DIYアドバイザー・DIY工作アドバイザー・日曜大工士。乙種第4類危険物取扱者免状を取得しているほか、フォークリフト運転技能講習を修了。2023年まで、ホームセンターの資材館の販売員として電動工具・建築資材・農機具などの接客に従事。現在はマイベストにて、インパクトドライバーや丸ノコなどの電動工具を中心に徹底的に検証。メーカーや価格を問わず、ユーザーが「買ってよかった」と感じられるようなコンテンツ制作に日々努めている。
すべての検証は
マイベストが行っています
目次
良い
気になる
ANYCUBIC Photon Mono 2は、モデルどおりに仕上げたい人におすすめです。3DBenchyなど3つのモデルを出力したところ、いずれも細部まできれいに成型できていました。とくに尖塔の精度は高く、比較した約半数の商品が糸引きしたのに対し、こちらはメーカーが謳うとおり精細なディテールに。一層ずつ固める光造形方式を採用しており、層の跡も見えにくいですよ。
稼動音が静かなのも魅力です。本体から0.5mの位置で音を測定すると、40Hzまでの騒音値は43dBを記録。比較したほとんどの商品が50dBを上回りましたが、こちらは「動作音が静か」という口コミどおり非常に静かでした。睡眠中に稼動させても音はほとんど気にならないでしょう。とはいえ、脱臭機能はないので睡眠は別の部屋でとったほうがよさそうです。
使い勝手も良好。組み立てのパーツ数は3つのみと少なめで、プラットフォームを取りつけるだけで組み立てが完了しました。純正ソフトが一番使いやすかったものの、LycheeSlicer・CHITUBOXにも対応しています。「対応ソフトウェアが少ない」という口コミもありましたが、それほど不便ではないでしょう。
ただし、遠隔操作・遠隔監視機能はありません。高速機として話題となったAnker AnkerMake M5は遠隔操作ができて材料切れセンサーも搭載されていましたが、こちらは材料がなくなっても稼働し続けます。外出時には使いにくいでしょう。作業を中断したいときはワンタッチで停止できますが、復活機能もありません。
値段は執筆時点で3~4万円台と手頃。出力にはかなり時間がかかりますが、再現度が高く印刷を存分に楽しめるでしょう。タッチパネルにはイラストがあり、初心者でも扱いやすいですよ。もっと短時間で作業したい人は、出力が速い傾向があった熱溶解積層方式の商品も検討してみてくださいね。
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組み立ても設定も楽!初心者から上級者まで満足のベストバイ
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圧倒的な印刷スピード!初心者も使いやすい
そもそも家庭用3Dプリンターとは、層を重ねて立体物を成形できる商品です。用意した3Dモデルをスライサーと呼ばれる専用ソフトで層ごとに分割し、スライスしたファイルを3Dプリンターに読み込むことで出力が可能になります。近年は組み立て・設定などで使いやすさが向上して、初心者でも扱いやすくなっていますよ。
ANYCUBICは、2015年に設立した3Dプリンターのメーカーです。家庭用3Dプリンターは手頃な価格であるべきとして、誰でも手に入れやすい値段の3Dプリンターを中心に販売しています。
ANYCUBIC Photon Mono 2は、超高精度を謳う光造形方式の3Dプリンターです。解像度は4096×2560で6.6インチのLCDスクリーンを搭載しており、光線透過率は最大95%だとメーカーは説明。繊細な仕上がりで印刷できるとしています。
本体サイズは幅300×奥行480×高さ300mmで、重量は4kgです。
今回はANYCUBIC Photon Mono 2を含む、家庭用3Dプリンター全7商品を実際に用意して、比較検証レビューを行いました。
具体的な検証内容は以下のとおりです。
印刷にかかった時間は約258分と遅かったため、低評価に。時間に余裕をもって作業するのがよいでしょう。
比較したところ、熱溶解積層方式の商品は光造形方式よりも出力スピードが速く、なかには46分で印刷を終えたものもありました。対してこちらは出力が遅い傾向があった光造形方式を採用しており、高評価の基準とした90分を大きく超えています。
仕上がりは高評価を獲得。一層ずつ固める光造形方式のため層の跡が見えにくく、仕上がりのよさは比較したなかでもトップクラスです。船尾の文字の判読は難しいものの凹凸はあり、天板のトップラインも0.7度とほとんど水平でした。
サポートつきの球はサポートを外せる状態で、球の下部分もしっかり成形されています。オーバーハングテストモデルは15度の傾斜も垂れずに出力できており、糸引きや枝も見られません。円柱は5つのうち、2つを外せる精度です。
比較した約半数の商品がオーバーハングテストモデルの尖塔で糸引きが見られたのに対し、こちらはどのモデルもきれいな仕上がりです。メーカーが「微細なディテールを印刷できる」と謳うとおりの結果でした。
準備のしやすさは高評価です。組み立てのパーツ数は3つのみと少なめ。組み立ても非常に簡単で、造形面となるプラットフォームを取りつけるだけでした。なお、詳細は以下のとおりです。
比較したほとんどの商品は熱溶解積層方式でオートレベリング機能があり、放っておくだけでレベリングが完了しました。こちらはオートレベリング非対応ですが、光造形方式はレベリングの方法がほとんど同じなので難しくありません。初心者でもすぐに慣れるでしょう。
マグネットシートがあり、出力したモデルを剥がすのもスムーズです。
使い勝手のよさは高評価を獲得。パネルはイラストつきでわかりやすく、データの転送はUSBで行えます。比較したなかでは対応デバイスがPCのみの商品が多く、こちらも同様でした。なお、詳細は以下のとおりです。
「対応ソフトウェアが少ない」という口コミに反し、純正ソフト以外にLycheeSlicer・CHITUBOXが使えるのも利点。純正のものが一番使いやすかったものの、選択肢が多いのは魅力でしょう。
なお、スピーディに出力できて仕上がりもきれいだったAnkerMake M5は、細かく設定しないと純正スライサー以外はうまく動作しませんでした。
稼動音は非常に静か。睡眠中に出力を行っても音が気になりにくいでしょう。「動作音が静か」という口コミどおりの結果でした。詳しい検証結果は以下のとおりです。
比較した大半の商品が40Hz以下では50dBを上回りましたが、こちらは43dBと高評価の基準とした45dBを下回っています。昼間の戸建住宅地と変わらない静かさ(出典:環境省)のため、ほとんど音は気にならないでしょう。
なお、Creality Ender-3 V3 SEなど高速で出力できた商品は、とくに音が大きくなりやすい傾向がありました。
外出時に使うには懸念が残ります。遠隔操作機能や遠隔監視機能はなく、材料切れセンサーも非搭載でした。なお、詳細は以下のとおりです。
高速機として話題となったAnker AnkerMake M5は、専用アプリから遠隔操作ができるうえ材料切れセンサーも搭載で、外出中も使いやすいとして高評価を獲得しました。対してこちらは、いずれの機能もありません。材料がなくなったあとも稼働するため、作り直しの手間がかかります。稼働前に材料の確認をしておきましょう。
作業を中断したいときは、ワンタッチで停止が可能です。しかし、停電などで停止したあとの復活機能はありません。
比較したところ、ワンタッチでの停止はほとんどの商品が対応していました。こちらも停止するまでの工程数が少ないため、モデルの崩れなどに気づいたときでもすぐに対処しやすいですよ。
脱臭フィルター・フィルター以外の脱臭機能はありません。比較したほとんどの商品が脱臭フィルターや脱臭機能を備えておらず、こちらも同様でした。
レジン独特のにおいが気になりやすいため、稼動は換気を行える部屋で行うとよいでしょう。睡眠は別の部屋でとったほうがよさそうです。
出力形式 | 光造形方式(SLA) |
---|---|
組み立てのパーツ数 | 3つ |
テストモデルの印刷速度(実測値) | 258分 |
オートレベリング機能 |
良い
気になる
箱型で囲いあり | |
---|---|
対応モデル形式 | pm3n |
対応OS | Windows、macOS、Linux |
印刷可能な最大幅 | 143mm |
印刷可能な最大奥行 | 89mm |
印刷可能な最大高さ | 165mm |
最大印刷速度 | 0.014mm/s |
オートレベリングの測定地点の数 | |
対応デバイス | PC |
無線LANでのデータ転送対応 | |
USBでのデータ転送対応 | |
SDカードでのデータ転送対応 | |
対応フィラメント径 | |
対応する材料 | UVレジン |
停電復旧機能 | |
材料の自動補給機能 | |
ノズル径 | |
ノズル最高温度 | |
脱臭機能 | |
空気清浄用のフィルター付き | |
日本語対応の説明書あり | |
保証期間 | 1年間 |
タイムラプス動画撮影可能 | |
オートキャリブレーション対応 | |
Wi-Fi対応 | |
STL形式対応 | |
サポート内容 | 1年保証、生涯技術サポート |
本体幅 | 300mm |
本体奥行 | 480mm |
本体高さ | 300mm |
本体重量 | 4.0kg |
3DBenchy:船尾の「#3DBenchy」の文字が判読できるか | 凹凸はあるが文字は成形できていない |
3DBenchy:天板のトップラインの水平との差 | 0.7度 |
3DBenchy:船尾の穴に旗を立てられる | |
サポート付きの球:サポートを指で外せる | |
サポート付きの球:球の下部が正しく成形される | |
オーバーハングテストモデル:きれいに生成できているブリッジの数 | 4個 |
オーバーハングテストモデル:糸が引いていないか | |
オーバーハングテストモデル:枝ができていないか | |
オーバーハングテストモデル:サポートなしでブリッジが垂れずに成形できた角度 | 15度未満 |
オーバーハングテストモデル:円柱がいくつ外れるか | 2個 |
ANYCUBIC Photon Mono 2の取扱店舗は、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのECサイトです。値段は各サイトで異なるため、それぞれチェックしてみてくださいね。
最後に、印刷を素早く終えた商品をご紹介します。
CrealityのEnder-3 V3 SEは、手に入れやすい価格で選びたい人におすすめの商品です。プリントヘッドの押し出し方式はダイレクト式で、熱溶解積層方式を採用。出力スピードは52分と速く、短時間ながら仕上がりも良好でした。組み立ても簡単なので、初心者でも準備を行いやすいでしょう。
CrealityのK1 FDM 3Dプリンターは、箱型で囲いのあるものがよい人に向いています。熱溶解積層方式を採用し、出力スピードは46分と比較したなかでもトップクラスの速さ。仕上がりも糸や枝などは目立たず、きれいにモデルを再現できました。スライサーは純正ソフトのほか、4種類に対応しています。
出力形式 | 熱溶解積層方式(FFF) |
---|---|
組み立てのパーツ数 | 4つ |
テストモデルの印刷速度(実測値) | 52分 |
オートレベリング機能 |
良い
気になる
箱型で囲いあり | |
---|---|
対応モデル形式 | lyp |
対応OS | Windows、macOS、Linux |
印刷可能な最大幅 | 220mm |
印刷可能な最大奥行 | 220mm |
印刷可能な最大高さ | 250mm |
最大印刷速度 | 250mm/s |
オートレベリングの測定地点の数 | 16か所 |
対応デバイス | PC |
無線LANでのデータ転送対応 | |
USBでのデータ転送対応 | |
SDカードでのデータ転送対応 | |
対応フィラメント径 | Φ1.75mm |
対応する材料 | PLA、PETG、TPU |
停電復旧機能 | |
材料の自動補給機能 | |
ノズル径 | 0.4mm |
ノズル最高温度 | 260℃ |
脱臭機能 | |
空気清浄用のフィルター付き | |
日本語対応の説明書あり | |
保証期間 | 本体:1年間/メンテナンスパーツ類:14日間 |
タイムラプス動画撮影可能 | |
オートキャリブレーション対応 | |
Wi-Fi対応 | |
STL形式対応 | |
サポート内容 | |
本体幅 | 349mm |
本体奥行 | 364mm |
本体高さ | 490mm |
本体重量 | 7.1kg |
3DBenchy:船尾の「#3DBenchy」の文字が判読できるか | 判読不能だが文字のような凹凸がある |
3DBenchy:天板のトップラインの水平との差 | 0.6度 |
3DBenchy:船尾の穴に旗を立てられる | |
サポート付きの球:サポートを指で外せる | |
サポート付きの球:球の下部が正しく成形される | |
オーバーハングテストモデル:きれいに生成できているブリッジの数 | 5個 |
オーバーハングテストモデル:糸が引いていないか | |
オーバーハングテストモデル:枝ができていないか | |
オーバーハングテストモデル:サポートなしでブリッジが垂れずに成形できた角度 | 30度以上 |
オーバーハングテストモデル:円柱がいくつ外れるか | 4個 |
Creality Ender-3 V3 SEを徹底レビュー!実際に使ってわかったメリット・デメリットは?
出力形式 | 熱溶解積層方式(FFF) |
---|---|
組み立てのパーツ数 | 3つ |
テストモデルの印刷速度(実測値) | 46分 |
オートレベリング機能 |
良い
気になる
箱型で囲いあり | |
---|---|
対応モデル形式 | GCODE |
対応OS | Windows、macOS、Linux |
印刷可能な最大幅 | 220mm |
印刷可能な最大奥行 | 220mm |
印刷可能な最大高さ | 250mm |
最大印刷速度 | 600mm/s |
オートレベリングの測定地点の数 | 30か所 |
対応デバイス | PC |
無線LANでのデータ転送対応 | |
USBでのデータ転送対応 | |
SDカードでのデータ転送対応 | |
対応フィラメント径 | Φ1.75mm |
対応する材料 | PLA、PETG、PVB、TPU、ABS、ASA、PC |
停電復旧機能 | |
材料の自動補給機能 | |
ノズル径 | 0.4mm(0.6mm/0.8mmに対応) |
ノズル最高温度 | 300℃ |
脱臭機能 | |
空気清浄用のフィルター付き | |
日本語対応の説明書あり | |
保証期間 | 1年間 |
タイムラプス動画撮影可能 | |
オートキャリブレーション対応 | |
Wi-Fi対応 | |
STL形式対応 | |
サポート内容 | 1年間のメーカー保証、日本語取扱説明書の同梱 |
本体幅 | 355mm |
本体奥行 | 355mm |
本体高さ | 480mm |
本体重量 | 12.5kg |
3DBenchy:船尾の「#3DBenchy」の文字が判読できるか | 凹凸はあるが文字は成形できていない |
3DBenchy:天板のトップラインの水平との差 | 1.7度 |
3DBenchy:船尾の穴に旗を立てられる | |
サポート付きの球:サポートを指で外せる | |
サポート付きの球:球の下部が正しく成形される | |
オーバーハングテストモデル:きれいに生成できているブリッジの数 | 5個 |
オーバーハングテストモデル:糸が引いていないか | |
オーバーハングテストモデル:枝ができていないか | |
オーバーハングテストモデル:サポートなしでブリッジが垂れずに成形できた角度 | 30度以上 |
オーバーハングテストモデル:円柱がいくつ外れるか | 4個 |
Creality K1 FDM 3Dプリンターのレビュー!実際に使ってわかったメリット・デメリットは?
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