手馴染みのよいラバーグリップを採用して心地よく握れると謳う、DCM 充電式タッカー T-GT36V。「確実に作業できる」「重すぎずちょうどよい」と評判です。一方で、「針が出るまで時間がかかる」という口コミも存在するため、購入するか迷っている人も多いのではないでしょうか?
今回はその実力を確かめるため、以下の6つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のタッカーとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、タッカー選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
DIYアドバイザー・DIY工作アドバイザー・日曜大工士。乙種第4類危険物取扱者免状を取得しているほか、フォークリフト運転技能講習を修了。2023年まで、ホームセンターの資材館の販売員として電動工具・建築資材・農機具などの接客に従事。現在はマイベストにて、インパクトドライバーや丸ノコなどの電動工具を中心に徹底的に検証。メーカーや価格を問わず、ユーザーが「買ってよかった」と感じられるようなコンテンツ制作に日々努めている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
DCM 充電式タッカー T-GT36Vは、扱いやすいものがほしい初心者におすすめです。打ち込むのに必要な力を測定したところ、平均1.48gと比較した全商品の平均6.77kg(※執筆時点)を大幅に下回る数値。軽い力で射出できるうえコツが必要なく、「確実に作業できる」という口コミどおりきれいに仕上げられました。
「針が出るまで時間がかかる」という口コミに反し、トリガーを引いてから射出するまでのラグは平均0.9秒と少なめです。射出口が確認しやすく、狙った場所と打ち込んだ場所のズレも平均0.488mmとごくわずか。比較した全商品の平均が約1mm(※執筆時点)だったなか、本品は直感的に狙った場所に打ち込みやすいといえます。
本体重量605gと安定感があり、打ち込む際の反動を抑えやすいのも魅力です。比較した全商品の平均約665.8kg(※執筆時点)よりも軽量で持ち上げやすく、「重すぎずちょうどよい」との口コミどおりといえます。また、グリップが握りやすく、実重量より手軽に扱えました。安全装置もついているので、誤射の心配も少ないでしょう。
打ち込み強度の調整はできないものの、素材問わずパワーを落とさずに打ち込めました。柔らかいコルクから堅い竹まできちんと針が通ったので、様々な素材を使用したDIYに活用できます。コの字型・T型ネイルの2種類の針に対応しているため、仕上げる部分に合わせて使い分けられるのもポイントです。
一度の充電で500回以上使用でき、長時間作業してもバッテリー切れするリスクが低め。初心者だけでなく上級者も納得する扱いやすさで、幅広い用途で使用できるのは魅力です。タッカー選びに迷っている人は、ぜひ本品を手に取ってみてくださいね。
そもそもタッカーとは、木・布を針で固定するための工具です。一般的に針を折り返す機構がなく、画鋲のように打ちっぱなしで固定します。一定以上の重さがあると固定できないものの、ホッチキスより強度があるのも特徴。木材のような堅い素材にも使用でき、簡単なDIYや工作で活躍します。
今回ご紹介するDCM 充電式タッカー T-GT36Vは、ポスター貼りや木製フェンスの補修、布・革・紙などの固定のために開発された商品。持ち手にラバーグリップを採用しているのが特徴で、手に馴染みやすく、握り心地がよいと謳っています。
販売元のDCMは、レジャーからインテリアまでさまざまなオリジナルブランド商品を展開しているメーカー。DIY用品の分野では、高出力な18V電動工具シリーズや使いやすさ重視の10.8V電動工具シリーズを展開しています。なかでも本品は、プチDIY向きのミニ電動工具シリーズに属する商品です。
電動式の充電タイプで、電源がない場所でも使用可能。約2.5時間で充電でき、継ぎ足し充電によりいつでも満充電の状態にできる点がアピールポイントです。誤射防止の安全装置がついていて、安全性にも配慮されています。
ステープルのサイズは、幅12mm・長さ6・8・10mmに対応。ステープルは最大100本装填でき、通常の使用であれば一度の補充で事足りる設計です。なお、コの字型のステープルのほか、T型ネイルも使用できます。
カラー展開はホワイトのみで、シンプルなデザイン。トリガーを引くだけで打ち込めて、初心者でも扱いやすい設計です。
ホチキスアダプターが付属しており、タッカーだけでなくホッチキスとしても使用可能。なお、ステープルとT型ネイルも付属しています。
今回はDCM 充電式タッカー T-GT36Vを含む、タッカー全17商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
はじめに、取り回しやすさの検証です。
実際に計量器で重さを測り、持ち上げやすさや安定感をチェック。あわせてコードの有無を調べて、3点から総合的に評価しました。
取り回しやすさは高評価で、605gの安定感のある適度な重さが魅力です。比較したなかでも重量600g前後のモデルは反動で本体が浮き上がりにくく、体重をかけなくても安定して作業できる傾向がありました。本品も例に漏れず打ち込みの反動を抑えられるので、初心者でも扱いやすいでしょう。
「重すぎずちょうどよい」との口コミどおりで、持ち上げやすさも上々です。高評価の基準値である550gに近く、十分軽量で長時間使用しても疲れにくいといえます。実際に持ち上げてみるとグリップが握りやすく、実重量より軽く感じられました。
コードレスで作業中のわずらわしさもなく、快適に作業可能。本品は持ち上げやすく安定した作業ができるうえ、コードによる移動制限もないので、非常に取り回しやすいといえます。
次に、打ち込みやすさ・狙いやすさを検証しました。
フォースゲージをトリガーに押し当て、針が射出するのに必要な力のピークを測定。狙いやすさは、トリガーを引くのと射出のタイミングにズレがないか定点撮影した動画で確認しています。あわせて、打ち込む場所にマークをつけてズレがないかチェックし、2点から狙いやすさを総合的に評価しました。
打ち込みやすさは、比較したなかでもトップクラスに高評価です。実際に打ち込むのに必要な力を5回測定したところ、平均1.48kgと優秀な結果に。比較した全商品の平均6.77kg(※執筆時点)を大幅に下回っていて、非常に軽い力で打ち込めたといえます。
比較したところ、本品のような電動式モデルは打ち込みに力・コツが必要なく、きれいに打ち込みやすい傾向がありました。DIY上級者だけでなく初心者でも楽に打ち込みやすく、「確実に作業できる」という口コミにも納得できます。
射出タイミングを5回測定すると、トリガーを引いてから射出されるまでのラグは平均でわずか0.9秒。比較した全商品の平均約0.8秒(※執筆時点)に近い数値で、ラグが少ないといえます。「針が出るまで時間がかかる」という口コミに反し、針の射出が遅いとは感じにくいでしょう。
また、針を5回連続で打ち込んだときのマークとのズレは平均でわずか0.488mmに収まりました。画像を見てわかるとおり、打ち込んだ針の位置はほぼ一直線上です。比較したなかには狙って打っても位置ズレする商品もありましたが、本品は射出口が手元から見えやすく直感的に狙った場所へと打ち込めます。
続いて、様々な素材への対応しやすさの検証です。
白竹・ラワンベニヤ・MDF板・SPF材・コルクボードに、強度を最大・最小に設定したうえでそれぞれ打ち込み、頭の高さと板までの長さを測り差を算出。打ち込み強度の設定の最大時・最小時でそれぞれ打ち込みの加減の差がしっかり出ているものほど高く評価しました。あわせて、使用できる針のタイプやサイズを調査して、2点から総合的に評価しています。
ただし、強度が変えられない商品は素材が柔らかいと針が刺さりすぎて、母材が割れる場合があるので要注意。母材が傷つくリスクを回避したい人は、強度調整機能がついたものを探すとよいでしょう。
対応している針は、コの字型とT型ネイルの2種類で針の種類も十分です。比較したうち6割ほどの商品はコの字型の1種類にしか対応していなかったのに対し、本品はさまざまな用途に使用可能。特にT型ネイルは頭が見えにくくきれいに仕上げられるので、目に触れる部分に使用するとき活躍します。
コの字型針の幅は12mmと限定されているものの、長さ6・8・10mmと幅広い種類に対応。素材や状況によって長さの違う針を使い分けられるので、制作物の見栄えをよくしやすいのも魅力です。
次に、連続作業可能回数の検証です。
最大まで充電した状態で充電が切れるまで使用し、2×4材に打ち込めた数を測定。作業1回あたりの打ち込む回数を50か所と想定し、1回の作業では充電が必要ない商品ほど評価しました。
実際に連続作業すると、一度の充電で500回以上打ち込めて高評価を獲得。700回を超えたあたりで挙動が遅くなりましたが、通常の作業では充電切れを心配せず使用できます。
なお、比較した電動タイプのモデルはどれも300回以上使用でき、作業1回あたりであれば十分なバッテリー持ちを備えていました。なかには、1,000回以上打ち込めたモデルも。とはいえ、普通に作業すると打ち込み回数は50回ほどなので、本品も問題なく長時間使用できるでしょう。
最後に、安全装置の有無の検証です。
実際に商品を見て、誤射が起こらないような機能が搭載されているかチェック。安全装置がついていて、誤射のリスクがないものほど評価しました。
本品は安全装置つきで誤射するリスクが低め。トリガーを引くだけでは打ち込めない仕様で、取り扱いミスによるケガ・事故を回避できます。比較したなかでもより好評だった、2段階の安全装置搭載モデルには及ばないものの、安全に作業しやすいでしょう。
なお、比較した電動式タイプのほとんどが射出口に安全装置を備えていましたが、プロ向きの一部モデルには安全装置がないものも。予想外の事故を防ぎスムーズに作業するために、安全装置つきがよいでしょう。
稼動方式 | 電動 |
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本体重量(実測値) | 605g |
握力目安(実測値) | 1.48kg |
対応する針 | コの字・T型 |
対応ステープル幅 | 12mm |
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対応ステープル長さ | 6〜10mm |
U型ネイル使用可能 | |
T型ネイル使用可能 | |
ハンドルグリップ付き | |
紙綴じ用の返し付き | |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(SPF 2×4材) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(ラワンベニヤ9mm厚) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(MDF板) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(コルクボード5mm厚) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(白竹) | 0mm |
DCM 充電式タッカー T-GT36Vは、メーカー公式サイトで販売されています。公式サイトでの値段は、執筆時点で税込4,378円です。
なお、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど、ECサイトでも購入できます。取扱店舗によって値段や送料が異なるので、少しでもお得に入手したい人は購入前に比較しましょう。
初心者のうちは作業の前に練習するのがおすすめです。使わない厚みのある木材を使用して、底面全体を母材に押し当てる練習をしましょう。密着させる感覚を覚えてから作業すると、打ち損じを減らせるうえきれいに仕上げやすくなります。
最後に、長く使用しても疲れにくい商品や用途の幅が広い商品をご紹介します。
長時間作業するなら、髙儀 EARTH MAN DTK-37LiAがおすすめです。本体重量601gで、安定感と持ち上げやすさのバランスがよい重さ。トリガーを引くのに必要な力は平均2.72kgと軽い力で打ち込めて、疲れにくいのもポイントです。一度の充電で500回以上打てたので、充電切れの心配も少ないでしょう。
BLACK+DECKER GoPakタッカー・ネイラーは、様々な用途に使える商品です。打ち込み強度の調整機能があるうえ、対応している針の種類が豊富。コの字型は長さ6・8・10・12・14mmに、T型ネイルの12・15mmに対応しています。本体は重いものの、軽い力で打ち込めたのも魅力です。
稼動方式 | 電動 |
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本体重量(実測値) | 601g |
握力目安(実測値) | 2.72kg |
対応する針 | T型・コの字 |
対応ステープル幅 | 10〜12mm |
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対応ステープル長さ | 10〜12mm |
U型ネイル使用可能 | |
T型ネイル使用可能 | |
ハンドルグリップ付き | |
紙綴じ用の返し付き | |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(SPF 2×4材) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(ラワンベニヤ9mm厚) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(MDF板) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(コルクボード5mm厚) | 0mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(白竹) | 打ち込み不可 |
稼動方式 | 電動 |
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本体重量(実測値) | 1,736g |
握力目安(実測値) | 3.14kg |
対応する針 | T型・コの字 |
対応ステープル幅 | 12mm |
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対応ステープル長さ | 6~14mm |
U型ネイル使用可能 | |
T型ネイル使用可能 | |
ハンドルグリップ付き | |
紙綴じ用の返し付き | |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(SPF 2×4材) | 0.385mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(ラワンベニヤ9mm厚) | 0.062mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(MDF板) | 0.002mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(コルクボード5mm厚) | 0.095mm |
打ち込み強度の最大時と最小時の差(白竹) | 0.188mm |
GoPakタッカー・ネイラー BDCT12UBをレビュー!クチコミ・評判をもとに徹底検証
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