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【え!?カルローズ米も備蓄米も十分じゃん!】料理研究家が実食してわかった、5つの事実お伝えします【銘柄米と食べ比べ】

【え!?カルローズ米も備蓄米も十分じゃん!】料理研究家が実食してわかった、5つの事実お伝えします【銘柄米と食べ比べ】

うかうかしてると日々更新されていく2025年の米事情。米不足のため備蓄米が放出されたと思ったら、今度はカルローズ米やら台湾米やら、輸入米にまで注目が集まる事態になりました。もはや"令和の米騒動"です。


そして「この流れで安いお米に手を出してみるべきか」「わずかに値下がりはじめた米価格、このまま待つべきか」とまだ静観している人、いませんか?


そんな様子見勢のために、今回マイベマガジンでは、料理研究家・さわけんシェフを呼んで「銘柄米・備蓄米・カルローズ米」の3種を食べ比べ。備蓄米はまずい説、カルローズ米はパサパサしてる説……などなどをチェックしてもらいました。


記事内では、「検証して分かった5つの事実」から「"ほぼ新米"にできる方法」まで紹介していくので、できれば安いお米を買いたいけど勇気が出ない人は必見です!


本コンテンツの情報は公開時点(2025年6月18日)のマイベストの情報をもとに執筆しております。また、本コンテンツ内の価格情報はすべて税込みで表記しております。
2025.06.18
さわけんシェフ
監修者
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家

辻調理師専門学校フランス校を卒業し辻調グループで11年間西洋料理を教える。フランスの二ツ星(当時)レストランに勤務経験のある本格派。シェフを経て料理研究家に転身し、科学的に料理を考えて作るレシピの達人になる。2010年よりキッチンまわり評論家として毎月30品~100品の食品や調味料を実食検証を実施。モノ比較雑誌の識者で調理家電や調理器具、食品類を日本一比較し、コストコ・カルディ・無印良品・成城石井・コンビニの食品に精通している。Youtube「さわけんシェフTV」も拡大中。

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▼目次▼

  1. 【6月の米事情】備蓄米に続いて、カルローズ米、台湾米まで……!? "銘柄米じゃない"選択肢が拡大中
  2. 【ガチ実食!】銘柄米と"じゃないお米"って何が違うの?実際に、食べ比べてみました
  3. 【検証してわかった!】"じゃないお米"の5つの事実、お伝えします
    1. 【事実01】「備蓄米」は「保温した米」 に似た味わいだった!
    2. 【事実02】「カルローズ米」は、 炒飯ならむしろ銘柄米より好相性!
    3. 【事実03】シャッキリ派なら「カルローズ米」、もっちり派なら「備蓄米」がベター
    4. 【事実04】備蓄米、「時間が経つとまずくなる」は嘘でした!
    5. 【事実05】素人ブラインド試食では、「違いはわからない」 という結果に!
  4. 【まとめ】備蓄米もカルローズ米も、全然あり得る!……どころか、「好み」の人も結構多い。
  5. 【おまけ】"じゃないお米"をもっと美味しく食べる方法、教えてもらいました!

【6月の米事情】備蓄米に続いて、カルローズ米、台湾米まで……!? "銘柄米じゃない"選択肢が拡大中

【6月の米事情】備蓄米に続いて、カルローズ米、台湾米まで……!? "銘柄米じゃない"選択肢が拡大中

2025年5月26日に放出が決まって以降、楽天やアイリスオーヤマ、イオンで販売がスタートした「政府備蓄米」。コンビニやドン・キホーテでも販売、13日にはAmazonでも販売開始しています。


銘柄米が5kgで6,000円前後なのに対して、5kgで2,000円台と約3分の1の価格。発売当日は、開店前から長蛇の列ができるなど争奪戦となったのも記憶に新しいです。


備蓄米といえば、2021〜2022年産のいわゆる「古古米」「古古古米」であることから、国会議員に「動物の餌」とやゆされたり、小泉農水相に「ちょっと硬い」と評価されたり、あまりいい印象がないという人も多いはず。


こうした流れをうけて今では、イオンでは米国産と国産のブレンド米「二穂の匠(にすいのたくみ)」、西友では台湾米「むすびの郷」を販売されるなど、"銘柄米じゃない選択肢"も続々広がっています。


そんなわけで、「実際、美味しいの?」「安い米って買って損しない?」「外国産ってどうなの?」と、とりあえず静観している人も多いのではないでしょうか。

【ガチ実食!】銘柄米と"じゃないお米"って何が違うの?実際に、食べ比べてみました

【ガチ実食!】銘柄米と"じゃないお米"って何が違うの?実際に、食べ比べてみました

というわけで、今回マイベマガジンでは銘柄米と"じゃない米"を食べ比べ。何が違うのか、確かめてみました!

ラインナップは「銘柄米・備蓄米・カルローズ米」の3種

ラインナップは「銘柄米・備蓄米・カルローズ米」の3種

ラインナップは、日本の代表的な銘柄「コシヒカリ」、アイリスオーヤマ販売の「備蓄米」、イオンで買える「カルローズ米」の3つ。


銘柄米は、だれもが知っている有名な銘柄でありながら、近くのスーパーで買える最安の商品を選定しました。


ちなみに、今出回っている最新のお米は令和6年(2024年)産。収穫してから1年以上経ったものを古米と呼ぶので、令和4年(2022年)産であるアイリスオーヤマの備蓄米は、現時点では「古古米」です。

料理研究家・さわけんシェフが実食評価!

料理研究家・さわけんシェフが実食評価!

今回食べ比べをしてくれたのは、料理研究家のさわけんシェフ。検証では、「炊き立てのお米」「冷凍した後、レンチンしたお米」の2パターンを食べ比べてもらったうえで、「そもそも美味しく食べられるのか?」「冷凍しても味が劣化しないのか?」「どんな調理方法が合うか?」を聞いてみました。

【検証してわかった!】"じゃないお米"の5つの事実、お伝えします

【検証してわかった!】"じゃないお米"の5つの事実、お伝えします

もう初っ端から、料理研究家・さわけんシェフの食べ比べ結果をお伝えすると、「1位:銘柄米・2位:カルローズ米・3位:備蓄米」でした。


単純にお米としての美味しさなら、やっぱり銘柄米が優位。甘みのある香り、粒感が際立ちながらももっちりした粘り気のある食感、噛むごとに出てくる甘みは、銘柄米「こしひかり」ならではです。


ただ他2つがまずいのかと言えば、結論、ぜんぶ美味しいです。実際の食卓に並んだときを考えると、実は「備蓄米・カルローズ米」も選択肢になり得るもの、むしろ"積極的に選んでもいい"ものでした。

というわけでここからは、食べ比べてもらってわかった、"じゃないお米"5つの事実をお伝えしていきます!

まず、備蓄米につきものなのが「古くてまずい」という印象。いつも食べているお米よりも劣化したもの、というイメージを持っている人も多いでしょう。


しかし実際に食べてみると、「少しツンとした、におい・香り」などは一切なし!しかもお米としても美味しいんです。さわけんシェフによると、「お米を保温したときの香りに似ている。味わいも保温した銘柄米と同じくらい。」とのことでした。


つまり、想像するような「古くなった味」はしなかったんです。むしろ普段から保温したお米を食べている人にとっては「食べ慣れた味」というわけです。

さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

そもそも保温をするなら、やはり炊き立ての美味しさからは劣ります。新米や銘柄米、高いお米であってもそれは変わらず、保温して時間が経った状態で比べるなら、大差はなくなるはずです。

そもそも「カルローズ米」って何?というところですが、ざっくり言うと「カリフォルニア産のジャポニカ種」です。"外国産=タイ米"のイメージが強いかもしれませんが、米粒が細長くパサパサしているアレではなく、実は品種としては日本の銘柄米と同じです。


味の特徴としては、「系統としてはシャッキリ系。もっちり感も残っていますが、噛むとほぐれる感じがあります」とのこと。銘柄米と比べると少し硬めで、粘り気が少なくサラッとした食感でした。


米同士がくっつきすぎないため、さわけんシェフによると「むしろ、炒飯を作るなら銘柄米よりも向いている」のだとか。米と具材の相性としては、丼ものにするのもおすすめだそうです。

さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

カリフォルニア米は私も普段から使っています。パエリアやジャンバラヤ、カレーには、銘柄米よりもよく合うんです。とくに米同士がくっつきすぎないほうが美味しく食べられる料理には、非常に向いていますね。


過去日本では、1993〜1994年に米不足が発生し、タイ米が緊急輸入されたことがあります。香りが強くパラパラしているタイ米はチャーハンやカレーでないと食べにくく、日本人の好みには合わなかったんです。


結果として外米への警戒感が強まったと見られますが、「カルローズ米」はまったく別物。パサパサ感はなく、もっちりとした食感のお米です。

備蓄米、カルローズ米、どちらも美味しく食べられるとわかったところで、気になるのは「では何が違うのか?」というところです。


食感としてはどちらも硬めシャッキリで似ている印象。そのなかでも、より硬めなのがカルローズ米、よりもっちりなのが備蓄米でした。


ということで、安いお米2つのどちらが選択肢になるかというと、もう食感の「好み」で選んでいいわけです。シャッキリ系が好きなら「カルローズ米」、もっちり系が好きなら「備蓄米」を選びましょう。

さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

しっかり違いがあったのは「香り」です。カルローズ米はより米粉の香りが強く、備蓄米は保温したお米の香りが強い、という特徴がありました。


とはいえ白米だけで食べるならまだしも、おかずと一緒に食べるなら、その違いはほぼ分からないでしょう。

今回は炊き立てのほかに、1日冷凍して解凍したお米も美味しく食べられるか?極端に劣化しないか?もさわけんシェフにチェックしてもらいました。


美味しい順としては、炊き立てと変わらず「1位:銘柄米・2位:カルローズ米・3位:備蓄米」に。香りは炊き立てのときとほぼ変わらず、全体的に少しシャッキリ感が少しだけ強くなるという変化がありました。


そもそも冷凍したお米は、炊き立てより少しもっちり感が減り、パサつきがでやすいもの。当たり前に炊き立てや保温よりは味わいが落ちるものなので、その範囲内といった印象でした。


つまり、「備蓄米だからより劣化しやすい」「炊き立てじゃないとまずくて食べられない」といった事実はないというわけです。

さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

お米は冷えると、内部のでんぷんのベータ化(老化・β化)が進みます。ベータ化とは、のり状になったでんぷんが元の状態に戻り、むっちり感のない状態になること。つまり、ご飯がパサつき、硬くなってしまうんです。


「冷凍」はこのでんぷんのベータ化を促進してしまうので、ある程度硬さやパラつきが出るのは仕方のないことです。

あまりに見た目が似ている3つのお米。果たして「素人が食べても違いがわかるのか……?」ということで、今回は実際に社員12人でブラインド試食をしてみました。


商品名や銘柄名を隠した状態で食べてもらったところ、正確に当てられたのはたった4人。つまり、3人のうち2人は「違いがわからなかった」んです!


また好みの味わいで順位をつけてもらったところ、結果は「1位:銘柄米(37pt)・2位:カルローズ米(35pt)・3位:備蓄米(32pt)」(※)と専門家とまったく同じ順位に。

1位に選んだお米の配点を5pt、2位は2pt、3位は1ptと傾斜をかけて計算

ただし、ほぼ僅差です。「カルローズ米もしくは備蓄米が1番美味しい」と答えた人は、それぞれ12人中4人。つまり3人に1人は、銘柄米よりもカルローズ米もしくは備蓄米のほうが好みだったんです。

さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

日本人がお米に求めるのは、粒感があってむっちり感があること、この2つです。現在の日本国内のブランド米の90%以上は、"粘りがありむっちり"とされるコシヒカリをベースに、粘りやもちもち感を重視した品種改良をしています。


かつて「さっぱり系」として作られていたササニシキは、環境や日本人の好みの変化により、現在ではほとんど生産されていませんが、今でもシャッキリ系やさっぱり系が好みの人は多くいるのかもしれませんね。

【まとめ】備蓄米もカルローズ米も、全然あり得る!……どころか、「好み」の人も結構多かった。

【まとめ】備蓄米もカルローズ米も、全然あり得る!……どころか、「好み」の人も結構多かった。

料理研究家・さわけんシェフによる食べ比べ、社員12人のブラインド試食で分かったのは、「やっぱり銘柄米は最高!でも備蓄米もカルローズ米も、全然美味しい」ということ。


備蓄米&カルローズ米ともに、よほど日本食にこだわった献立てでない限り、食卓にあって違和感はない味わいでした。「備蓄米=古い味がする」「カルローズ米=パラパラしてる」という先入観で試してこなかった人はもったいない!


とくにカルローズ米は、銘柄米よりも安く手に入って、いつものおかずからチャーハン、カレーまで汎用性が高いことを考えると、もっと積極的に買ってもいいのでは?と思わされますね。

令和の米騒動は、このまま継続の見通し。代わりに輸入米が拡大するかも!?

令和の米騒動は、このまま継続の見通し。代わりに輸入米が拡大するかも!?

今後の動向をさわけんシェフに聞いてみたところ、ブランド米の価格は約1年間は高値が続く見通しとのこと。これは、政府の買取価格はすでに決まっているため、急激な値下がりはないと予想されるからです。


また、これ以上の政府備蓄米の放出は考えにくく、「安いお米」として今後は輸入米が注目される可能性大!


お米は炊き方や食べ方によっても美味しさが全然変わってくるので、この後紹介する「”じゃないお米”をもっと美味しく食べる方法」も要チェックです。

【おまけ】"じゃないお米"をもっと美味しく食べる方法、教えてもらいました!

ここからは、料理研究家・さわけんシェフに教えてもらった、備蓄米・カルローズ米をもっと美味しく食べる方法を紹介していきます!

【その1:基本のコツ】もっとも重要なのは「炊飯器」。浸水は「冷水で1時間」を目安に!

【その1:基本のコツ】もっとも重要なのは「炊飯器」。浸水は「冷水で1時間」を目安に!

さわけんシェフによると、「お米を美味しく食べたい人の解決策は、いい炊飯器を使うこと。これが1番!」とのこと。


米の炊き方ももちろん重要。炊く前の浸水は、「冷水で1時間浸ける」のが基本です。とくにカルローズ米は、粒が長くしゃっきりとした食感のため、水を「1割弱多め」にして炊くのもおすすめ。よりもっちり感が出やすくなります。


そして備蓄米のように年数が経って表面が乾燥・硬化したお米は、水を吸いづらい特性があるんだとか。これを改善するには、冷蔵庫で6時間、冷水に浸けるのが効果的です。

さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

美味しくお米を炊くためには、お米に含まれたでんぷんをしっかりとアルファ化(糊化・α化)させることが大切!


いい炊飯器を使えば十分な水と熱が加わり、でんぷんがのり状に変化するため、柔らかく粘り気のあるお米が炊けるんです。


同じく、米のでんぷんを十分に糊化させるために、浸水はとても重要。芯までたっぷり水を行き渡らせるために、炊く前にしっかり時間を置くのがコツです。


また米を研ぐときは、表面のホコリを落とす程度で十分。研ぎ汁に含まれるでんぷんが炊き上がりの粘りに影響するので、透明になるまで水を変え続けるのは逆効果です。

ちなみに今回、検証で使ったのは象印の「極め炊き IH炊飯ジャー 1.0L炊き」。いい炊飯器ってどれ?が気になる人は、以下のリンクもチェックしてみてください。

【その2:新米に近づける】ゼラチン・餅・米粉……家にあるものでOK。一緒に炊けば”もっちり食感”に!

【その2:新米に近づける】ゼラチン・餅・米粉……家にあるものでOK。一緒に炊けば”もっちり食感”に!

"じゃないお米"をより新米っぽく食べるには、硬さを減らして「もっちり感」を出すこと。お米をもっちりさせるためには、保水性を上げる・粘りを足す必要がありますが、ゼラチンを入れれば米の保水性が、餅や米粉を入れれば粘りがアップしますよ。


目安量

  1. ゼラチン:2合に対して、小さじ1と1/2強
  2. 米粉:1合に対して、大さじ1/2
  3. 餅:お好み(1cm角にカットする)
さわけんシェフ
科学する料理研究家/キッチンまわり評論家
さわけんシェフ

今回、「カルローズ米+米粉」で試してみたところ、表面のむっちり感やもっちり感、ご飯のほぐれ方がコシヒカリに近くなって美味しく食べられました。水は少し多めに入れたいところですね。

古米を美味しく食べるなら、「家庭用精米機」を使うのもひとつの手。古米を精米し直すことで、風味や食味を取り戻すという使い方もできるので、気になる人は以下のコンテンツも要チェックです。

【その3:味付けを変える】もう、炊き込みご飯にしてしまう!塩を加えて混ぜご飯にするのもアリです

【その3:味付けを変える】もう、炊き込みご飯にしてしまう!塩を加えて混ぜご飯にするのもアリです

これはもう大胆に、味をつけてしまうという方法。炊き込みご飯にすれば、香りも味も変わるので、元のポテンシャルとは関係なしです。


また、白米の味わいを残しつつ味を整えるならば、塩を加えるのもアリ。1合に対して小さじ1/3ほど加えて混ぜご飯にするという方法です。ただしナトリウムの影響でお米が硬くなりやすいので、この場合は水を多めにして炊くのがおすすめです。

(執筆/マイべマガジン編集部・戸田はるか)

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