SONY UBP-X800M2を徹底レビュー！実際に使ってわかったメリット・デメリットは？

高速起動モードを搭載しており、動作はスピーディです。実際に高速起動モードに設定してみると、リモコンで電源を入れてからテレビ画面にメニューが表示されるまでの時間はわずか0秒。比較したなかには起動時間が7.9秒かかる商品もありましたが、スムーズな立ち上がりを実感できました。

ディスクを入れてからテレビ画面にチャプターが再生されるまでの時間も、平均20.78秒とさほど待たされる感覚はありませんでした。本品は見たいと思ったときすぐに使えるので快適に視聴できるでしょう。

リモコンの使いやすさは比較したなかでもトップクラスです。30代以上の男女5人のモニターがボタンのわかりやすさ・押しやすさ・反応のスムーズさをチェックしたところ、いずれの点でも高い評価を得られました。

モニターからは「絵や文字のガイドがありわかりやすい」「軽い押し心地ながらカチッと押した感があって押し間違えにくい」など好意的な意見が多数挙がりました。再生・一時停止などのボタンがまとまっており、適度に間隔が空いているため操作しやすいのも利点。初見でも直感的に操作できます。

コメントは一部抜粋

思いどおりのシーンを探しやすい機能が備わっているのもうれしいポイント。早送りと巻き戻しはそれぞれ3段階の速度が選べ、スキップ機能も搭載しています。音声つきの再生速度調整や字幕移動、字幕の輝度調節には対応していませんが、基本的な機能は十分に備わっているでしょう。

比較したほかのSONY製品と同じスペックなので、再生時の機能の豊富さという点ではシリーズ内で遜色のない仕上がりだといえます。自分の見たいシーンをピンポイントで見つけやすいのが魅力です。

1. 早送り｜3段階
2. 巻き戻し｜3段階
3. 音声つきで再生速度の調整｜×
4. スキップ機能｜◯
5. 字幕移動｜×
6. 字幕の輝度調節｜×

テレビ本体の操作性も申し分ありません。付属のリモコンにはテレビの電源ボタンと音量ボタンがついており、日本のテレビだけでなく海外メーカーのLGテレビも操作できました。比較したなかで、海外メーカーのテレビにも対応しているプレーヤーは少なかったため、この点は大きな魅力です。

Wi-Fi機能を本体に内蔵し、リモコンにはNetflixボタンもついています。Prime VideoやYouTubeなどの動画配信サービスも利用可能なので、動画配信サービスをよく使う人にもおすすめです。

ブルーレイ映画の画質は優秀です。ノイズが気にならず、髪のつやや肌の質感などの細部まで再現できていました。画質をチェックしたオーディオ・ビジュアルの専門家である折原一也さんは「人肌がつるりとしたよう質感でザラつきを抑えられている。発色もかなり鮮やか」とコメントしています。

映画好きの男女モニター5人からも「コントラストが高く立体感がある」との声が多数寄せられました。比較したなかには髪や服がぼやけて見える商品もあったのに対し、くっきりとリアルな質感が伝わってくる画質です。臨場感のある視聴体験を求める人にうってつけでしょう。

＜ブルーレイ映画再生時の画質についてのモニターコメント＞

1. 「髪の毛のなめらかさや、肌の質感をしっかりと表現できていた。アップになったときの模様も鮮明。全体的に立体感があった」
2. 「色味がとても自然でパッと目になじむ感じがよかった。明るい部分と暗い部分それぞれをしっかりと表現しているので、画面に立体感が出ていてよい。明暗がはっきりしているおかげでよりくっきりと見えた」
3. 「きれいに夕日を反射して髪のつや感などがリアルに伝わるが、シワや鼻の輪郭などがぼやけて見えなくなっているのが気になる。遠いものはほどよくぼやけていて、立体感や奥行きを感じた」

コメントは一部抜粋

アニメの画質も申し分なく、とくに色の再現性に秀でていました。専門家からは「色の深みが伸びやかで、とくにグリーンがハッとするほどきれい」と絶賛する声があがっています。画面全体のコントラストが強めなので、「遠近感がうまく出ている」とのコメントも寄せられました。

モニターからも「とても自然に発色している」と満足する声が多数。比較したなかには線が途切れたりぼやけたりする商品もあったのに対し、線の出方もなめらかで違和感がありません。お気に入りのアニメ作品を細部まで色調豊かに楽しめるでしょう。

＜ブルーレイアニメ再生時の画質についてのモニターコメント＞

1. 「近くで見たときもしっかりと表現されていてよい。線の太さがギザギザではなく全体的に線がなめらかに動いているので、ジャギーはなくきれいだった」
2. 「とても自然に発色している。鮮やかすぎず薄すぎないので、チカチカとすることもなかった。アニメに集中することができた」
3. 「画面全体を見ると人物の肌や髪色に大きな違和感がなかった」
4. 「ギザギザとした線のブレなどは見えず、基準より濃くはっきりしているような気がした。不自然に途切れている線など気になることはなかった」

コメントは一部抜粋

DVDの再生画質もおおむね良好です。ブルーレイ視聴時と比べると若干ノイズが気になったものの、全体的な解像感は保たれていました。モニターからも「くっきり感があって見やすく感じた」「ぼやけ自体はあるものの、そこまで気にならなかった」とプラスのコメントが寄せられています。

発色も自然に表現されており、臨場感が伝わりました。モニターからも「人物の肌色や衣装、ライティングの色味に大きな違和感はなかった」とおおむね好評。比較したほとんどの商品でDVDの再生画質は多少のブレや粗い箇所があったなか、十分健闘した結果といえます。

＜DVD再生時の画質についてのモニターコメント＞

1. 「ノイズが少ないので、顔がしっかりと見えてストレスはなかった。立体感があるので、臨場感も出ている。ぼやけ自体はあるものの、そこまで気にならなかった」
2. 「ノイズが弱めで、くっきり感があって見やすく感じたので満足」
3. 「しっかりと明暗の差があるので、映像全体が見やすく感じた」
4. 「動きがあると大きなブロック状のノイズが発生して、目元などのパーツや髪の輪郭がクリアに感じられない。肌や髪質などが捉えにくかったが、立体感があったのはよかった」

コメントは一部抜粋

対応フォーマットも充実しています。比較した同メーカーのリージョンフリー BD/DVDプレーヤーは、4KやUltra HDブルーレイ規格には非対応。対して、本品は4K・Ultra HDブルーレイ規格どちらにも対応しているため、より鮮やかな映像を楽しみたい人にもおすすめです。

すべてのブルーレイディスク・DVD・CD・USBメモリにも対応しており、さまざまな形式の動画や音楽ファイルを再生できる点も魅力です。購入してから「再生できなかった...」といった事態が起こりにくいのはうれしいですね。

1. ブルーレイ｜BD-R/BD-R DLとBD-RE/BD-RE DL
2. DVD｜DVD-R/DVD+R/DVD-R DL/DVD+R DLとDVD-RW/DVD+RW/DVD-RAM
3. CD｜CD-R、CD-RW

「出力端子が少ない」との口コミに反し、接続端子も豊富です。比較した半数ほどの商品には見られなかった、同軸デジタル音声出力端子を備えているのが特徴。加えて、LAN端子やUSB端子も搭載しており、サウンドバーなどの外部機器との接続が可能です。

光デジタル音声出力端子は搭載していないものの、HDMI端子は映像/音声出力用と音声出力用の2つが用意されています。柔軟な接続が可能なので、ネットワークやサウンド機器と接続することで楽しみ方が広がるでしょう。

1. 同軸デジタル音声出力｜◯
2. LAN端子｜◯
3. 光デジタル音声出力｜×
4. USB端子｜◯

音楽フォーマットはFLAC・WAV/PCMに加えて、DSD・AIFF・ALACにも対応しています。比較した同社のBDP-S1500はハイレゾ音源に非対応でしたが、本品は幅広い音楽フォーマットをカバーしています。ただし、ハイレゾ音質を楽しむにはハイレゾ対応のアンプとスピーカー・サウンドバー、またはハイレゾ対応のテレビとHDMIケーブル（別売）での接続が必要です。

また、ハイレゾ対応オーディオ伝送技術 LDACに対応しているのも特徴。LDAC対応のBluetoothヘッドホン・ワイヤレススピーカーと組み合わせても使えます。

比較したなかにはACプラグが大きくコンセントに挿しにくい商品もあったのに対し、電源コードは通常のプラグなので挿しやすいのがポイント。ほかの電源プラグと干渉する心配がないため、テレビ周りにコンセントが多い家でも使いやすいでしょう。

一方で、本体サイズは幅43×高さ5×奥行き26.5cmとコンパクトとはいえません。全機種のなかでも横幅が最も広く高さもあるため、設置場所は大きなテレビ台などが必要になります。テレビ台の大きさと、設置するコンセントの位置を確認してから購入を検討するとよいでしょう。

総じて欠点の少ない商品ですが、公式サイトでの価格は税込66,000円（※執筆時点）と高級なのがネック。比較したほかの商品が1～4万円程度だったなか、多少高くても優れた画質と音質を求める人向きのアイテムといえます。

また、購入を検討する際は、自宅の視聴環境をしっかり把握しておくことも大切。4K対応テレビを持っていない場合は、オーバースペックになってしまいます。自宅のテレビが4Kに対応しているか、見たいブルーレイディスクが24P映像に対応しているかなど、本商品の機能を活かせるかチェックしましょう。