機能性とデザイン性の最高技術を満たして開発したと謳うドッキングステーション、CalDigit TS4(TS4-JP-AMZ)。「データの読み書き・通信速度が快適」「ポート配置がよく使いやすい」と評判です。一方、「外部ディスプレイ出力が最大2枚と少ない」といった口コミもあり、購入するか迷っている人もいるのではないでしょうか。
今回はその実力を確かめるため、以下の7つの観点で検証した結果をふまえたレビューをご紹介します。
さらに、各メーカーの新商品や売れ筋上位など人気のドッキングステーションとも比較。検証したからこそわかった、本当のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。ポイントや送料を考慮した価格比較も行いましたので、選びに迷っている人はぜひ参考にしてみてください。
筑波大学芸術専門学群卒業後、芸術制作で使用していたPCをはじめとする多くのデジタルデバイスやソフトウェアに関する知識を活かそうと大手家電量販店に入社。販売員としてPCだけでなくプリンター・ルーターなどPC周辺機器の販売や、インターネット・格安SIMなど通信サービスの提案など、PCに関する販売・契約を総合的に担当、自身の担当顧客に合ったPC環境を真摯に考え、販売ノルマや利益にとらわれず提案してきた。 その後2022年にマイベストへ入社し、PCや周辺機器の専門ガイドを担当。富士通やDellのような大手メーカー製PCだけでなく様々なデジタルデバイスに関する経験・知識を活かし、PCや周辺機器選びに困ったユーザーに寄り添う企画・記事制作を心がけている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
CalDigit TS4(TS4-JP-AMZ)は、ドッキングステーションがほしいすべての人におすすめです。PCと接続するホストポートは、前行機種のTS3 Plusよりも高出力な98Wに。ポート数は計18個と、比較したなかで最多数(※執筆時点)でした。電源供給用のポートは全部で8つあり、前面にあるUSB-Cは最大出力20Wとハイパワー。タブレット・PCなどで作業すると同時に、高速充電できます。
データ転送も非常にスピーディです。比較したなかには最大5Gbpsと低出力な商品もあったのに対し、USB-C×3・USB-A×5すべてが10Gbps。Thunderbolt 4を搭載し、最大40Gbpsのスピードにも対応できます。外付けSSD・HDDだけでなく、ハイエンドスマホのデータ転送もサクサク快適に処理できるでしょう。
実際に高負荷をかけても乱れず、動作はなめらかで安定しています。Micro SDカードスロットがあるため、Go proなどの写真データ保存も簡単ですよ。ただし「外部ディスプレイ出力が最大2枚」と口コミにあるとおりなので、1~2台で使いたい人向き。画質はシングルディスプレイ接続時で8K・デュアルディスプレイで4Kと優秀です。
使い勝手のよいポート配置も目を惹きました。比較した大半の商品がホストポートは前面にあるなか、こちらは背面に搭載。取り外しをほとんど行わないメインPCのケーブルなどを後ろに、頻繁に抜き差しするケーブルを前面に配置できます。ケーブルが散らばりにくいうえに、本体は縦横どちらでも設置可能。デスク周りをすっきり整えられます。
HDMIポートは非搭載ですが、別売りの専用アダプターを用意すれば使用可能です。総合的に見ても、拡張性・搭載ポートの仕様・ポートの配置まで、ほとんど欠点が見当たりません。高解像度でマルチディスプレイ環境を構築したい・デスク周りの見た目にもこだわりたいという人に、自信を持っておすすめできる商品です。
CalDigit TS4 (TS4-JP-AMZ)は、合計18ポートを備えた拡張性の高さが特徴のドッキングステーション。動画クリエイターやミュージシャンなど、デジタル機器を活用するパワーユーザーのニーズに応えた、同社のThunderbolt Stationシリーズのハイスペックモデルです。
販売元のCalDigit(カルデジット)は、アメリカ発祥のPC関連機器メーカー。2006年創業以来、ストレージ・ハブ・ドッグなど、プロ向けの製品を数多く開発しています。なかでもドッキングステーションの開発に注力しており、専門性の高いエンジニアリングチームを携えているのが自慢です。
CalDigit TS4は、前行機種・TS3 Plusから大きく進化しています。接続元のコンピューターへの出力が最大87Wから98Wへ。PC本体と外部機器との高速データ通信を行う規格も、Thunderbolt第3世代から最新の4へアップデートしています。
搭載するイーサーネットは次世代の2.5ギガビットに対応。TS3 Plusの1GbEより2.5倍高速で、オンラインゲームなどの高い安定性が期待できます。また、音声入出力はTS3 Plusが前面だけだったのに対し、TS4は前面・背面の両方に装備。固定のスピーカーは背面に、ヘッドセットは前面など使い勝手のよい配置を選べるでしょう。
また、USBのポート数が7から8個に増設。TS3 Plusは10Gbps・5Gbps構成だったのに対し、TS4はUSB-C×3・USB-A×5すべてが10Gbps(USB3.1 Gen2)、最大40Gbpsで出力できるのが特徴。どこに外付けSSDなどを接続しても、非常に速い速度で転送できるでしょう。
さらに前面と背面の一部のUSBポートはオフライン充電も可能。ホストPCの電源を落としていても、TS4が電源に繋がっていればタブレットやスマホなどに充電できますよ。
前面にあるUSB-CはPD(Power Delibery)に対応し、最大出力は20Wです。大きな電力が必要なタブレットなどのデバイスにも急速充電できるのが強み。充電器を用意する必要もありません。
外部ディスプレイ出力も、より高スペックに。TS3 Plusは、シングルディスプレイ接続時で5K 60Hz・デュアルディスプレイ接続時で4Kですが、TS4では、シングルディスプレイ接続時で8K・デュアルディスプレイ接続時で4K 60Hzに対応(※)。高画質・高解像度で、鮮明なディスプレイ環境を構築できます。
M1~M3 Pro・M1~M3 Max・IntelベースのMacは、最大2台のディスプレイ接続が可能。
Windows PCのThunderbolt 3・Thunderbolt 4は、最大2台のディスプレイ接続が可能。
なお、各ECサイトの価格は、TS3 Plusが3万円台なのに対し、TS4は5〜6万円台。TS4は高性能で汎用性が高いぶん高価ですが、これから進化していく映像編集技術のニーズにもマッチできるでしょう。なお、ディスプレイ構成もPCの種類によって異なるため、詳細は公式サイトで確認しておいてくださいね。
今回は、CalDigit TS4 (TS4-JP-AMZ)を含むドッキングステーション全11商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
全11種類のドッキングステーションを使用したところ、CalDigit TS4 (TS4-JP-AMZ)にはよい点が多数ありました。購入を検討している人はぜひ参考にしてみてください。
スマホやタブレット・パソコンを高速で充電したい人におすすめです。電源供給用のポートは全部で8つと、比較した商品のなかで最多でした(※執筆時点)。20WのType-Cポートを1つ・7.5WのType-Cポートを2つ・7.5WのType-Aポートを5つ装備。スマホはもちろんタブレットへも高速充電が可能です。
また、パソコンと接続するホストポートは、98Wの高出力に対応。比較したなかには60Wと低く、充電に時間がかかるものもあったのに対し、こちらは同時に複数の機器へ電力を供給できます。
ポート数が多いうえに高出力なので、作業しながら給電したり、複数のデバイスへ同時給電したりと、マルチに使えるのがメリット。新しい機材が増えていくパワーユーザーの、ポート不足の解消に役立つでしょう。
よりスピーディにデータを転送したい人にもぴったりです。特筆すべきは、Type-C×3・Type-A×5ポートすべてが、10Gbpsでのデータ転送に対応していること。Thunderbolt 4×3は最大40Gbpsに対応しており、サクサクと処理できる性能です。
比較したなかでもこれほど高速なデータ通信ができるものは、本品含めて2点程度(※執筆時点)。なかには最高でも5Gbpsが1つしかないものがあり、メインPCとワイヤレスイヤホンの充電くらいにしか使えないものもありました。
こちらは、外付けSSD・HDDだけでなく、ハイエンドスマホのデータ転送にも活用できます。汎用性が高く快適に使用できるでしょう。データ転送スピードにこだわりたい人は、ぜひ検討してみてください。
付加機能は非常に豊富で、作業できる範囲は比較したなかでも頭ひとつ抜けるほど充実しています。オーディオ用のポートはコンボジャック・Audio input・Audio outputの3つを搭載。音楽鑑賞や編集・WEB会議など、幅広い用途に使えます。
また、MicroSDカード・SDカードの両方に対応しているのも強み。比較したなかでもMicroSDカード専用スロットを搭載している商品はわずかでした。MicroSDカード専用スロットつきの本品であれば、Goproなどで撮影した動画をすぐに本体へ取り込んで編集できますよ。
さらに、LANポートが2.5ギガビットに対応しているのは本品のみ(※執筆時点)でした。大容量データを読み書きするオンラインゲームでも、通信の安定に大きく期待できます。家の回線が10G対応の人や、音楽・動画・写真を扱う人など、あらゆるニーズに応えられるでしょう。
使い勝手のよいポート配置で、デスク周りをすっきり見せられるのも大きな利点です。前面には、抜き差しする機会が多いUSB-C・SDカードスロットなどがまとめて配置されています。比較した大半の商品が前面にホストポートがあったなか、本品は背面にホストポートが配置されているのが特徴的です。
めったに抜き差ししないPCケーブルなどを背面に隠して配線できるため、邪魔に感じにくいでしょう。また、ホストポートのケーブルは外付けタイプなので、設置場所に合う長さのものを使用すれば、余ったケーブルが散らばる心配もありません。
本体は縦置き・横置きのどちらでも使用でき、横置き用の滑り止めも付属しています。ステーションがズレにくいため、ケーブルの抜き差しもスムーズに行いやすいでしょう。利便性の高さと、デスク周りの景観の美しさを兼ね備えられるアイテムです。
安定して映像を出力できたのも重要なポイント。PC・4Kモニター2台を接続し、高負荷なストレステストを行っても、映像が乱れることはありませんでした。
Webカメラ・外付けBlu-rayドライブ・外付けポータブルSSDを使用しても、動作は安定。比較した半数近くの商品にカクツキ・画面停止などのエラーが発生したなか、こちらはきれいな画面が30分間映し出されました。重い作業を行っても動作が安定しやすく、実用性も優秀といえます。
CalDigit TS4(TS4-JP-AMZ)には、気になった点もありました。購入を考えている人は、しっかりリサーチしておきましょう。
こちらはデュアルディスプレイで使いたいWindowsユーザー・M1〜M3のPro・Maxユーザー向きです。比較したなかにはWindowsなら4枚まで出力できる商品もあったのに対し、本品は最大2枚まで。「外部ディスプレイが最大2枚と少ない」と口コミにあるように、映像出力ポートの充実度はやや物足りません。
加えて、デュアルディスプレイで使えるのは、Windowsの場合はThunderbolt 3かThunderbolt 4、Macの場合はM1〜M3 Pro・M1~3 Max・IntelベースのMacのみです。また、Display Linkに非対応なのも惜しいところ。仮にDisplay Link対応であれば、MacのほかのモデルでもDisplay Linkのソフトをインストールすることでデュアルディスプレイでの使用が可能になりますが、本商品は不可能です。
一方で、接続ポートに最新のThunderbolt 4・DisplayPort 1.4を搭載している点は魅力。画質はシングルディスプレイで使用する場合8K・デュアルディスプレイで使用する場合4K 60Hzの高画質で出力できます。1本のケーブルでノートPCの充電・接続が可能なType-Cポートも3つ装備。HDMIポート以外の主要な端子は備えているため、拡張性は高いといえます。
HDMIのポートはありませんが、アダプターは正規・他メーカーでも販売があります。アクティブタイプのDisplayPort to HDMIアダプターまたは、USB-C to HDMIアダプターを使用してくださいね。
高負荷な作業が多いと発熱しやすい傾向がある点にも注意が必要です。最大限にPC・ドッキングステーションを稼働させた「動作の安定性」の検証後、サーモカメラで本体の温度を測定したところ、43.1℃まで上昇しました。
とはいえ、比較したほとんどの商品が45℃〜52℃の範囲で発熱し、本品よりも高温に。高負荷な作業環境下では多少温度が上がるものの、ある程度抑えられていたといえます。故障の懸念があるほどではなく、安定した動作が期待できるでしょう。
対応OS | macOS、Windows |
---|---|
ポート数 | 18個 |
良い
気になる
幅 | 42mm |
---|---|
奥行 | 113mm |
高さ | 141mm |
重量 | 640g |
インターフェース | DisplayPort(1.4)、ホストポート(90W)、Thunderbolt 4(40Gbps,13W)×2、USB Type-C(10Gbps,18W)、USB Type-C(10Gbps,7W)×2、USB Type-A(10Gbps,7W)×3、USB Type-A(10Gbps,2W)×2、LANポート(2.5GbE)、コンボジャック、インプット、アウトプット、SDカードスロット、microSDカードスロット |
有線LAN端子 | |
SDカードスロット付き | |
microSDカードスロット付き | |
電源ボタンあり | |
ホストポート配置 | 背面 |
ホストポートのケーブル交換可能 | |
すべり止め付き |
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ここでは、CalDigit TS4 (TS4-JP-AMZ)のデメリットをカバーする商品をご紹介します。購入を迷っている人は、比較して検討してみてくださいね。
Dell Thunderbolt ドッキング ステーションは、高負荷な作業を行ってもほとんど発熱しませんでした。HDMIやDisplayPortなどの映像出力用ポートが充実しており、最大4画面までの接続が可能です。デザインもスタイリッシュで、デスク周りをすっきりと保てます。
また、USB 3.0やThunderbolt 3など、データ転送用のポートも豊富に搭載。高速でのデータ転送が可能なスペックを備えているため、大容量のファイルを扱う場合でもストレスを感じにくいでしょう。ビジネスシーンでの使用にも十分に耐えうる、高性能な商品です。
2万円以下と手頃な価格で購入できる、Selore&S-GlobalのUSB C ドッキングステーションもおすすめです。HDMIによる映像出力やデータ転送用のポートも充実しています。ケーブルが邪魔になりにくいポートの配置で、デスク周りをすっきりと保てますよ。
縦置きと横置きの両方に対応しており、底面には滑り止めもついているため、安定して設置できるのもポイント。また、電源ボタンが前面にあるので、使用しないときは電源を切っておくことができ、省エネにも役立ちます。コストパフォーマンスのよい商品でしょう。
CalDigit TS4 (TS4-JP-AMZ)は、公式オンラインサイトのほか・Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなど大手ECショップで購入できます。
また、Apple公式サイトでも正規販売されており、税込価格62,800円(※執筆時点)です。Appleでは月額20,933円の3回払いも可能。購入の相談はチャットや電話対応しており、店舗で受け取りもできます。お近くの取扱店舗を検索してみてくださいね。
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