや予定の兼ね合いで、働く日数や時間が減ってしまうと収入も少なくなるからです。
シフト制のパートは、自分の希望する日にちや時間に合わせて働けるものの、勤務先の都合や閑散期で月ごとの収入が安定しにくいデメリットがあります。
「もっと働きたい」「まとまった収入がほしい」場合は、バイトの掛け持ちや派遣社員、もしくは正社員の転職を検討する必要があるでしょう。
パートは正社員や派遣に比べて昇給の機会が少ないといえます。パートタイマーに対してしっかりとした昇給制度を示している企業は多くありません。
一般的にパートが昇給する場合は、年に1~4回ほどの定期昇給であることが多いようです。定期昇給とは、労働者の成果やスキルの成長などに応じて賃金が上がる仕組みのことをいいます。時給が50円上がる人もいれば300円上がる人もいるなど、人や企業によってさまざまです。
査定自体は労働契約書に基づいて行われるため、昇給を期待するのであれば「昇給査定年4回」「昇給査定夏・冬」など、昇給のチャンスについて詳しく書いてある求人を選ぶとよいでしょう。
派遣が向いている人は、職場の変化に柔軟に対応できる人です。派遣社員は短期間でさまざまな職場を経験するため、職場の変化に柔軟に対応できる人が向いています。また、パートよりも時給が高く、フルタイムで働く人が多い傾向があるため、まとまった収入を手に入れたい人にもおすすめです。
職場の変化に柔軟に対応できると、派遣先での仕事もスムーズに進められます。仕事がスムーズに進められると、派遣会社から高評価を受けることができ、将来的により高時給な求人を紹介してもらえるでしょう。
ただし、同じ職場で長く働きたい人や、未経験の状態でスキルアップに自信がなければ、まずはパートで働いたほうがよいケースもあります。
パートが向いている人は、自分のペースで無理なく働きたい人です。パートは自身の予定に合わせて柔軟な働き方ができます。特に、子育て中の人やほかにやるべきことがある人、ブランクがあって自分の体力にあまり自身がない人は、短時間で働けるパートが向いているでしょう。
ただし、パートは時給が比較的に安い傾向があり、昇給・昇進が見込みづらいため、高収入や昇進を狙っている人にとってあまり向いていません。未経験で正社員を目指している場合は、将来的に正社員登用制度を利用することを前提に、パートして働くという手もあるでしょう。
現段階でパートへの転職、もしくは正社員への転職を考えている人は、まず転職サイトに登録しましょう。
転職サイトは、さまざまな勤務形態や業界・業種の求人が多く掲載されているサイトのことです。サイトによって、掲載されている求人は異なります。また、サイトごとに得意とする業界・業種も異なるため、転職サイトに登録する際は複数登録するとよいでしょう。
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