あらゆる教育資金に利用できると謳う、千葉銀行 スーパー教育ローン。口コミが少なく、審査の厳しさや返済しやすさといった評判がわからないため、利用を迷っている人も多いのでは?
今回は千葉銀行 スーパー教育ローンの実力を確かめるため、以下の3つの観点で検証を行いました。
金利の低さ
契約・利用時の利便性
返済のしやすさ
さらに、京都銀行の京銀教育ローンや横浜銀行教育ローンなどの教育ローンとも比較。検証したからこそわかった、本当のよい点・気になる点を詳しく解説します。審査で見られるポイントも伝授しているので、教育ローン選びに迷っている人は参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
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気になる
千葉銀行 スーパー教育ローンは、進学先を問わず高額借入が必要な人におすすめです。借入限度額は一括タイプで最大3,000万円と、比較したなかではトップクラス。医学系以外の学部だと高額借入はできない教育ローンがほとんどだったのに対し、学部を限定していない点が魅力です。
資金使途の広さも目を惹きます。比較したなかには学納金以外の用途には使えない教育ローンもある一方で、制服代・定期代・アパートの敷金・仕送りをはじめ教育に関するあらゆる費用に利用可能。社会人の自己啓発費用にも使えます。海外留学での生活費をはじめ、どの程度の費用が必要か定かではない場合でも心強いでしょう。
都度・一括借入のどちらを選んでも、低金利で借りられる点もメリットです。上限金利は年2.75%の変動金利ですが、Webで契約すると上限金利が年2.55%に。比較した教育ローンの上限金利の平均は年3.3%だったため、かなり低い設定だといえます。なお、同行の住宅ローン利用者は年2.35%と、さらに低金利で借りられますよ。
積極的に繰上返済をしたい人にもうってつけです。インターネットバンキングを使えば、繰上返済手数料は無料。好きなタイミングで繰上返済をして総返済額を下げられます。また、子どもの在学中は元金据置ができるため、ゆったりと返済できるのもうれしいポイントです。
利用条件は、千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県内の教育機関に子どもが進学・通学、もしくは保護者が住んでいること。利用できるのは関東圏の一部地域に限定されるので、関西圏の人には京都銀行の京銀教育ローンがよい候補になるでしょう。千葉銀行の営業エリアの人は、ぜひ検討してくださいね。
千葉銀行の教育スーパーローンは、都度借入(当座貸越方式)・一括借入(証書貸付方式)の2タイプを提供しています。使用使途が広く、社会人留学やMBA取得などにも利用可能。ちばぎんアプリのユーザーは、金利が割引になる場合もあります。
教育資金を借りる主な方法は、日本学生支援機構の奨学金・民間の教育ローン・国の教育ローンの3種類。検証したのは民間の教育ローンにあたります。奨学金や国のローンとの違いは、後半で解説するのでぜひ読み進めてくださいね。
今回は千葉銀行 スーパーローンを含む人気の教育ローンを調査して、比較検証を行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
金利の低さ
契約・利用時の利便性
返済のしやすさ
検証の結果、千葉銀行のスーパー教育ローンにはメリットが5つもありました。利用を検討している人は、最後までチェックしてくださいね。
都度・一括借入のどちらを選んでも、低金利で借りられます。2024年10月時点の金利は年2.75%の変動金利で設定されていますが、Web申込なら年2.55%に割引き。比較した教育ローンの上限金利の平均である年3.3%を大きく下回りました。
さらに、千葉銀行の住宅ローン利用者は上限金利が年2.35%に。すでに千葉銀行で住宅ローンを利用している人は積極的に検討しましょう。
割引を受けるためには、融資日の翌月末までに「ちばぎんアプリ」のダウンロードと口座登録が必要。銀行によってさまざまな金利優遇条件があるなか、アプリ登録+Web申込で割引を受けられるためハードルが低めです。誰でも低い金利で借りられる可能性がありますよ。
比較した教育ローンの半数以上の借入方法が一括借入のみなのに対し、都度・一括借入から選べる点もメリットです。授業料や家賃などの複数回にわたる借入が必要な場合は都度借入、入学料や受験料など一度だけの借入なら一括借入が向いています。
借入可限度は、比較したなかではトップクラス。都度お借入タイプ(当座貸越方式)は最大1,000万、一括お借入タイプ(証書貸付方式)は最大3,000万まで借入できます。
常陽銀行の常陽教育ローン学援生活も最大3,000万円まで借入可能ですが、医学部・歯学部・薬学部の場合という条件つきでした。対する千葉銀行のスーパー教育ローンは、進学先を問いません。医学系以外でも高額借入できる点が強みです。
比較したなかでは、借入額が最大300〜500万円の教育ローンも少なくありませんでした。しかし、高校入学~大学卒業までの教育資金の目安は、私立大学文系なら951.6万円・理系の場合は1,083.4万円(参照:日本政策金融公庫)です。
借入先を選ぶ際には、十分な資金を借りられるかどうかを確認しましょう。
資金使途の広さも魅力です。比較した教育ローンには私立中学・高校や海外留学などに対象が限定されているものや、大学へ納付する学納金のみが対象のものもありました。
一方、千葉銀行のスーパー教育ローンは、制服代・定期代・アパートの敷金・仕送り・自己啓発費用(証書貸付方式のみ)など教育に関するあらゆる費用に利用可能。審査申込日から3か月以内なら、支払い済みの資金に利用できるのもうれしいポイントです。
申込はWebで完結でき、利便性も十分。一部の銀行では必要な書類の郵送も不要です。
<契約・借入時の利便性についての検証結果>
なお、比較したほとんどの教育ローンと同様に、利用中の増額申請はできません。追加したい場合は都度お借入タイプ(当座貸越方式)を選ぶとよいでしょう。
一括借入タイプの借入上限が3,000万円と高く、私立医歯学系の大学の学費(参照:日本金融政策金庫)も補えるほどの上限額を借入できるのが特徴的です。
また、それだけの金額を借入できるため、海外留学での生活費をはじめ、どの程度の費用が必要かが不透明な場合でも限度額を超えることが少ないので、利用しやすいでしょう。
返済方式は、比較した多くの教育ローンと同じく元利均等返済です。
元利均等返済の特徴は、毎月の支払い額が一定なので、返済計画を立てやすいこと。毎月の支払額のうち元金が一定である「元金均等返済」よりも総返済額は多くなりますが、返済開始時点での負担を抑えられます。
あくまでもシミュレーションですが、300万円を返済期間6年(年利2.55%)で借り入れた場合の返済額は以下のとおりです。
<元利均等返済>※千葉銀行 スーパー教育ローンが採用
<元金均等返済>
その他、返済時に関わるサービスの検証結果は以下のとおりです。
<返済時に関わるサービス>
一括お借入タイプ(証書貸付方式)は、子どもの卒業まで元金の据え置き期間が設定可能です。在学中は利息の支払いのみでよいため、資金に余裕がない時期の負担を軽減できます。
卒業後の返済期間は最長10年。在学中の最長6年6か月と合わせると、最長借入期間は16年6か月以内です。比較したなかでは一括借入タイプの最長借入期間は10年という教育ローンも多かったことを思うと、ゆとりを持って返済できます。
返済方法は口座振替で、通常、繰上返済をする場合は手数料として5,500円かかります。しかし、インターネットバンキングでの一部繰上返済なら何度でも繰上返済手数料は無料です。好きなタイミングで繰上返済をして総返済額を下げられますよ。
千葉銀行のスーパー教育ローンではインターネットバンキングを利用することで借入・返済をWeb完結で行えます。
平日に銀行ATMを利用する時間が取れない人でも手軽に利用しやすいでしょう。
千葉銀行 スーパーローンには、気になる点が2つあります。地域によっては利用できないことがあるため注意しましょう。
千葉銀行のスーパー教育ローンは変動金利のみ。固定金利は選択できません。
固定金利のメリットは、将来的に市場金利が上昇しても返済額が変わらない点。一定期間ごとに金利が見直される変動金利に比べ、負担増のリスクがありません。その代わり、固定金利は変動金利よりも金利が高く、借入のハードルが上がります。
比較した教育ローンの多くが千葉銀行と同様に、変動金利のみを採用。しかし、なかには固定金利を選択できるものも。いずれも上限金利は変動金利タイプの平均金利より高く設定されていましたが、金利上昇の影響を受けたくないなら候補になるでしょう。
借入可能なエリアが限られる点にも注意しましょう。
千葉銀行のスーパー教育ローンを利用できるのは、千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県に在住している人に限られます。ただし、子どもが前述した地域にある教育機関に入学する・在学している場合は、全国から借入が可能です。
比較したなかにはみずほ銀行・楽天銀行・三菱UFJ銀行のように、全国が対象の教育ローンもありました。関東圏の一部地域に在住、もしくは子どもが通学しない場合は、ほかの教育ローンを検討してくださいね。
一括借入タイプ・変動金利 | 年2.80%(Web契約時) |
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一括借入タイプ・固定金利 | |
カードローンタイプ・変動金利 | 年2.80%(Web契約時) |
良い
気になる
借入タイプ | 一括借入タイプ、カードローンタイプ |
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金利タイプ | 変動金利 |
融資対象となる学生の条件 | 教育機関全般、大学生、高校生、専門学校生、中学生、小学生、幼稚園生、保育園生 |
資金使途 | 教育に関する一切の費用、他金融機関の既存教育ローンの借換資金・借換えに伴う諸費用、審査申込み日から3か月以内の支払い済みの資金 |
金利の引き下げ条件 | 住宅ローン利用中で年0.4%割引、WEB契約で年0.2%割引、マイナンバーカード・子育て家庭優待カード「チーパス」所持で年0.1%割引(窓口契約のみ)※「ちばぎんアプリ」に口座を登録している人のみ |
申し込み方法 | Web、電話、来店 |
借入方法 | 一括借入タイプ:指定口座に直接入金、カードローンタイプ:自社ATM、提携ATM、コンビニATM、インターネットバンキング、指定口座に直接入金、窓口 |
返済方法 | 口座振替 |
手数料が無料となるATMの種類 | 自社ATM、提携ATMで無料 |
繰上返済手数料 | 通常:5,500円、インターネットで一部繰上返済の手続きを行う場合:0円(一括借入タイプの場合) |
借入できる地域 | 千葉県・東京都・茨城県・埼玉県・神奈川県 ※子どもがこれらの地域にある教育機関に入学する、または在学している場合は全国で借入可能 |
返済方式 | 元利均等返済 |
100万円借入時の月の返済額 | |
パート・アルバイト申し込み可能 | |
医学部・航空系学校の借入金額増額可能 | |
団信の加入可能 | |
最長借入期間 | 16年6か月以内 |
元金の据え置き可能 | |
ボーナス返済可能 | |
担保・保証人不要 | |
借入できる年齢 | 満18歳〜完済時年齢満69歳以下の方 |
必要書類 | 身分証明書、収入確認資料、使途確認資料、保険証、住民票謄本 |
変動金利の見直し期間 | 6か月ごと |
土日の営業窓口 | 一部土日営業の店舗あり |
増額申請可能 | |
口座開設なしで申し込み可能 |
ここでは、千葉銀行 スーパー教育ローンとは異なる魅力を持つ教育ローンをご紹介します。
関西圏の人には、京都銀行の京銀教育ローンがよい候補になるでしょう。京都銀行の普通預金口座を持っていない場合、借入できるのは京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・滋賀県在住の人に限られます。
金利タイプは変動金利。子どもが22歳以下の場合の上限金利は年2.825%と、比較した教育ローンの上限金利の平均である年3.3%を下回りました。さらに、借入額が100万円以上の場合は、年2.125%まで下がります。
返済ペースを調整できるのも魅力です。5年間まで元金の据え置き期間を設定できるため、子どもの在学中は返済額を抑えたい人にもうってつけ。インターネットバンキングなら繰上返済手数料が無料で、ボーナス月の増額返済も可能です。
取り扱いは一括借入タイプのみ。複数回にわたって借入したい人には不向きですが、引き下げ後の金利の低さは魅力的です。京都・大阪近辺の人はぜひ検討しましょう。
横浜銀行教育ローンは、一括借入タイプ・カードローンタイプともに下限金利が低く設定されている点が魅力です。金利は変動金利で年0.90~3.05%。上限金利も比較したなかでの平均(3.3%)より低めですが、下限金利の低さはトップクラス。審査によってはかなり低い金利を期待できます。
カードローンタイプはコンビニATM手数料がかからないため、借入・返却が簡単。繰上返済の手数料も、インターネットバンキング経由なら無料です。また、カードローンタイプは在学中の元金据置もでき、返済しやすさが光りました。
利用可能なエリアは東京都・神奈川県・群馬県の一部に限られますが、審査次第で最も低い金利を狙える点は見逃せません。都心部在住なら、選択肢のひとつに入るでしょう。
千葉銀行 スーパー教育ローンのよくある質問への回答をまとめました。
仮審査から借入まで、すべての手続きがWebで完結します。Web申込の手順は以下のとおりです。
<Web申込の流れ>
①仮審査に申し込む仮審査に申し込む時点では、書類を提出する必要はありません。仮審査に通過すると、メールにて本審査の必要書類が案内されます。
<必要書類>
仮審査の結果は最短で即日にわかりますが、申込から融資までには2週間ほどかかるのが一般的です。提出書類が不足しているとさらに時間がかかることもあるので、時間に余裕を持って申し込みましょう。
本審査の結果は電話で連絡があり、営業時間内であればその日のうちに指定の日・指定の返済用口座に入金されます。
千葉銀行 スーパー教育ローンを申し込むためには、以下の①〜③の条件をすべて満たしている必要があります。
<申込資格>
申込可能な地域の条件は以下のとおりです。
<地域>
なお、審査の基準は公開されていないため、厳しさは一般的な民間の教育ローンと基本的に変わらないと考えておくとよいでしょう。
「審査が厳しいのかな…」と申込を迷っている人は、公式サイトの「10秒診断」を利用するのも手です。5つの質問に答えるだけで、借入が可能かの目安を簡単に診断できますよ。
公式サイトで、新規借入シミュレーション(返済額試算)が可能です。希望の借入額・借入期間・当初金利などを入力すると、毎月の返済額・総返済額に加え、借入にかかる諸経費も試算できます。
申込前に返済シミュレーションをして、無理なく返済できるかをしっかり確認しましょう。
教育ローンの審査で重要視されるのは、ローンの返済能力です。特に、以下の3つのポイントに気をつけましょう。
<審査で見られるポイント>
返済能力があることを証明するためには、一定以上の収入を継続して得ている必要があります。安定した継続収入があれば正社員でなくても申し込めるローンもありますが、千葉銀行のスーパー教育ローンはパート・アルバイト・年金収入のみの場合は申込ができません。
次に、クレジットヒストリーです。クレジットヒストリーとは、クレジットやローンの利用・返済状況を記録した信用情報のこと。クレジットカードやカードローンの返済や携帯電話の支払いを延滞すると一定期間記録が残り、審査では不利になります。CICという機関に情報開示の申請ができるので、ぜひ利用してみてくださいね。
3つ目は、他社からの借入件数や借入残高です。年収が多くても借入総額が多すぎると、そのぶん返済可能額は少ないと判断されます。返済可能額を増やすためには、いきなり収入を増やすよりも借入残高を減らすほうが現実的。できるだけ返済して借入残高を減らして、審査の通過率を高めましょう。
教育ローンの審査に落ちた場合は、ほかの選択肢を検討しましょう。民間の教育ローン以外にも、次のような制度を利用できる可能性があります。
<教育ローン以外の制度の例>
それぞれ、申込条件や借入可能額・返済期間などはさまざま。民間の教育ローンを借りられないときの代替案として、早めに各制度をリサーチしておくとよいでしょう。
国の教育ローン・民間の教育ローン・奨学金には、借入名義や世帯年収の上限を含めて以下のような違いがあります。それぞれの主な特徴をまとめました。
<国の教育ローン>
令和6年10月時点
<民間の教育ローン>
<奨学金(貸与型)>
1.給与所得者・4人世帯・大学進学予約採用の場合の目安
2.令和6年4月に貸与が終了した場合
国の教育ローンは低所得者を対象としているため、前年の世帯収入に上限があります。逆に、民間の教育ローンは安定した年収が求められる点が異なるポイントです。
また、日本学生支援機構の奨学金は有利子の第二種奨学金でも年1.1%(※2024年6月に貸与が終了した場合)と、3つのなかで最も低い金利が魅力。ただし、奨学金の借入名義は学生本人です。卒業後に返還するのも学生本人なので、子どもへの負担も考慮する必要があります。
なお、国の教育ローン・民間の教育ローン・奨学金は併用も可能です。例えば、教育ローンで入学前に必要なまとまった額を支払い、その後の仕送りは奨学金でまかなうといった使い分け方も。返済が長期にわたることも見据え、慎重に検討しましょう。
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