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売切れ前に買ってほしい! ソニー「着るクーラーPRO」が今度こそ猛暑通勤の救世主といえた理由

売切れ前に買ってほしい! ソニー「着るクーラーPRO」が今度こそ猛暑通勤の救世主といえた理由

猛暑化が止まらない近年の夏。2025年も確実にヤバそうな夏がはじまりました。もはや逃れることのできない暑さに対して、近年、暑さ対策グッズが進化も止まりません。ハンディファンをはじめ、ネッククーラー、空調服、水冷服など電気を使う暑さ対策ガジェットも続々登場中。


でも本当に涼しいのか。値段は高いけど、買うほどの効果はあるのか。買ってがっかりはないのか……気になりますよね?


7月のマイベマガジンではそんな「進化系暑さ対策グッズ」を集めて、集中レビューしていきます!


初回は、新モデルが発売されたら即売り切れてきたソニーの「着るクーラー」の最新モデル


冷却面積も吸熱性能も駆動時間も2倍になって評判も上々。他のグッズに比べて目立たないから通勤に便利そう。でも、本当に涼しくなるの?2.7万円という値段にそぐう機能なの?


そんな疑問を、第1世代から使い続けた担当が、1ヶ月間通勤に使ってわかった今度こそ暑がりの救世主といえた理由を紹介します!


本コンテンツの情報は公開時点(2025年7月17日)のマイベストの情報をもとに執筆しております。また、本コンテンツ内の価格情報はすべて税込みで表記しております。
2025.07.17
浅沼伊織|マイベストCCO
ガイド

2012年に雑誌や書籍の出版を行う晋遊舎に入社。2019年にテストするモノ批評誌『MONOQLO』編集長、2020年にホンモノがわかる家電情報誌『家電批評』編集長に就任。 2021年5月よりマイベストに入社。コンテンツ制作部長を経て、新規に創設されたクオリティーコントロール部長に就任。様々なジャンルの企画書作成からコンテンツ編集までを取り仕切る。

浅沼伊織|マイベストCCOのプロフィール
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「着るクーラー!? 未来じゃん!」 そう思って、試して、がっかりして、はや6年……。

そもそもはソニー社内の新規事業創出プログラムから生まれたREON POCKET

そもそもはソニー社内の新規事業創出プログラムから生まれたREON POCKET
出典:prtimes.jp

「あちぃ!あちぃ!あちぃ!」そんな日本の夏を救うために、今から遡ること5年前、ソニー社内の新規事業創出プログラム「SSAP(Sony Startup Acceleration Program)」から登場したのが初代「REON POCKET」


今はなきソニーのクラウドファンディングサイト「First Flight」(〜2020年3月31日)で「着るクーラー」として募集を開始すると公開後1週間で6600万円を達成。その後2020年7月に一般発売が開始されました。

今や当たり前になった「ペルチェ素子で冷やす」は当時は斬新!

今や当たり前になった「ペルチェ素子で冷やす」は当時は斬新!
出典:sony.jp

本連載でもレビューしていく予定の「ペルチェベスト」や「ペルチェ付きハンディファン」、他にもスマホ冷却用クーラーなど、今や当たり前になったペルチェ素子


簡単にいえば、電流を流すことによって片面を吸熱(冷却)、もう一方を発熱(加熱)する半導体のこと


PCのCPUの冷却などに使われてきましたが、その技術をウェアラブルな人向けの冷却デバイスとしてREON POCKETに採用されました。


当時、僕はモノ雑誌の副編集長をしていましたが、「え!? 着るクーラー!? 目立ちにくいし、未来じゃん!」と興奮したのを覚えています。

ただし、毎日通勤で使うには正直微妙でした

ただし、毎日通勤で使うには正直微妙でした

が……即購入して使ってみると「うーん、背中がほんのりひんやりするけど、着るクーラーは言い過ぎ。電車内では良いけど、外では弱い。毎日装着するほどのメリットは感じない」というのが正直な感想。


接着面積が狭く、背中の上の方の一部が冷やされるだけなのでちょい冷え気持ち良いガジェットという感じ。パワーも弱めだったので、レビューして速攻に押入れ行きになりました。


また、現行モデルではネックバンドがセットになって販売されてますが、初代は本体を装着できるシャツと併用がベース(後にネックバンドが発売)。わざわざ平日の日数分購入or都度洗濯するほどの価値があるかというと…不便さが勝りました。

発売すればすぐ完売!気がつけば6世代目まできたけれど、正直あきらめていたREONという商品

発売すればすぐ完売!気がつけば6世代目まできたけれど、正直あきらめていたREONという商品

ただ、そこはさすがSONY。初代発売の2020年から毎年アップデートを加え、2024年にREON POCKETは5に。そこにくわえて2025年はナンバリングでなくPROを発売。実質6世代目まで進化しました。


5は前モデル比で吸熱性能が最大約1.5倍。駆動時間も最大冷却レベルで約4時間と約1.8倍に進化。4月の発売後すぐに品薄になり、インフルエンサーの紹介で更に人気に。結果、発売から2ヶ月後の6月には販売終了に。4もあっという間に売り切れたので、灼熱の現代社会を生き抜くためSSRアイテム「着るクーラー」みたいな存在です。


昨年の5発売後すぐに使ってみたのですが、感想は「確かに冷たさはアップして過去最高に使える感じが出てるけど、炎天下ではまだ弱いな…。あと充電や装着面倒だな」と、1週間で使用取りやめになりました。

冷却面積、吸熱性能、駆動時間、すべてを約2倍にしたのが「PRO」です

冷却面積、吸熱性能、駆動時間、すべてを約2倍にしたのが「PRO」です
SONY
REON POCKET PRO
RNPK-P1
販売価格:2万7500円

そんな毎回期待しては振られ続ける悲しい気持ちが通じたのか、今までの悩みを力技で解決したのが今回の「PRO」です。


なんと今回は、冷却面積を物理的に「約2倍」です。さらに吸熱性能も駆動時間も約2倍。うるさい意見はパワーで解決。だから「PRO」。さすが世界のSONY。


さらにREON POCKETユーザーあるあるの「取り付け難しすぎ!」問題にもワイヤーフレームとフレキシブルチューブの組み合わせで対処。ドバイでも発売を開始するなど、圧倒的な自信が感じられます。


ただし、値段は5の1万7500円から値上げして2万7500円に。ここもPRO価格。まぁ、すべてが約2倍になったので、2台装着するくらいならお得と考えられはします。

今回も売り切れ続出……かと思いきや、まだあります(7月17日時点)!

5は速攻在庫がなくなり、2ヶ月で販売終了になった人気っぷりでしたが、そこも世界のSONY。今回のPROは原稿執筆時点(7月上旬)で在庫あり。ECでも即日配送、公式ストアでも2週間ほど待ちますが購入可能です。


ちなみに、公式ストアではクーポンなども適用外なので、すぐ手に入る+ポイント還元がある他ECでの購入がおすすめです。

1ヶ月使ってわかった「今度こそアリ」だった4つの理由

1ヶ月使ってわかった「今度こそアリ」だった4つの理由

ということで、ここからは初代REON POCKETから使い続けて、全モデル1週間以内に挫折した僕が、「PROは今度こそ真夏の救世主ガジェットとしてアリなのか」をレビューしていきます。


先に結論をいうと「今度はアリ! 実は経費で購入したけど、できれば買い取りたい。けど会社的に無理そうだから自腹で買った」になります。


「REON POCKET PRO」がアリだった4つの理由

  1. ①:冷却面積2倍が答えか! 「クーラー」は嘘だけど、暑がりにとっての「オアシス」にはなる
  2. ②:バッテリーは「強冷」でも約5時間もつ! が、常時つけるなら、お昼すぎに一回充電は必要
  3. ③:サイズは大きめだがフィット感は◎。目立つのは必至。また女性には大きすぎるかも
  4. ④:地味に「めっちゃ寒い!」ときの暖房として、また冬のカイロとして超優秀

ちなみにレビュワーのスペックを解説すると、平熱37℃、極度の汗っかき、7月上旬時点で睡眠時に快適なクーラー温度は22℃です。要は極度の暑がり。体のサイズは身長174cm、69kg。そんな僕が発売から1ヶ月、通勤&休日で使い続けてみました。

①冷却面積2倍が答えか! 「クーラー」は嘘だけど、暑がりにとっての「オアシス」にはなる

①冷却面積2倍が答えか! 「クーラー」は嘘だけど、暑がりにとっての「オアシス」にはなる

肝心の冷却性能ですが……おっ! 炎天下でも冷たさを感じる! なにより電車やオフィスなどでのリカバリースピードが速い! というもの。


SONYは35℃以上の環境下ではおすすめしていないですが、画像のように30℃はもちろん、35℃の炎天下でも冷たさを感じました。例えるなら「ずっと冷たい冷えピタ」を首の後ろに貼っている感覚。ただ、SONYの公式見解の通り、30℃を超えてくると「クーラー効果」は激減。あくまで「やさしく冷やして、暑さの不快感を軽減する」程度です。


過去モデルをサーモグラフィーで計測してみましたが、実際に冷却温度も5が17.6℃だったのに対し、PROは16.5℃。うん、いいぞ、PRO!

キモは電車やオフィスでの「涼しさブースト」にあり!

「やさしく冷やして、暑さの不快感を軽減する」程度、と前述しましたが、REON POCKET PROの冷却能力は屋内で真価を発揮します。


暑がりでなくとも、炎天下からクーラーの効いた空間に入ってもなかなか汗がひきづらいのが近年の日本の夏。


そんな課題を解決してくれるのがPRO。実際、冷房の効いたお店や電車、オフィスなどでは体感レベルで涼しさを感じるまでが爆速になりました。逆に冷房が強めの部屋だと長時間着けていると寒く感じるレベルです。


そう、「涼しさのブースト」として、猛暑からのリカバリースピード(涼しさを感じるまでのスピード)がとても短くなるのです

冷たさを感じにくくなるペルチェ特有の課題も、力技で解決!

ちなみに、ペルチェ系デバイスの課題に「冷たさに皮膚が慣れてしまい、ひんやり感を感じなくなる」問題というものがあります。5では「ゆらぎモード」という機能であえて冷却面の温度を変化させることで持続的なひんやり感を演出していましたが、多少の効果はあれど、同じ接着面なのでそこまで効果は少なかったのです。


一方で今回のPROは2倍になった冷却面の上下半分ずつを交互に温度変化させることにより、ずっとひんやり感が持続。結果、無限冷えピタ状態につながっているようです。

②バッテリーは「強冷」でも約5時間もつ! が、常時つけるなら、お昼すぎに一回充電は必要

②バッテリーは「強冷」でも約5時間もつ! が、常時つけるなら、お昼すぎに一回充電は必要

REON POCKETには弱冷〜強冷までの5段階で自動で温度調節をしてくれるSMARTモードと、1〜5までの同じく5段階で冷たくし続けるMANUALモードの2つがあります


どちらも上下2つのモジュールは交互に冷却を繰り返しますが、SMARTモードは複数のセンサー(+別売りの温度&湿度センサー)の情報で外気温や体の状態にあわせて効率的な冷却をしてくれます。


おすすめはSMARTモード僕は常に一番上の強冷モードで使用していましたが、駆動時間は約5時間。うん十分です。通勤とオフィスで使っていると結局昼にはバッテリー切れになりますが、その後オフィスで充電しておけば(もちろんtype-c充電)、退勤時には復活していました。ちなみにレベル1では約34時間持つらしいです。結構ひんやり感は弱いですが、すごい。


唯一の欠点は、充電時間が90%充電までで約130分、満充電までは約200分かかること。ちょーーーっと長い。急速充電に対応していれば……なので次モデルに期待です。


ちなみに、休日のレジャーの際はモバイルバッテリー準備でどうにかなります。バッテリー容量は非公開ながら、実容量約5700mAhのモバイルバッテリーが約37%減ったので、実質2100mAhほど。モバイルバッテリーが普及した現代であれば許容できる範囲です。

③サイズは大きめだがフィット感は◎。目立つのは必至。また女性には大きすぎるかも

③サイズは大きめだがフィット感は◎。目立つのは必至。また女性には大きすぎるかも

冷却面積から冷却力などいろいろと約2倍、になったPRO。サイズもきちんと大型化しています。目立つか目立たないか……でいうと、目立ちはします。週末に装着して高円寺の古着屋を巡っていたら、店員さんに1/3の確率で「その首のやつ、なんですか?」と聞かれるくらいには目立ちます。


それでも、他の冷却グッズ(ネックファン、ペルチェベスト、空調服、ネッククーラー)と比べると、かなり目立ち辛いレベルです。特に通勤時、首周りにある程度の余裕を持ったサイズのYシャツであれば、排熱アダプタが首元にひょっこり顔を出すくらいの目立ち具合に収まるので、恥ずかしさはだいぶ少ないはずです。


僕は身長174cmなのですが、僕からするとサイズ感はベスト。ただし、小柄な人だと話は変わってきます。編集部の身長153cmの部員につけてもらったところ「肩甲骨の間で浮いてしまう」という感想も。小柄な人であれば、あえて5を選ぶというのも選択肢かもしれません(冷却力は低くなりますが)。

装着については公式動画は必見! コツを掴めば問題ない

装着感についてはコツさえ掴めば、サイズが大きい点も利してズレにくいものになっています

はじめは、2つのモジュールが折れ曲がる形になっているため「え?猫背専用?」と苦しみますが、公式の装着動画で一度学べば問題なし。先にしっかり狭く曲げてから装着する、さえ覚えておけばOKです。

④地味に「めっちゃ寒い!」ときの暖房として、また冬のカイロとして超優秀

④地味に「めっちゃ寒い!」ときの暖房として、また冬のカイロとして超優秀

本体センサーでユーザー行動やユーザーの温湿度、周辺の温湿度を推定し、環境にあわせて自然な冷却を提供してくれるREON POCKETシリーズですが、別売りのセンサー「REON POCKET TAG」を連携すると直射日光や周辺環境の温湿度を直接計測することが可能になります


このTAGがあると、冷却/温熱の温度を自動調整できる「SMART COOL⇔WARMモード」が選択できるように。これがすごい。前述したように、REON POCKETシリーズは冷却だけでなく暖房モードも搭載する未来のガジェット。じんわーり背中から温まってくれるので、冬場のカイロとして重宝するのですが夏場の「SMART COOL⇔WARMモード」も超優秀なモードなんです


例えば、暑い屋外では冷却で身体を冷やし、屋内に戻り涼しくなったのを通り超えて寒くなってくると自動で温熱に、なんてことが可能です。職場のクーラーがききすぎて嫌な人におすすめです


もちろん、夏だけでなく、冬場の「着る暖房」としても優秀。背中からじんわりと温かくなるので、コートの下などに着ておくとかなり助かります。


1点だけ不満があるとすれば、TAGがめちゃくちゃ外れやすい点。ストラップホールがないので付属のクリップでどこかに挟むくらいしかできないのですが、僕はこの1ヶ月で3回ほど落として使わなくなりました。ここは改良してほしいポイントです。

結論:今度のPROは「暑がり」or「寒がり」な人、かつ小柄じゃなければマジで真夏を救うガジェットです!

今回はSONYのREON POCKET PROを「今度こそ猛暑通勤の救世主ガジェットとしてアリなのか」の観点でレビューしてきました。


結論としては冒頭に書いたように「アリ」です。前モデルから力技ですべてを「約2倍」にした結果、やっと「着るクーラー」っぽくなり、日本の猛暑対策ガジェットとして十分な商品に進化していました。僕は改めて買います(というか買いました)。一方で、小柄な人は5を選択肢にいれても良いかもしれません。


まとめると

  1. おすすめな人
    1. 電車やバスなどの公共交通機関で通勤する人
    2. 2.7万円を暑さ対策に払っても良い人
    3. ハンディファンに物足りなさを感じている人
    4. エアコンの寒さが苦手な人

  2. おすすめじゃない人
    1. 小柄な人

はい、ほぼすべての人かもしれません


まだ売っている! からこそ、このレビューを読んで気になった人は買ってみてほしいです。

がっかり感がないことは僕が保証します。

次回予告:あえてのアナログがヒット中!? ポータブル氷のうは誰得なのか。使ってわかった実は最強かもしれなかった理由

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「進化系暑さ対策グッズ」集中レビューの第二弾は、昨年から徐々に勢力を増すポータブル氷のう


ここまでデジタルの時代になんで氷なの? と思いながら使い込んでいくと、結局アナログが最強かもしれない……という結果に。


週2回公開を目指してバシバシレビューしていくのでお待ち下さい!

(執筆/マイべマガジン編集部・浅沼伊織)

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