セットアップしやすく、大容量データも高速でスムーズに転送できるのが売りのNAS、QNAP TS-262。ネット上では「非常に静かで高速なNAS」と評判です。その一方、「転送速度が出ない」と気になる口コミも存在し、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の7つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のNASとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、NAS選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
良い
気になる
QNAP TS-262は、予算を抑えて、性能の高いNASがほしい人におすすめです。比較したエントリーモデルのなかではメモリとCPUの性能に優れており、コピー速度は上位モデルにも匹敵します。5GBのデータのコピーは平均28.67秒と、口コミに反してスピーディ。ベンチマークスコアも高く、シーケンシャルアクセスの読み書きは平均290MB/sを超え、ランダムアクセスの読み書きも平均200MB/s近くを記録しました。
稼動中は内部温度が上がりにくく、稼働音も気になりません。50GBのデータ転送後の温度は32℃。比較したなかには稼働音が50dBを超える商品もあったなか、本商品は40.6dBと図書館内なみの静かさでした。2ベイに対応しており、RAID0・RAID1が組めます。故障によるデータ消失などのリスクを軽減できるでしょう。
メーカー独自のクラウドサービスは16GBまで無料で利用でき、物理的な故障によるデータ消失にも備えられます。USBポートを搭載しており、USBメモリを挿入してボタンを押すだけでデータコピーが可能です。写真・音楽など用途別のアプリが充実しているのも便利。QuMagieがあり、AIによって写真を整理・保存できます。
拡張性が高く、映画や音楽鑑賞を楽しめるのも魅力です。比較した商品の半数にはないHDMIを搭載しており、テレビやモニターに繋げられます。4Kの映像出力も可能です。LAN端子の規格は2.5GbEに対応し、オプションのモジュールでさらなる通信の高速化が図れます。NASでOfficeファイルの編集ができるのもメリットです。
総合的に見ても、転送速度や機能性は申し分ありません。組めるRAIDは2ベイと多くはないものの、4ベイよりも価格を抑えられ、ECサイトにて7万円台(※2024年11月時点)です。手軽に運用できるので、ホームオフィス用としてだけでなく、動画や音楽などのコンテンツを家でも出先でも楽しみたい人にも適しています。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
QNAP TS-262は、多彩なマルチメディア機能とファイル管理アプリを搭載したNASキットです。ネットワークに繋げば、スマホ・パソコン・TVなどからデータにアクセスできます。Windows・Macのファイルやスマホに保存した写真などのバックアップ機能があるのも魅力です。
HDDもしくはSSDを2台搭載できる2ベイモデルで、M.2 PCIe Gen 3スロットが2つあり、M.2 SSDも搭載可能。頻繁にアクセスするデータを保存するSSDキャッシュとしてM.2 SSDを使用することで、NAS全体のパフォーマンスが向上するとしています。
独自OSであるQTS 5を搭載している点にも注目です。初回イントール時にはセットアッププロセスが情報ボードに表示されるため、ステップごとの指示に従うだけでセットアップできます。
販売元のQNAP(キューナップ)は、ソフトウェアの開発やハードウェアの設計を行う台湾のメーカーです。世界的なNASのシェアを誇り、約700万人のユーザーがいるとしています。そのほかのスペックは以下のとおりです。
今回はQNAP TS-262を含む、人気のNASを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
人気のNASを比較検証したところ、QNAP TS-262には7つのよい点がありました。1つずつ解説していくので、購入を検討している人はぜひチェックしてみてください。
CrystalDiskMarkで測定したところ、ベンチマークはいずれも高速でした。連続したデータを端から順番に読み書きするシーケンシャルアクセスは、読み書きともに平均290MB/sを超える数値をマーク。目的のデータを指定して直接アクセスするランダムアクセスは、読み書きどちらも200MB/s近くを記録しました。
CPUにはIntel Celeron N4505、メモリは4GBを搭載しており、エントリーモデルにしては性能が一回り高いのがポイントです。比較した同価格帯の商品内では、ベンチマークスコアが優れていたため、コストパフォーマンスの高い商品といえます。
<シーケンシャルアクセスのベンチマークスコア>
<ランダムアクセスのベンチマークスコア>
冷却性能の高さも強みです。50GBのデータ転送が完了した直後のディスク温度を確認したところ、32℃を記録しました。比較したほかの商品と同様に、稼動中の内部温度はほとんど変わりません。熱暴走による故障のリスクは低いといえるしょう。
口コミで見られたように、動作中のファンの音はほとんど気になりません。50GBのデータを転送した際の稼働音を騒音計で測定したところ、40.6dBを記録しました。図書館のような静かな環境と同程度の音の大きさ(参照:環境省)です。
比較したなかには稼働音が50dBを超え、役所の窓口周辺と同程度の騒音が出た商品もありました。対して、本商品は稼働音が静かなので、集中して作業できるでしょう。
比較したなかでもRAID10やRAID6が組める4ベイの商品は価格が10万円前後しましたが、2ベイの本商品はECサイトにて7万円前後(※2024年11月時点)で購入可能。大容量の動画データを扱ったり、複数のユーザーがアクセスするファイルサーバーを作ったりしないのであれば、RAID1の構築が可能な2ベイの本商品で十分予期しない障害や負荷に備えられます。
USB 3.2 Gen 2(10Gbps)ポートとUSB 2.0ポートをそれぞれ2つずつ搭載しており、拡張性に優れているのも魅力です。外付けSSDやHDDなど外部ストレージへのアクセスを柔軟に行えます。USBメモリを挿入し「USBコピーボタン」を押すだけで、ワンタッチでデータのコピーができるのも便利です。
データを以前記録された状態に復元できるスナップショットにも対応。データの消去・上書きや、ランサムウェア攻撃などに備えられます。また、比較した商品のなかでは、写真・音楽など用途別のアプリが充実していました。写真をAI画像認識によって自動整理・保存する「QuMagie」に対応しており、データ整理に役立ちます。
メーカー独自のクラウドサービスを提供しており、より強固なリスク回避ができるのも強みです。myQNAPcloudに対応しており、ブラウザからサインインするだけでインターネット経由でNASへの接続が可能。とくにmyQNAPcloud Storageには、バックアップをスムーズに行う機能がそろっています。
容量は16GBまで無料で利用可能。比較したメーカーのなかでも、無料で利用できるのはQNAPのみでした。NASが物理的に破損した際に備えられますよ。なお、有償プランは50GBの小容量から100TBの特大容量まで9種類があり、月間・年間での購入が可能。月額だと50GBが0.99USドル・1TBが月額5.99USドル・100TBが599.99USドルです。
拡張性が高く、ビジネスだけでなくエンタメ用途でも活躍します。比較した商品の半数にはないHDMIを搭載しており、テレビ・モニターに繋げられます。4Kの映像出力もできるので、ブラウザの閲覧・映画や音楽などの鑑賞を楽しみたい人にぴったりです。
DLNAに対応しているので、同規格に対応している機器とは映像・音楽・画像などのコンテンツをやりとりできます。例えば、パソコンに保存した動画をテレビで視聴可能です。また、LAN端子の規格は2.5GbEに対応。オプションのモジュールで5GbE・10GbEに拡張すれば、より通信の高速化を図れます。
NAS上でOfficeファイルの編集ができるのもうれしいポイントです。わざわざファイルをダウンロードしたり、編集後にアップロードする手間が省けます。加えて、WordPressサイトのバックアップに対応しているのも強み。WordPressでブログを運営しているクリエイターにもおすすめです。
基本的に画面に表示されるインストールガイドに従えば簡単にセットアップできます。もしつまずいた場合でも、メーカーサイトで日本語のセットアップガイドが配信されていますよ。
デメリットはないのか確認したところ、とくに気になる点はありませんでした。マイベストが自信を持っておすすめできるNASなので、ぜひ購入を検討してみてください。
ドライブベイ | 2ベイ |
---|---|
RAID機能 | RAID0、RAID1 |
LAN規格 | 2.5GbE(*1) |
標準保証年数 | 2年 |
良い
気になる
幅 | 105mm |
---|---|
奥行 | 226.5mm |
高さ | 165mm |
重量 | 2.68kg |
DLNA対応 | |
CPU | Intel Celeron N4505 |
メモリ容量 | 4GB |
ドライブの互換性 | 3.5インチ SATA HDD、2.5インチ SATA SSD、M.2 2280 NVMe |
スナップショット機能 | |
LANポート数 | 1個 |
USB 2.0ポート数 | 0個 |
USB 3.2 Gen 1 ポート数 | 2個 |
HDMI端子数 | 1個 |
アイドル時消費電力 | 8.198W |
アクセス時消費電力 | 12.448W |
監視システムあり | |
HDDの転送速度(Read・シーケンシャルアクセス) | 平均233.90MB/s |
HDDの転送速度(Write・シーケンシャルアクセス) | 平均164.75MB/s |
HDDの転送速度(Read・ランダムアクセス) | 平均205.25MB/s |
HDDの転送速度(Write・ランダムアクセス) | 平均43.33MB/s |
稼動音の最大値 | 40.6dB |
本注釈においては事業者からの情報提供を含みます
※ランキングは、購入時に取得できるポイントを考慮した実質価格で作成しています。
97,055円
(最安)
販売価格:97,945円
ポイント:890円相当
送料無料
ここでは、QNAP TS-262とは違った魅力を持つ商品をご紹介します。購入を迷っている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
使いやすく、高性能な商品がほしいなら、QNAP TS-464がおすすめです。4ベイのNASで、RAIDを柔軟に組めます。転送速度は速く、5GBのデータのコピーが平均33秒で完了しました。キャッシュ用のM.2 SSDを2台取り付ければ、さらなる高速化が可能。データ転送後の発熱やファンの音も気になりませんでした。
QNAP共通のOSはわかりやすく、初期設定はガイドに従えば簡単に行えます。Google drive・OneDriveとの同期のほかに、QNAP独自のクラウドサービスを16GBまで無料で利用可能です。データ消失のリスクを軽減できるでしょう。
HDMI端子とモニターを繋げば、Virtualization StationというシステムによってWindowsもしくはLinuxの仮想マシンの実行が可能です。USBポートにマウスやキーボードを接続すると、PCのように操作もできます。
QNAP TS-262は、Amazon・楽天市場などの大手ECサイト、ヨドバシカメラ・ビックカメラなどの家電量販店で購入できます。値段は6万後半から7万円台(※2024年11月時点)です。値段や送料はサイトによって異なるので、それぞれ比較してみてくださいね。
NASの検証で上位を獲得した商品をご紹介します。QNAPのTS-262以外にも、ぜひ以下のおすすめ商品も検討してみてくださいね。
ドライブベイ | 4ベイ |
---|---|
RAID機能 | RAID0、RAID1、RAID5、RAID6、RAID10、JBOD |
LAN規格 | 2.5GbE(*1) |
標準保証年数 | 3年 |
良い
気になる
幅 | 170mm |
---|---|
奥行 | 226.5mm |
高さ | 165mm |
重量 | 2.26kg |
DLNA対応 | |
CPU | Intel Celeron N5095 |
メモリ容量 | 8GB |
ドライブの互換性 | 3.5インチ SATA HDD、2.5インチ SATA SSD、M.2 2280 NVMe |
スナップショット機能 | |
LANポート数 | 2個 |
USB 2.0ポート数 | 2個 |
USB 3.2 Gen 1 ポート数 | 2個 |
HDMI端子数 | 1個 |
アイドル時消費電力 | 21.618W |
アクセス時消費電力 | 40.536W |
監視システムあり | |
HDDの転送速度(Read・シーケンシャルアクセス) | 平均292.43MB/s |
HDDの転送速度(Write・シーケンシャルアクセス) | 平均179.18MB/s |
HDDの転送速度(Read・ランダムアクセス) | 平均211.01MB/s |
HDDの転送速度(Write・ランダムアクセス) | 平均35.05MB/s |
稼動音の最大値 | 42.1dB |
QNAP TS-464を徹底レビュー!実際に使ってわかったよい点・気になる点は?
本注釈においては事業者からの情報提供を含みます
ドライブベイ | 4ベイ |
---|---|
RAID機能 | RAID0、RAID1、RAID5、RAID6、RAID10、global hot spare |
LAN規格 | 2.5GbE |
標準保証年数 | 2年 |
良い
気になる
幅 | 170mm |
---|---|
奥行 | 226.5mm |
高さ | 168mm |
重量 | 2.88kg |
DLNA対応 | |
CPU | Intel Celeron N4505 |
メモリ容量 | 4GB |
ドライブの互換性 | 3.5インチ SATA HDD、2.5インチ SATA SSD、M.2 2280 NVMe |
スナップショット機能 | |
LANポート数 | 2個 |
USB 2.0ポート数 | 2個 |
USB 3.2 Gen 1 ポート数 | 2個 |
HDMI端子数 | 1個 |
アイドル時消費電力 | 20.33W |
アクセス時消費電力 | 32.4W |
監視システムあり | |
HDDの転送速度(Read・シーケンシャルアクセス) | 平均230.14MB/s |
HDDの転送速度(Write・シーケンシャルアクセス) | 平均292.40MB/s |
HDDの転送速度(Read・ランダムアクセス) | 平均235.34MB/s |
HDDの転送速度(Write・ランダムアクセス) | 平均5.26MB/s |
稼動音の最大値 | 44.0dB |
QNAP TS-462-4Gを徹底レビュー!実際に使ってみてわかったメリット・デメリットは?
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