軽量コンパクトで持ち運びしやすいと人気のモバイルノートパソコン、VAIO F14。「キーボードが軽くて打ちやすい」「動作速度が速い」と評判です。しかし、「バッテリー持ちがよくない」などの口コミも存在するため、購入を迷っている人もいるのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の11個の観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のモバイルノートパソコンとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、モバイルノートパソコン選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
VAIO F14は、デスクワークから映画・音楽鑑賞まで使えるバランスのよい1台を探す人におすすめです。処理性能はとくに優秀で、ベンチマークソフト「Cinebench R23」で測定したCPUマルチコアは平均6,515ptsを記録しました。比較した商品には2,000~4,000pts台にとどまったものも少なくないなか、複数のアプリを立ち上げてのマルチタスクも問題なくこなせる性能があるといえます。
ストレージの読み書きも高速です。読み込み速度の実測値は平均728.8MB/s・書き込み速度は平均640.8MB/sと、比較した全商品の平均を約1.5倍上回る速度をマーク。アプリの起動やデータのコピーも素早く済ませられるでしょう。負荷をかけても本体の温度が熱くならず、ファンの音の大きさも平均48.1dBと控えめだったため、実使用でも快適に使えますよ。
バッテリー性能も高く、動画を連続視聴した際の持続時間は7時間36分と長め。比較した商品には5~6時間でバッテリーが切れるものも多かったなか、「バッテリー持ちがよくない」との口コミに反して外出先で長時間使えるのが魅力です。本体は約1,340gと若干重めですが、VAIO独自の耐久テストをクリアしており、持ち運びの際の堅牢性にも期待できますよ。
キーボードのレイアウトは一般的で、キーが若干小さく間隔が広め。ほどよい反発のある硬めの打鍵感は、モニターから「沈み込みすぎずちょうどよい」と好評でした。タッチパットはマット素材でやや引っかかりを感じたものの、感度は良好。HDMI・LAN端子・USB Type-Aなどインターフェースも充実しており、USB Type-Cは急速充電が可能なPower Delivery・高解像出力のDisplayPortに対応しています。
フルHDのディスプレイは明るく鮮やかで、スピーカーもバランスのよい音質でした。ビジネスシーンだけでなく、映画・音楽鑑賞にもぴったりでしょう。マイクも声がクリアに聴き取れ、Webカメラは若干暗めなものの肌の色は自然。映りにこだわらない人はオンライン会議にもそのまま臨めますよ。処理性能から使い勝手まで優れた1台なので、ぜひ検討してみてくださいね。
<おすすめな人>
<おすすめできない人>
モバイルノートパソコンとは、一般的に14インチ以下の小型ノートパソコンのことをいいます。持ち運びでの使用を前提としており、軽量かつ頑丈な設計が特徴。外出先でも使いやすいよう、バッテリー容量が大きいモデルも多くあります。
ソニーから独立したVAIOも、高品質なノートパソコンを数多く販売している国産パソコンメーカーです。長野県安曇野市にある工場で丁寧な品質チェックを行い、モバイルノートパソコンは12.5インチから14インチまでのタイプを取り扱っています。
今回ご紹介するのは、2023年6月に発売されたVAIO F14。一般的なモバイルノートパソコンよりひとまわり大きな、14インチのワイド画面を採用しているのが特徴です。CPUには、資料作成から写真閲覧・動画視聴までを快適にこなせるとされるIntel Core i7 1355Uを搭載しています。バッテリー持ちの公称値は動画再生時で最大8時間と、外出先での長時間使用も期待できますよ。
PCのマイクには、周りの生活音をカットするAIノイズキャンセリング機能(※)を搭載。高画質フロントカメラは顔にあわせて明るさを自動調整でき、快適なオンラインコミュニケーションにもこだわっています。カメラをオフにできる、カメラプライバシーシャッターもついていますよ。
内蔵オーディオ機器(ステレオマイク、ステレオスピーカー)およびステレオミニ端子での音声入出力に対応します。USB、HDMI、Bluetoothなどで接続する外付けオーディオ機器では使用できない場合があります。
サイズは約幅322.9×高さ19.5~19.7×奥行221.5mm、重量は約1.34kg。キーボードは画面を開いたときに疲れにくい角度に傾く、チルトアップ機構を採用しています。カラーは、サテンゴールド・ウォームホワイト・ネイビーブルーの3種類です。
VAIOサポートサイトでは、チャットサポートや電話サポート・PC画面を共有するリモートサポートも行っています。困ったときにすぐ相談できるのもうれしいポイントですね。そのほかのスペックは、以下のとおりです。
今回はVAIO F14を含む、人気のモバイルノートパソコンを実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
パソコンに必要な処理性能・ストレージの読み書きの速さは、トップクラスの高評価を獲得しました。
CPUはIntel Core i7 1355U、コア数・スレッド数は10コア12スレッドと高いスペックがあり、ベンチマークソフトを使ったCPUマルチコアの実測値は平均6,515ptsをマーク。比較した半数以上の商品が、マルチタスクが快適にこなせる目安である5,000ptsを下回ったのに対し、複数のアプリを立ち上げての作業も問題なく行えるでしょう。
処理速度に関わるメモリは32GB・ストレージ容量も1TBと、こちらも比較したなかではかなり大きめです。メモリのベンチマークスコアは、全体平均の2,450(※2024年10月時点)を大きく上回る3,413を記録しました。
ストレージの性能も高く、読み込み速度の実測値は平均728.8MB/s・書き込み速度は平均640.8MB/sと、全体平均の429MB/s・375MB/s(※2024年10月時点)を大きく超える結果に。システムやアプリの起動やデータのコピーも素早く済ますことができ、負荷のかかる作業やマルチタスクを行う人にぴったりといえます。
重い処理を行っても、ファンの音や熱が気にならないのも利点です。PCに高負荷をかけるストレステストを行った検証では、ファンの音の大きさは平均48.1dBと、静かなオフィスでも気にならない程度。画像からわかるとおり、本体の温度もほとんど熱くなりませんでした。
比較したほとんどの商品も、音や熱が気になるものは見受けられませんでしたが、本商品はそのなかでもとくに静かかつ低温に抑えられています。負荷による影響は受けにくいといえるでしょう。
バッテリー持ちの検証も高評価です。バッテリーが100%の状態で動画を連続で視聴した結果、持続時間は7時間36分を記録。比較したなかには5~6時間で充電が切れる商品も多かったなか、十分な持ちといえます。
「バッテリー持ちがよくない」との口コミもありましたが、これなら長時間外に持ち出して作業する人にもおすすめですよ。
持ち運びやすさの面でも、とくに気になるポイントはありませんでした。本体重量は約1,340gと比較したなかでは若干重さがありますが、許容範囲といえるレベルです。
VAIOのモバイルノートパソコンには、液晶ディスプレイの破損耐性として液晶限界開き試験や、カバンの中でペンを挟み込んでしまった場合のペン挟み試験を実施。そのほか、以下の試験も行っています。
持ち運びや、それに伴うアクシデントにも耐えられるよう数多くの試験を行っているため、移動時の負荷が心配な人にも心強いでしょう。専用ケースも販売しているので、より衝撃を抑えたい人はあわせてチェックしてくださいね。
これ1台でさまざまな用途に対応できるようインターフェースも充実しており、汎用性も高めでした。搭載している端子は以下のとおりです。
HDMI出力に対応しており、ゲーム画面をテレビに映してのプレイが可能です。USB Type-Cは、急速充電が可能なPower Deliveryや、HDMIより高解像度で出力できるDisplayPortに対応しています。
比較したなかにはLAN端子がないものや、USB Type-Cが急速充電に対応していないものも。本商品は必要な端子がひと通りそろっているため、使用するうえでとくに不便は感じにくいでしょう。
スピーカーはバランスのよい音質で、十分な実力を発揮。出力したピンクノイズを測定用マイクで録音すると、125Hz程度の低音から8,000Hz程度の高音までまんべんなく出せていることがわかりました。比較したなかにはやや物足りない音質のものもありましたが、本商品なら繊細なサウンドも出せるでしょう。
ディスプレイ性能も悪くありません。解像度はフルHDで、最大表示色・最大輝度ともに比較したほとんどのモバイルPCと同等のスペックがあります。一般的なPCと同じ鮮やかさ・明るさがあり、映像や音楽などエンタメも十分楽しめますよ。ディスプレイの詳細なスペックは以下のとおりです。
キーボードの打ちやすさも良好です。レイアウトは一般的で、エンターキーが大きくカーソルキーが離れており打ちやすい印象。キーがやや小さく間隔が広めのため、使用したモニターからは「押し間違いがなくてよい」「手を大きく動かさなければならなかった」と意見が分かれましたが、使いづらいほどではありません。
カコカコとしたちょうどよい沈み込みがあり、打鍵感も好評でした。比較したなかには沈み込みが浅いもの・深いものと、モニターによって好みが分かれる商品もありましたが、こちらはそこまで差がない印象。「ほどよい反発力がある」との声も多く、長時間でもタイピングしやすいといえます。
タッチパッドはマットな素材のため少々引っかかりがあるものの、感度は高く、遅延や誤操作も起きにくいでしょう。
<キーボードの打ちやすさについてのモニターコメント>
コメントは一部抜粋
内蔵のWebカメラ・マイクも悪くない性能です。AIノイズキャンセリング機能を搭載しており、62Hz以下・16,000Hz以上のノイズに聞こえる周波数帯をしっかりカット。比較したなかにはうまくノイズを除去できない商品もあったのに対し、人の声を聞き取りやすい音質でした。
解像度はHD(720p)と画像のとおりやや暗め。鮮やかさは物足りないものの、肌の色味は自然で、目の光も明瞭です。画角も正常に映りました。
映りにさほどこだわりがなければ、このままオンライン会議に臨めるでしょう。気になる人は、外付けのWebカメラを検討してくださいね。
以上の検証結果から、VAIO F14は処理性能やバッテリー持ち・使い勝手のすべての検証で満足できるレベルをクリアした商品であることがわかりました。
内蔵カメラの画質が暗く鮮やかさに欠けたのが惜しいところですが、全体的にクセがなく、多くの人に扱いやすいといえる1台なのでぜひ検討してみてくださいね。
ここからは、VAIO F14以外のおすすめ商品をご紹介します。
カメラやマイクの性能にも注目したいなら、dynabookのGS5 P1S5WPBLをチェック。内蔵カメラは解像度が1,080pと高く、自然な明るさで細部までくっきりと映りました。マイクもノイズをよくカットできており、外出先でもオンライン会議に使いやすい印象。動画を9時間以上連続再生できるほどのバッテリー持ちも備えていたため、外回りでの使用にもうってつけですよ。
CPUのマルチコアは平均5,871ptsと高く、マルチタスクも問題なく行えるスペックでした。インターフェースも充実しており、USB-CはThunderbolt 4・Power Delivery・DisplayPortに対応。データの高速転送や急速充電も叶います。
キーボードはクセがなく、タッチパッドの感度も良好。打鍵感はやや好みが分かれましたが、しっかりした押し応えが好きな人にぴったりです。
持ち運びのしやすさを重視する人は、G6 P1G6VPBLもおすすめです。重量は0.87kgと検証トップクラスで軽く、通勤通学時にも負担になりにくい重さ。MIL規格に準拠した耐久テスト9項目をクリアしており、堅牢性も十分といえます。
CPUマルチコアの実測値は平均6,363pts・CPUの核となるコア数は12コアと高性能で、一般的なデスクワークなら余裕でこなせるスペック。動画の連続再生時間は8時間弱と、外出先でも長く使えるバッテリー性能を備えていました。
キーボードは軽い力でタイピングでき、モニターからは「パチパチ気持ちよく打てた」と好評でした。タッチパッドはなめらかで感度もよく、使い勝手のよい1台といえるでしょう。
VAIO F14は、VAIO公式ストアのほか、Amazonや楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのECサイトで購入できます。価格は164,800円です(※2024年10月時点・公式サイト参照)。ECサイトには、中古で安く購入できる店舗もありますよ。
VAIOストアで新規会員登録すれば、15万円以上の購入で使える10,000円OFFクーポンを受け取れます。さらに3年のメーカー保証が受けられるので、気になる人はチェックしてみてください。
コンテンツ内で紹介した商品を購入すると、売上の一部がマイベストに還元されることがあります。
掲載されている情報は、マイベストが独自にリサーチした時点の情報、または各商品のJANコードをもとにECサイトが提供するAPIを使用し自動で生成しています。掲載価格に変動がある場合や、登録ミス等の理由により情報が異なる場合がありますので、最新の価格や商品の詳細等については、各ECサイト・販売店・メーカーよりご確認ください。