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【ルンバの逆襲】元家電メーカー販売員がバズりを感じた最新モデル「Roomba 205」。使ってみたら価格はOK!だけど…の結果【ロボット掃除機】

【ルンバの逆襲】元家電メーカー販売員がバズりを感じた最新モデル「Roomba 205」。使ってみたら価格はOK!だけど…の結果【ロボット掃除機】

4月18日、ロボット掃除機のパイオニアであるアイロボット社が、ルンバ全6機種を一斉に投下


39,400円のエントリークラスからダストステーション付きの128,400円のミドルクラスまで、全商品に高性能センサーである「LiDAR」を搭載するなど一気にシリーズの刷新を図ったという向きです。デザインも大きく変更されています。しかし、ぶっちゃけ最近のアイロボット社はかなりのピンチだったりします。


界隈では「起死回生の一手なるか」という見方もされているなか、今回、マイべマガジンでは新シリーズの中で、吸引+水拭きに加えてユニークな機能を搭載した「Roomba 205」に注目。


商品比較サービス「マイベスト」でこれまで60台近くのロボット掃除機を検証し、現在でも毎月4台は検証コンテンツに追加しているというガチ担当者が目をつけた最新モデル「Roomba 205」について、首尾よく発売当日に入手することができたので、実際に使ってみた結果と感想を率直にお届けします。


果たしてルンバの逆襲はなるのでしょうか?


本コンテンツの情報は公開時点(2025年4月22日)の情報をもとに執筆しております。また、本コンテンツ内の価格情報はすべて税込みで表記しております。
2025.04.22
マイベマガジン編集部
ガイド

世の中には「まだ知らない良いもの」がたくさん。マイベマガジン編集部は、商品比較サービス「マイベスト」の情報をベースに、知ると暮らしがより便利になるアイテムや情報をお届けしていきます。

マイベマガジン編集部のプロフィール
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田丸大暉(Hiroki Tamaru)
ガイド
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

ダイソンの派遣販売員として、ケーズデンキなど家電量販店で掃除機の接客・販売を2年間担当した経験を持つ。マイベストへ入社後はその経験を活かし空気清浄機・除湿機・オイルヒーター・スティッククリーナーなど季節家電・空調家電や掃除機をはじめ白物家電全般を専門にガイドを担当し、日立やシャープ、パナソニックなどの総合家電メーカーから、ダイニチ工業・Sharkなどの専門メーカーまで、150以上の家電製品を比較検証してきた。毎日使う家電製品だからこそ、本当によい商品を誰もが簡単に選べるように、性能はもちろん省エネ性能やお手入れのしやすさまでひとつひとつ丁寧に確認しながらコンテンツ制作を行う。

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業界初の機能搭載!iRobot「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」(販売価格:59,743円)

業界初の機能搭載!iRobot「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」(販売価格:59,743円)

iRobot

Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット

販売価格:59,743円

本体だけで60日間ゴミ捨て不要。「ゴミ捨て面倒臭い」&「ダストステーション置く場所ない」問題を“6万円弱”で解決!?

本体だけで60日間ゴミ捨て不要。「ゴミ捨て面倒臭い」&「ダストステーション置く場所ない」問題を“6万円弱”で解決!?

「Roomba 205」は、今回発売された6商品のラインナップの中で、下から2番目の価格。「Plus」でも「Max」でもない、無印の「Roomba」カテゴリーに属します。


一見地味な立ち位置ですが、これこそが今回の注目機種である、という担当の推しの理由と、簡単な性能についてまずはご紹介します。


掃除機がけと水拭きに対応するけど、ダストステーションはなし、でもスマホアプリや音声アシストとの連携は可能というシンプルなモデルです。


ただ、この205はただの「安めのロボット掃除機」ではありません。


吸い込んだゴミをロボット掃除機本体内で圧縮することで60日間のごみ捨てが不要になるという、前代未聞の機能を備えています。


この部分こそが、担当者が推す理由です。

田丸大暉(Hiroki Tamaru)
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

ロボット掃除機が吸い込んだゴミを溜めたり、水拭きモップの洗浄・乾燥を自動でこなしてくれるダストステーションは、7万円台クラスのロボット掃除機には付属しているのが一般的です。


ただ、手入れ不要なのは良いのですが、問題はダストステーションそのものです。設置に場所を取られるので物理的に置けない、という不満に繋がってしまう場合も。


しかし、「Roomba 205」は、まったく新しい手段で「ゴミ捨てが面倒くさい」「ダストステーション置く場所がない」という2つの問題を解決しました。


「60日分のゴミを溜められる」というスペックは、一般的なダストステーションと同等の収容力です。


価格も6万円弱と、競合と十分戦える価格帯です。


今回の新シリーズはデザインが一新されたことや「LiDAR」センサーの搭載が話題ですが、個人的にはシリーズ全体が競合他社に合わせて、価格をかなり下げてきている、というのがポイントだと思っています。

【検証開始】ルンバの逆襲はなるか!? 発売当日にひととおり試してみました

【検証開始】ルンバの逆襲はなるか!? 発売当日にひととおり試してみました

今回は、「マイベスト」の通常の検証コンテンツとは異なる形のレビューですが、ふだんのロボット掃除機検証と近い内容で性能をチェックしました。


  1. 吸引力は高いのか
  2. 壁際・部屋の隅でもゴミを吸引できるのか
  3. 水拭きでどのくらい汚れを落とせるのか
  4. LiDARセンサー搭載でも従来機同様にカーテンの奥を掃除できるのか
  5. 障害物は避けられるのか
  6. ゴミがいっぱいになったあと、捨てる際に飛び散らないか

しかし、検証前にトラブルが……。

【検証前】Wi-Fiになかなか繋がらない…

【検証前】Wi-Fiになかなか繋がらない…
田丸大暉(Hiroki Tamaru)
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

環境の問題があるかもしれませんが、初期設定に時間を取られました。


Wi-Fiに接続するまで30〜40分アプリはUI中心に刷新されていますが、競合他社と比べるとレスポンスも良いとは言えません


ただ、Wi-Fiにつながった後、マッピングはおよそ2分で終了しました。今までのルンバシリーズだと、2〜3回掃除をした頃にマッピングが完成する、という感じだったので、「LiDAR」センサーの強みをしっかり活かした進化を感じます。


一度繋がればあとはストレスないというのは、これまでのルンバシリーズと同じですね。

【検証中①】水拭きは優秀。吸引力はふつう。6万円弱ならこれくらいでOKと納得できるレベル

【検証中①】水拭きは優秀。吸引力はふつう。6万円弱ならこれくらいでOKと納得できるレベル

開始前に若干のもたつきはありましたが、ひとたびWi-Fiと接続したらあとは問題なし。


床にまいた砂や髪の毛、さらに乾いてベタベタになったコーラ、コーヒー、オレンジジュースなどを対象に吸引力と水拭きの能力を観察したところ、6万円を切る価格帯でありながら健闘を見せました。


ちなみに、水拭き清掃時にはカーペットやラグには乗り上げない機能が搭載されています。

田丸大暉(Hiroki Tamaru)
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

使ってみて感じたのは、吸引力や水拭き能力といった基本能力がしっかりしているということ。


特に水拭き能力については、ルンバシリーズの上位と同じ「スマートスクラブ」を採用し、乾いたコーラ・コーヒー・オレンジジュースを拭き取りました


これ、元は上位機種だけの機能だったのですが、今回は一番下のグレードの商品にも採用されています。競合他社の下位機種はただモップで撫でるだけの拭き掃除がまだまだ主流なので、ライバルに対する優位なポイントになりそうです。


水拭きのための給水も「6万円ならこれくらいの手間は許容できる」と納得できました。

水拭き能力の高さは「Roomba 205」の強みのひとつ

水拭き能力の高さは「Roomba 205」の強みのひとつ

水拭きのBefore/After。壁際は甘さがありますが、ブラシが乗った箇所はキレイに。


以前は上位モデルにしか搭載されていなかった「スマートスクラブ」の効果が発揮されました。

【検証中②】壁際の掃除はうまいけど、障害物には弱い。「前面カメラ無しモデル」の限界か

【検証中②】壁際の掃除はうまいけど、障害物には弱い。「前面カメラ無しモデル」の限界か

続いては、床に置かれたコードや服、ペットの糞(擬似です)など、障害物に対する挙動を試しました。


結果としては、同価格帯の他社商品と同じくらいのレベル、といったところでしょうか。

田丸大暉(Hiroki Tamaru)
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

マッピングしたデータをベースとして、部屋の外周から掃除を開始し、次第に中へ寄っていくという動きは、今までとは違う動きです。これまでのルンバというよりは、LiDARを搭載した他社のロボット掃除機と同じ動きという印象でした。


ただ、床に置いたコードは引きずってしまったし、シャツは避けようとしたけど巻き込んでしまった。ペットの糞を前にしてもそのまま進んでしまった。これは前面にカメラを搭載していないことが原因と推測されます。


ただ、壁際のゴミの処理はかなり完璧に近いので、6万円を切る価格であるなら譲歩できるレベルかな?と思います。


また、これまでのルンバシリーズはカーテンの下も進入していきましたが、今回は避けるような挙動で、カーテンの下に撒いたゴミを吸引することはできませんでした。これも「LiDAR」センサーを採用したことによる変化ではないでしょうか。

テーブルの脚部分などもしつこく掃除。家具への当たりの強度は一般的なレベルで、特に気になることはありませんでした。

【検証終了…の前に】ダストボックスの扱いがちょっとクセあり

【検証終了…の前に】ダストボックスの扱いがちょっとクセあり

ひととおり、部屋を掃除してもらって、さあ検証終了か、というタイミングで発生した「ゴミの捨て方が難しい」問題


ダストボックスを開ける際、下にぱかっと開くフタ側を持つ必要があり、必然的に腕がゴミの真下になりますゴミ袋を置くポイントを調整する必要はありそうです。

田丸大暉(Hiroki Tamaru)
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

ゴミの捨て方はちょっと難しさがありますね。


フタも結構固いし、慣れないうちは開ける際にゴミを寄せておくなどしないとうまく捨てられないかもしれません。


ただ、溜まったゴミが少ない今回のような状況ではなく、ダストボックス内のゴミが満タンで圧縮されている状態なら、また違う挙動になる可能性はあります

ちなみに、ゴミを圧縮できるのはもちろんですが、そもそも上の写真のようにダストボックスの容量自体が一般的なロボット掃除機より増えています。実は、このダストボックスの大きさにはある秘密が。

ハイエンドロボット掃除機の上部によくついている、小さな円盤状の「LiDAR」センサーが「Roomba 205」では本体前方のスリットに内蔵されています。

小さな円盤の突起部分がないと高さを抑えられそうに思えますが、本体の高さは他商品と大きく変わりません。

センサーを内部におさめることで他商品と比べて本体自体の背を高くする余裕が生まれたため、内部の体積を確保でき、ダストボックスの容量を増やすことが可能になっているのです。

なお、緑色のパーツがゴミを圧縮する仕組みです。掃除中にも動いているためか、若干の音が発生していました。

【まとめ】「ゴミ捨て面倒臭い」「でもダストステーション置けない」を解決する“唯一無二”さは◎。でも基本能力は価格相応です

【まとめ】「ゴミ捨て面倒臭い」「でもダストステーション置けない」を解決する“唯一無二”さは◎。でも基本能力は価格相応です

基本的な吸引力は問題なく、水拭き能力はしっかり。さらに、床に置いてある対象物を避けるのは苦手ですが、壁際の処理はバッチリ。


そのうえでダストステーションとゴミ捨て問題を解決したiRobot「Roomba 205 DustCompactor Combo ロボット」。


日々、ロボット掃除機ガチ検証に勤しむ担当者はどうみたのでしょうか。

田丸大暉(Hiroki Tamaru)
家電製品アドバイザー・家電製品エンジニア・元家電メーカー販売員/マイベスト 白物家電担当
田丸大暉(Hiroki Tamaru)

ダストボックスの斬新さを除くと、「Roomba 205」は、ごく一般的な“今の”ロボット掃除機という立ち位置です。


これは私の推測ですが、これまでのiRobot社だったら、この商品は10万円弱くらいしていたと思います。それが6万円を切るという、他社と比較できる価格になっているのはデカいです。


ここに1万円を足すと水拭きパッドの洗浄・乾燥が可能なダストステーション付きのロボット掃除機が買えるんですが、「Roomba 205」はそういう「機能が少しでも多い商品を求める」のではなく、ダストステーションなしで60日分のゴミを溜められるという、特定のニーズを追求する商品。


今までのiRobot社とは違うな、というのが感じられます。


ただ、やっぱりゴミ捨てが気になるな〜。

最新ルンバシリーズの検証は5月15日更新予定です。「Roomba 205」を含む、ルンバ最新モデルの性能は、他社と比較してどのくらいなのか、全部まるごと検証しますので、ぜひご期待ください。


その前に、現在のロボット掃除機をガチで知りたいなら、ぜひこちらコンテンツもどうぞ。


ちなみに、担当田丸の推しは「10万前後のロボット掃除機」とのこと。下記コンテンツを読むと、たしかにという気持ちになるはずです!

(執筆/マイべマガジン編集部・青山卓弥)

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