ヤバいと噂のドンキ「偏愛めし」を実食したら……激辛ペンネがまさに辛さの洪水でヤバすぎた！【料理研究家ガチレビュー】
みなさん、ドン・キホーテの「偏愛めし」はご存じですか？
新作が発売されるたびに「さすがにやりすぎ……」「これは夢のメニュー！」と賛否両論が飛び交う"尖りすぎ"なシリーズ。「なんかヤバイらしいけど、実際のところ美味しいの？」と気になっている人も多いはず！
そこで今回の料理研究家・さわけんシェフ「食べ比べ」企画では、4月1日に発売された3商品を実食してもらいました。辛さの洪水なペンネ、はみだしすぎィなおにぎり……その“本当のおいしさ”をガチ評価します！
本コンテンツの情報は公開時点（2025年4月15日）の情報をもとに執筆しております。また、本コンテンツ内の価格情報はすべて税込で表記しております。
辻調理師専門学校フランス校を卒業し辻調グループで11年間西洋料理を教える。フランスの二ツ星（当時）レストランに勤務経験のある本格派。シェフを経て料理研究家に転身し、科学的に料理を考えて作るレシピの達人になる。2010年よりキッチンまわり評論家として毎月30品～100品の食品や調味料を実食検証を実施。モノ比較雑誌の識者で調理家電や調理器具、食品類を日本一比較し、コストコ・カルディ・無印良品・成城石井・コンビニの食品に精通している。Youtube「さわけんシェフTV」も拡大中。
世の中には「まだ知らない良いもの」がたくさん。マイベマガジン編集部は、商品比較サービス「マイベスト」の情報をベースに、知ると暮らしがより便利になるアイテムや情報をお届けしていきます。
ドン・キホーテの「偏愛めし」って？ラインナップがヤバすぎる！
「偏愛めし」は、“みんなの75点より誰かの120点”がキャッチコピーのドン・キホーテの総菜ブランド。
誰からも嫌われない「それなりの及第点」メニューよりも一部の人だけが熱烈に愛せる「好きな人は好き」なメニューを生み出すことがモットーのシリーズです。
これまでの商品は、震えあがるほどニンニクが乗った「背徳のガーリックペペロンチーノ」や、あのカリッカリの部分だけを詰め合わせた「アメリカンドッグのココだけ」など個性の強すぎるものばかり。いかにもヤバそうなラインナップです。
実際、ちゃんと美味しいの！？料理研究家が実食レビューします
辻調理師専門学校で11年間西洋料理を教え、フランスの2つ星（当時）レストランでも勤務経験があるさわけんシェフ。現在は料理研究家・キッチンまわりの評論家として、コンビニグルメから冷凍食品まで、毎月30〜100品もの食品を実食検証しています。
今回は、4月1日に発売された「偏愛めし」の3商品を徹底レビュー！「おいしさ・満足度・商品ごとの独自項目」を星1〜5で、総合的な満足度をS〜Cでスコア付けしました。
- S：とても満足！売り切れる前に絶対食べてほしい
- A：満足！迷ったら食べて
- B：普通。好きな食べ物であれば試して！
- C：微妙。次のアプデに期待……
【偏愛めし①】もはや辛すぎて味が分からない！？「旨辛辛の洪水ペンネアラビアータ」（429円）
- 総評：激辛料理大好きならおいしく食べられるかも！
- 総合スコア：B
- おいしさ：★★☆☆☆
- 満足度：★★★☆☆
- 旨辛度（※）：★★☆☆☆
旨辛度は、辛さの強さではなく、おいしく食べられる辛さかを評価しています。
パッケージにはこだわりポイントが文字で羅列されており、その隙間から見える赤いソースに「トマトの色かな？」と思いきや……。
……よく見るとほぼ唐辛子ですね！
温めてから開けると、唐辛子とニンニクのよい香り！ですが、嗅いでいたらちょっと咳が出ました。
余談ですが、唐辛子のなかでも特に辛いのは“隔壁（かくへき）”という部位で、基本的には種を取るために一緒に除去されます。しかし、こんなに種が入っているなら明らかに隔壁も含まれていると考えてよいでしょう。
パッケージには辛さ「5段階中4」と書いてありますが、本当でしょうか。
……では、勇気を出して実食！
ガサッと持ち上げてみると、意外とたくさん唐辛子が乗ってしまい……ちょっとだけ振り落として食べてみました。
口に入れて「あっ。トマトが濃くて、甘みもちゃんとある！これは意外といけちゃうかも？」と思った瞬間にとんでもない辛さが！！
これはもう、口の中が緊急事態宣言です……！！！
もはや味はわかりませんが、開けたときの香りのよさや一瞬だけ感じた濃厚なトマト感から察するにコレは辛いの平気ならおいしいはず。
「辛さ耐性は人並みだけど食べてみたい！」という勇者さんは、とろけるチーズなどをたくさんかけてみると少しはマイルドになりそうなので試してみてくださいね。
パッケージがアイアンマンみたいなカラーリングでちょっとかっこいいですが、どう見ても辛そうで食べるのが怖いですね。そして、実際に食べるとやはり辛い！
念のため、アラビアータは本来「ピリッと辛い」ソースで、ニンニクの香りと唐辛子の辛さをオリーブオイルに移したものにトマト水煮を加えて作るもの。
本場では唐辛子の輪切りがパラパラ入っていることなんてないので、このビジュアルにはイタリア人もビックリでしょう。
一瞬だけ濃厚なトマトソースの甘さも感じましたが、その後に来る辛さの洪水で味が判別不能に！
辛めのタイ料理を平気で食べられる人ならおいしく食べられそうですが、普通の味覚の人は要注意ですね。
ちなみに私は途中で食べるのを断念し、唐辛子の代用品として野菜炒めに加えて食べました。
それでも十分辛さが味わえたので、これで辛さが「4」とはドン・キホーテ恐るべし！
【偏愛めし②】重量級の豪快チキンがドーン！！「はみだしすぎィなチキン南蛮」（322円）
- 総評：圧巻の重量！でも味は意外とおとなしめ
- 総合スコア：A
- おいしさ：★★★★☆
- 満足度：★★★★☆
- 具のカバー率：★★★★☆
普通のおにぎりを想定して手に取ると、持った瞬間「おっ！？」と思うほどの重量です。試しに量ってみると、なんと圧巻の245g！
コンビニでボリュームのあるおにぎりといえばファミリーマートの「大きなおむすび」やローソンの「大きなおにぎり」ですが、両者ともに150～180gほど。
そこから考えても245gはかなりの重量級ですね。
また奇しくも同日4/1にローソンから「具！おにぎり まるでチキン南蛮丼」が発売。比べてみると、チキン南蛮の厚みはローソンのほうが上ですが、ドンキは総重量で勝利。さらに、価格も僅差で安い！
では、そんな「安くて重い」チキン南蛮おむすび。さっそくかぶりついていきたいと思います！
まず、一口目が米じゃなくて肉なのがうれしい！鶏肉に厚みがあってボリューミーです！
そして、断面を見ていただくとわかるように一番下までしっかりチキン南蛮！ご飯の粒感も、そこそこありますね。
ただし、味は意外とおとなしめ。チキン南蛮といえば甘みの強めの酢醤油ダレですが、タレの染み込みが軽めなので唐揚げおにぎりっぽくも感じます。
そして、個人的にはタルタルソースにももっと存在感が欲しい……。おいしいですが、もっと罪悪感を感じる味になったら最高ですね！
今回も「はみだしすぎィ」シリーズ、相変わらず大きい！
最初に出た鶏つくね卵黄から続く豪快なはみ出具合と手作りっぽいワイルドな形がしっかり踏襲されていますね。
唐揚げの衣がパサつきがちですが、あたためて食べるとかなりおいしいです。ただ、もう少し甘辛甘酢タレを染み込ませてほしい。
タレが多いと、お肉が上に引っ張られて最後にごはんしかなくなってしまってもタレ味でおいしく頂けるのでぜひタレ増量でお願いしたいです！
まぁ、おにぎりなので「チキン南蛮らしさ」を表現するのも制約が多いと思いますが……ドン・キホーテへの期待を裏切らない“ワイルドさ”がもっと欲しいですね。
【偏愛めし③】全方位、具のない部分ナシ！「はみだしすぎィなテリヤキチキン」（322円）
- 総評：どこから食べても具！からの驚きの味変！
- 総合スコア：A
- おいしさ：★★★☆☆
- 満足度：★★★★☆
- 驚きの味変：★★★★☆
それが、今回は「“具がない部分” が許せないおにぎり！」に。つまり、もうおにぎり自身も具がない部分が許せなくなっちゃってるのが、ちょっとツボです(笑)
さて、こちらもワイルドにはみ出たチキンですが、重さを量ってみると207g。チキン南蛮より38gも軽いですね。
チキン南蛮に比べると鶏肉は薄めで、たしかに食べてみても「もう少しボリュームがあってもいいかも？」とも感じました。
とはいえ、お肉は決して少なくないですし、照りタレの染みた粒立ちごはんもおいしいので満足感はアリ。
タレは甘すぎず、ボリュームはありますが結構どんどん食べれちゃいます。
そして、最後の最後に「なんか、海苔の佃煮みたいな味してきた！そんなの入ってたっけ？」という意外な味変が待っていました！
多分これは意図されたものではなく、おにぎりを包んでいる海苔＆ごはんに染みたタレが奇跡的にマッチした結果なのですが……。
ボリューミーな照り焼きと、ほっこり落ち着く海苔佃煮（？）で図らずとも「1個で2度おいしいおにぎり」として楽しめました。
ご飯は粒感があり、照り焼きは甘さ控えめの大人な味付けのおにぎり。
かじって食べているうちに肉が引っ張られて最後はご飯だけになってしまったのですが、タレと海苔で「海苔の佃煮味」になるという驚きの味変でおいしく食べきりました。
しかし、やはり見た目のワイルドさから味を想像してたべるとチキン南蛮と同じく「意外とおとなしいな」という印象になります。
ドンキなんだし偏愛めしなのだから、見た目だけでなく味ももっとグイグイきて欲しいですね！
……結局のところ、ちゃんと美味しいかというと「好きな人は好きなはず！」が答えです（笑）
とくに「さすがドンキの偏愛めし！」というやりすぎ感がMAXだったのは、やはり「旨辛辛の洪水ペンネアラビアータ」。味付けが"尖りすぎ"なので、もはや選ばれし者しかおいしさを味わえない一品でした。
一方で「はみだしすぎィなチキン南蛮」と「はみだしすぎィなテリヤキチキン」は、大満足のボリューム＆見た目のインパクトが圧巻。"尖りすぎ"なのはあくまで具の量なので、味としてはソツがないです。
「偏愛めし」としては、もっと“安全には食べられないほどのタルタル”や、照りタレ増量“照りッ照りテリヤキ”とかあってもいいのかも……と考えつつ、どれも商品名やコンセプトも楽しいので今後の新商品にも期待したいと思います！