大野醤油醸造協業組合の大野紫は、淡白な味の食材に合う醤油をお探しの人におすすめです。実際に豆腐にかけて試食したところ、モニター7人中5人が「相性がよい」と回答。比較したほかの商品には醤油の塩味が強く、豆腐の味が薄れてしまうものもありましたが、本品は醤油の旨味がうまく絡まり、豆腐の甘味・クリーミーさが増しました。甘じょっぱい風味が魅力の甘口醤油で、単体での味わいは塩味・甘味・旨味とのバランスがとれています。後味はマイルドでしつこさがなく、専門家からは「王道の醤油」と好評でした。鼻を近づけると濃厚な香ばしさが広がり、香りからも食欲をそそられますよ。料理との相性もよく、大根の煮物に使うと醤油の味が染み込んで甘さを感じられました。今回は煮込み時間5分と短めだったこともあり、味付けの感じ方は好みがわかれましたが、素材の味が引き立っています。醤油の風味がほどよく残るため、だし巻き卵やお吸い物に使ってもよいでしょう。一方で、マグロの刺身との相性はいまひとつ。醤油・マグロともに味の主張が強く、それぞれのよさをあまり感じられません。魚の臭みもカバーできておらず、苦手とするモニターが半数以上いました。刺身のように味がしっかりした食材に使いたい人には不向きです。また本品は伝統的な製法で作られる限定品のため、100mLあたりの価格は500円台(※執筆時点)と比較した全商品のなかでも高め。贈り物には適していますが、普段使いにはあまり向いていません。上位商品にはよりおいしく、価格が手頃なものもあったので、気になる人はチェックしてみてください。
結論からいうと、カネヨ醤油のうすくちは、素材の味を活かして楽しみたい人におすすめです。醤油の味が強すぎないので、豆腐の甘味が引き立ちました。また、大根の煮物とも好相性。野菜本来の甘味を感じるやさしい味わいに仕上がります。醤油だけで味わったところ、塩気のあとから甘味が追いかけるバランスのよさが好評。濃すぎず、ほどよい甘さのため、食べやすさも高評価でした。食欲をそそられる、甘くてふんわりやさしい香りも支持を集めています。ただし、まぐろの刺身との相性はいまひとつ。醤油の味が負けてしまい、魚臭さが気になりました。しかし、さっぱりと食べられる点は魅力といえます。執筆時点の価格は、税込432円(公式サイト参照)。100mLあたり40円と安いため、心置きなく醤油を使いたい人にもよいでしょう。1,000mLと大容量のため、使用頻度が多い人にもぴったりですよ。
キッコーマン 特選 丸大豆しょうゆは、食材を問わず使いやすい醤油がほしい人におすすめです。素材との相性を食べ比べたところ、マグロの刺身は臭みが消え、豆腐は大豆の香りを楽しめ、煮物では大根の甘さを引き出しました。比較したほかの商品には素材の味を消してしまうものがあったなか、各食材の魅力を楽しめたのがよい点です。醬油単体のおいしさも、比較した同じ濃口醤油のなかでは高評価。試食に参加した調味料ソムリエプロは「塩味は強いが、甘味がありクセもない」とコメントしています。モニターからも口コミ同様「イヤな味がしない」「雑味がなく丸大豆特有のやわらかさがある」と好印象で、謳い文どおりの味わいでした。香りは慣れ親しんだ醤油らしいにおいですが、人によって評価が分かれました。モニターのなかには「発酵させたような独特な香りが気になる」という意見も。口コミでは「香りがよい」との声がありましたが、感じ方に差がでる印象です。丸大豆の旨味や風味などが楽しめ、オールマイティに使えるのが魅力の本商品。とくにマグロの刺身のおいしさを際立たせていたので、海鮮をよく食べる人に重宝します。ただ上位商品にはだしや牡蠣の風味で素材の味がよりアップしたものもあったので、そちらもあわせてチェックしてみてください。
フンドーキン ゴールデン紫あまくちは、醤油だけでおいしく煮物を作りたい人におすすめ。九州らしい甘じょっぱさが持ち味です。実際に大根を煮ると、素材の旨味を引き出しつつ、砂糖やみりんを入れたような本格的な味わいに。味の薄さが気になる商品が多いなか、専門家は「これ1本で煮物が完成」とコメントしました。香りは、大豆の香ばしさとともにやさしい甘さが漂います。比較したほかの甘口の商品には醤油らしくない香りと指摘されるものがあるなか、専門家からは「おいしそうな香りがする」と好評でした。そのまま舐めると芳醇さと上品な甘味を感じる、奥行きのある味わいです。「甘味が強い」「旨味やコクがない」という口コミと同様の意見がモニターからも挙がったものの、5人中3人がおいしさに満足と回答。塩気よりも甘味が強いぶん、砂糖醤油味が好きな人にはうってつけですよ。ただし、マグロの刺身につけたところ、魚の臭みを強く感じました。豆腐も素材の味を感じにくく、スイーツ風になります。万能な醤油がほしい人は、ほかの商品もチェックしてみてください。
フンドーキン 吉野杉樽天然醸造醤油は、青魚に合う醤油を探している人におすすめです。実際に試食したところ、とくに刺身との相性がよく、魚の臭みを消しつつマグロの旨味をしっかり感じられました。比較したほかの商品には、醤油の味が勝って刺身の味が消えてしまうものがあったなか、「刺身と合う」との口コミどおりといえます。本商品は吉野杉の木樽でじっくり発酵・熟成された、大分県産の濃口醤油。豆腐にかけても食材の味を消すことなく、醤油の旨味がマッチしました。試食したモニターからは「豆腐の甘味がアップした」という声も。「素材の味を引き立てる」との口コミにも頷ける結果です。しかし、煮物との相性はまずまず。調味料ソムリエプロのMICHIKOさんは、「味が濃く大根の味がほとんど感じられない」とコメント。反対に、「醤油の味が薄く大根の苦味が強い」と回答したモニターもいました。煮物に使う場合は、好みに合わせて煮込む時間や醤油の量を調節する必要がありそうです。醬油をそのままなめると、塩味・甘味・旨味のバランスがとれたまろやかな味わいでした。ただ調味料ソムリエプロからは「味が濃すぎる」との意見もあったので、好みが分かれるかもしれません。比較したほかの濃口醤油には塩味が強いものもあったなか、「塩気が強い」という口コミのような意見はありません。香りを嗅ぐと、甘味のある熟成した醤油の風味をしっかり感じました。きのこを焼いているような独特な風味も印象的です。とはいえ、比較したなかには鰹節や鯛など定番の香りの商品も。万人受けしやすい香りを求める人は、ほかの商品もチェックしてみてください。