おおたけ コンパクト冷風扇 MAR-122は、冷風扇を選ぶうえで最も重要な冷房効果がいまひとつでした。実際に室温30℃・湿度60%の環境で30分使用すると、温度は0.05℃の低下にとどまる結果に。比較したなかに空間全体を涼しくできたものはほとんどありませんでしたが、本品も「部屋の温度は全然下がらない」との口コミどおりでした。加えて湿度は11%上昇して71%に達し、環境省が発する暑さ指数の「厳重警戒」レベルに。上位のアイリスオーヤマや山善の商品でも6~11%ほどの湿度上昇が見られたため、冷風扇を使う際はどんな商品でも換気が必須といえます。体表温度の変化もほぼなかったものの、エアコンのような冷風が出るため、体感では涼めました。比較した結果、涼しく感じた商品の共通点は、保冷剤つきの床置きタイプ。こちらも床置きタイプで4個の保冷剤が付属します。「ジメジメする」との口コミ同様の感覚はあったものの、エアコンの風が苦手な人であれば選択肢の1つになり得るでしょう。機能面は良好で、タイマーは1~12時間と長めに設定可能。比較したほとんどの商品がタイマー非搭載か、4~8時間ほどと短めだったなか、12時間まで設定できたのは本品と同社の「MAR-123」の2商品のみ(※執筆時点)でした。リモコン付属で首振り機能も搭載しているので、就寝中や複数人で使うのには重宝します。タンクは5Lと大容量で、比較した3L程度の商品より水補充の頻度が少なく済みます。ただし、タンクの取り外しは不可。水を入れる際には、別の容器に汲んでから移し替える必要がありました。水を使う冷風扇はカビや菌が増殖しやすいので、手入れもこまめに行ってくださいね。総合的に見て、機能面はよいので寝室で涼みたい人には便利なアイテムといえます。しかし、肝心の涼しさが物足りません。どの商品を選んでも湿度対策は必須ですが、上位にはよりしっかりと涼めて給水の手間も少ないものがありました。冷風扇をお探しの人は、ぜひそちらをチェックしてみてください。
結論からいうと、アイリスオーヤマ 冷風扇マイコン式 KCTF02Mは、冷たい風を体全体にたっぷり浴びたい人におすすめです。付属の保冷材を使って稼働させてみたところ、上半身・下半身ともに体表温度が低下し、涼しさは今回比較した全商品のなかでもトップクラスでした。冷風扇の構造上、室内の温度・湿度は上昇する傾向にありますが、KCTF02Mはほかの商品より上昇率が少なかったのも利点です。とはいえ湿度は7.5%アップし、暑さ指数はほかの商品と同じく厳重警戒レベルに到達。こまめに換気するなど工夫すると、より快適に使えるでしょう。タンク容量は、頻繁に給水する必要がない大容量の約5.5L。ロック付きで密封できるため、移動時に水がこぼれにくいのもうれしいポイントです。また、3つの運転モードや首振り・オフタイマーなど機能も充実。操作パネルとリモコンはシンプルなので、どちらも直感的に扱えますよ。また、1日5時間・1か月使用したときの電気代は200円台と、毎日使ってもそれほど気にならないレベル。換気の必要はありますが、ひんやり涼しい風を楽しみたいなら、ぜひ検討してみてください。
結論からいうと、山善の冷風扇 FCR-BWG401は、スポット的に強力な風に当たりたいときにおすすめです。50cm離れた場所で風量を計測してみると、5.3m/sと比較的強くパワフルな風を感じられました。一方で、冷却力をあまり体感できなかったのは惜しいところ。30分たっても風が当たっている箇所の温度は変わらず、湿度も約10%上がってしまいました。カラッとした強風が吹くのは魅力ですが、真夏の蒸し暑い日にはエアコンと併用したり湿度を下げる工夫が必要です。機能面では、首振り・オフタイマー・5段階の風量切り替えなどが搭載されていました。オフタイマーは1時間刻みで8時間まで幅広く設定でき、送風運転にすると扇風機としても使えるのもメリットです。お手入れについては、パーツは多いものの比較的簡単に済ませられますよ。電気代がリーズナブルで、長時間使いやすいのも利点です。1か月間・毎日5時間使用しても、電気代は100円台でした。価格は執筆時点で税込16,800円(公式サイト参照)。冷却力はいまひとつですが、扇風機感覚で使いたい人は検討してみてくださいね。
テクノス リモコン冷風扇風機 TCW-020は使い勝手はよいものの、肝心の涼しさが物足りない商品です。温度30℃・湿度60%の環境で30分間使用すると、温度は0.43℃・湿度は6.5%上昇。「温度にほぼ変化はない」との口コミどおり涼しくなりませんでした。ただし、比較したほかの冷風扇も温度・湿度ともに上がりやすかったため、使用時の換気は必須です。数値上では比較したほかの商品と大きな差がなかったものの、吹き出し口が狭く体感的にも涼しさを感じにくいのが惜しいところ。「まったく冷風が出てこない」との口コミに反し、左下部分からは冷たい風が出ますが、体表温度は足元が0.9℃低下しただけでした。アイリスオーヤマのKCTF02MW・山善のFCR-G403は全体的に体表温度が下がっており、暑さ対策としては力不足といえます。使い勝手はよく、遠隔操作が可能なリモコンが付属。本体・リモコンともに操作ボタンは絵と文字が書かれており、直感的に操作できます。使わないときは本体上部にリモコンを収納でき、紛失する心配も少ないですよ。小さめながら、保冷剤も2個付属しています。首振り機能を搭載しているのも利点。比較したほかの商品には首振りできないものもあったなか、こちらは複数人で使ったり、一部だけ冷えすぎるのを防止したりと便利に使えます。タンク容量3.5Lと少なすぎず、タイマー機能も搭載しているので、就寝時にも使いやすいでしょう。タンクとフィルターは取り外して丸洗いでき、衛生的に保てます。ECサイトの値段は執筆時点で1万円弱。比較したなかでは中価格帯です。しかし、予算を大幅に上げなくても、比較したなかには体感的に涼しさを感じやすい商品がありました。カラッと暑い日に涼しさを感じたいなら、ほかの商品を検討してみてください。
C:NET 水冷風扇 CRA106WHは、冷風機能を長時間使える商品をお探しの人におすすめです。5.0Lの大型タンクを採用しており、最長10時間持ちます。朝まで冷風機能が使えるので、暑くて寝苦しい夜にもうってつけですよ。実際に商品を使用した結果、稼働から30分でモニターの体表温度が少し下がりました。気化熱を利用する特性上、湿度は大幅に上昇しますが、カラッと暑い日は風が触れる部分がひんやりして快適です。専用保冷剤が2個同梱しており、昼間に長時間使うときは、交換しながら使い続けられます。調整機能が充実しているのもポイントです。3段階での風量調節に加え、リズムモード・徐々にやさしい風になるスリープモードがあり、シーンに合わせて設定できます。左右のスイングもできるので、家族で使うときも風が当たりやすいですよ。水がこぼれないようにタンクにフタを付ける、リモコンは絵と文字の両方で記載するなど、細かな配慮も見られました。切タイマーも最長7時間までと長めに設定できるので、機能性も涼しさも重視したい人は、ぜひ検討してみてください。
シロカのなごみ 加湿つき温冷風扇 SH-C252は、夏だけでなく秋口から冬にかけても利用したい人におすすめです。検証では、部屋全体の温度を下げることはできませんでしたが、扇風機よりも涼しい風を感じられました。サーモカメラの画像でも、風が当たっている部分は温度が下がっています。また、手入れのしやすさや操作性も問題なし。広い範囲に風を送れるので、複数人での使用も満足できるでしょう。ただし、冷風で使っていると湿度も上がってしまい、蒸し蒸し感じる可能性があります。涼しさを第一に考える人は、ほかの商品も検討してみてくださいね。