マキタ 充電式チェンソー MUC254DZをレビュー！クチコミ・評判をもとに徹底検証

直径18cmの檜を切断するのにかかった時間は、標準モードで19秒・太枝モードで15秒とハイスピード。全体平均の23.75秒（執筆時点）を下回る速さで、切断のしやすさはかなり優秀です。比較したなかにはチェーンスピードが3.5～10m/s程度のものが多かったなか、本商品の公称値は22.5m/sとパワフルな性能でした。

チェーンには、なめらかな切れ味と高い耐久性がウリの25APを採用。ガイドバーの形状にも、チェーンの回転をなめらかにするスプロケットノーズバーを採用していることが切断スピードの速さにつながっていると考えられます。

充電式にも関わらず、エンジン式に匹敵するほどスピーディに切断できるため、枝打ちや薪作りなどの幅広い作業に対応できるでしょう。ただし、太枝モードだとバッテリー消費が早く、検証では10本程度を切断したところでバッテリー切れに。通常モードと使い分けることをおすすめします。

比較した商品内には2.1～4.3kgまで幅広いものがありましたが、こちらは総重量約3.2kgとほどよい重みがあり、重量バランスに優れていました。バッテリー部分には若干重みを感じるものの、エンジン式とほぼ変わらない使用感です。

ちなみに重量が2.4kgと軽量なものは振動が伝わりやすかったり、切断時に余分な力を要したりと不便に感じる部分もありました。こちらは口コミの指摘とは異なり、さほど力をかけなくても使用できますよ。

握り心地も、比較したなかではとくに優秀。トリガーのロック装置であるスロットルロックアウトはレバー式のため、レバーを手のひらで包み込むように押し込みつつトリガーを引くだけで使えます。ボタン式の商品だと親指に力を込めることから疲れやすくなりがちでしたが、こちらは手元の操作性に優れており、自然な持ち方で使えました。

ハンドルの形状はトップハンドルといって、上部と側面にそれぞれハンドルがついているタイプ。どの角度で握ってもフィット感があり、小回りが利きやすい印象です。エンジン式に比べて振動も少ないので、枝打ちなどの細かな作業にも使いやすいでしょう。

吊り下げ用のフックがついており、金属プレートのガイドバーが下を向く形で持ち歩けるのも利点です。庭が広かったり、木に登って使ったりしたい人にとってはとくに便利ですよ。

安全機能は充実しており、こちらも比較したなかでトップクラスの高評価です。ダブルスイッチを押さないとチェーンが回転しないため、誤操作の心配は少なめ。加えてダブルスイッチが上部についているので、使用時には自然な握り方で使え、長時間の作業でも疲れにくいでしょう。

トリガーから手を離せば刃の回転は止まるので、直感的に操作できます。さらに、ブレーキ機能も搭載。比較したほかの商品にはチェーンブレーキがついていないものもありましたが、こちらは緊急時にはすぐ刃の回転を停止できます。

メンテナンスのしやすさもまずまず高評価です。クラッチカバーを止めるナットが本体と一体になっているため、落下することはありません。現場などでなくす心配がなく、作業に集中できます。

チェーンの張り具合を調整する際には工具が必要なので、工具不要な商品に比べると多少手間はかかるものの、チェーンの張り調整ネジは正面の横に配置されていました。ガイドバーなどが邪魔になることなく、簡単に調整できますよ。