【ダイエット中の新定番になる?】高タンパク・低糖質の「ダイズライス」食べ比べてわかった本当の実力
「おまめさん」をはじめとした豆製品を販売しているフジッコが、2021年3月に発売を開始した「ダイズライス」。米のような見た目の大豆食品で、白米よりも高タンパク・低糖質です。
今回、そんな主食の革命児ともいわれている「ダイズライス」をマイベストの健康食品担当が徹底レビュー。主食の置き換えとしてありなのかを検討すべく、主食として食べられる玄米・オートミール・さつまいもとも比較してみました。
果たして、「ダイズライス」はダイエット中の新定番になるのか、成分だけでなくおいしさや調理の手間、価格の面から解説します。

大学では栄養学を専攻し、管理栄養士の国家資格を取得。レシピメディアの制作チームにて、レシピ監修や品質管理を担当。マイベスト入社後、これまでの経験を活かし、多くの食品・健康食品・キッチン用品を比較検証してきた。「ユーザーの立場に立って考える」をモットーに、食事を通してユーザーの生活を豊かにするために日々の業務に取り組んでいる。
そもそも、「植物性食品」ブームは何が理由?
スーパーやコンビニで見かけることが増えた「植物性食品」。その背景には、近年よく耳にするようになった「サスティナブル(持続可能)」「SDGs」があると考えます。実現には食からのアプローチも不可欠とされており、世界ではさまざまな対策がなされているんです。
その1つが「サスティナブル・ヘルシー・ダイエット」。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が協働して策定されたものですが、そのなかでは植物性食品(果物、野菜(でんぷん質の多い根菜を除く)、豆類、ナッツ類、全粒穀物)の摂取量を増やすことの重要性が示されています。
また、世界的に100歳を超える人々が多く暮らす世界5大長寿地域(ブルーゾーン)における健康・長寿の秘訣が注目されており、日本でもさまざまな地域で健康や長寿を目指す「ブルーゾーン計画」が実行されていますよ。
そんなブルーゾーンでは、食事の95〜100%は植物由来にすることが推奨されています。このように海外では今、植物性食品が注目されているんです。
なんだか「ダイズライス」がすごいらしい
先日、『ネタマッチ』主催のたんぱく質に関するプレスセミナー(先程のお話もプレスセミナーで京都府立医科大学大学院医学研究科 教授の内藤 裕二先生の講演を聞いてきました)に参加したら、個人的に気になる商品を見つけました。それが今回レビューするフジッコの「ダイズライス」。
「ダイズライス」は白米と比べて高タンパク・低糖質で、歯応えのある食感を楽しめる米のような見た目の大豆食品。白米と置き換えるだけで主食を健康的にでき、白米と同じような感覚でアレンジもできる魅力的な商品です。
高タンパク・低糖質なら、ダイエット中でも気にせず食べれるのでは...という淡い期待を抱きました。
「ダイズライス」は、ダイエット中の新定番になるのか?レビューしてみました。
改めまして、みなさんこんにちは。マイベストで健康食品を担当している田部です。
食にまつわることが好きな管理栄養士で、マイベストでは年300点の健康食品の比較をしてきました。
今回はそんな健康食品マニアの私が、主食の革命児と謳われる「ダイズライス」がダイエット時の主食の置き換えとしてありなのかを徹底レビューしていきます。
①成分:タンパク質20g超えで糖質も少ない!確かにダイエット中におすすめの主食でした
まずは、「ダイズライス」の1番の訴求ポイントである成分。今回は、白米以外にも主食として食べられる玄米・オートミール・さつまいもとも比較してみました。
やはりタンパク質と糖質は、どの食品と比べても圧倒的に優れているということがわかります。タンパク質に関していえば、主食とは思えないほどの含有量です。
タンパク質の1日の摂取量は、体重×0.8〜1.0gが目安。50kgの人は1食を「ダイズライス」に置き換えるだけで、1日に必要なタンパク質の約半分も摂取できます。
また、今回はタンパク質と糖質以外の成分についても比較してみました。脂質はほかと比べて多いように見えますが、タンパク質源である食品と比較してみると決して多くはないとわかります。
<タンパク源の成分比較(代表例)>
- 鮭1切(70g)あたり:脂質約2.9g・タンパク質約15.6g
- 鶏むね肉・皮なし1枚(250g)あたり:脂質約4.8g・タンパク質約61g
- 卵1個(60g)あたり:脂質約6.4g・タンパク質約7.3g
食物繊維も豊富なので、「ダイズライス」はダイエット中の主食としてありです。
②おいしさ:正直白米のおいしさには敵わなかった。特に、独特の香りがネック
次に気になるのは、おいしさ。「ダイズライス」の2点目の訴求ポイントとして、歯応えのある食感とお米のような見た目が挙げられます。
実際に食べてみると、たしかに見た目は米粒状でしっかりと歯応えがありました。しかし、独特な香りが気になり、白米のおいしさには敵わないため、白米の代わりにはならないでしょう。
米好きのモニター男女11名にも食べてもらい、白米と比べたときの食感・香り・食べ応えについての感想を聞いたところ、「香りにクセがあり、その香りがやや臭く感じる」「味気のない炊き込みごはんのような香り」といった声が挙がり、香りが要因で好みが分かれる結果に。
食べにくい場合は、米と混ぜて炊飯したり、炒飯やピラフにしたり、味の濃いおかずと合わせたりすれば、香りは多少軽減されるかもしれません。
公式サイトにはアレンジレシピも多数掲載されているので、気になる人はチェックしてみてください。
ただし、ダイエット時の主食として割り切るなら、食感・食べ応えは十分
おいしさの検証では、主食として食べられる玄米・オートミール・さつまいもとも比較してみました。結論、ダイエット時の主食にするなら食感・食べ応えは十分といえるでしょう。
玄米と食べ比べたモニターからは、「玄米と比べて皮のザラザラ感がないので食べやすい」「歯でしっかり噛むので、玄米に劣らぬなかなかの食べ応え」という声が挙がっています。
オートミールと食べ比べたモニターからは、「オートミールにはない弾力があって食べやすく、食べ応えもある」「オートミールは繊維っぽさや硬さがあるので、ダイズライスのほうが食べやすい」という声も。
「ダイズライス」は、現時点では白米に匹敵するおいしさとはいえませんが、玄米やオートミール・さつまいもと比較しても見た目・食感・食べ応えは劣らないため、おいしさを許容できるならダイエット中の主食としてありでしょう。
③調理の手間:レンジでも調理できちゃう!時短や手軽さでは優れもの
個人的に気になるのが、調理の手間。米は水洗いや浸水の有無が気になりますし、オートミールは「そもそもの調理方法がわからない」なんて人もいますよね。
普段から炊飯器でごはんを炊く習慣のある人にとって、炊飯器でしか調理できなくても大きな問題はないでしょう。しかし、炊飯器がない人や一刻も早く炊き上げたい人にとって、レンジで調理できるのは魅力ですよね。
なんと、「ダイズライス」はレンジ調理可能なんです。しかし、実際にレンジで調理したところ、やや水分が残ってべちゃっとした仕上がりになってしまいました。うまく調理するには、ご自宅のレンジのクセを理解して加熱時間などを調整する必要がありそうです。
分量を守れば、白米同様に炊飯器でも炊ける!
「ダイズライス」は炊飯器・レンジどちらでも簡単に調理できるので、ダイエット中もなんのストレスもなく取り入れられるでしょう。
炊飯器は「ダイズライス」と水を計量したら炊飯ボタンを押すだけ。浸水や水洗いは不要です。時間は約60分かかりますが、放置している間に別の作業ができるので、普段から炊飯器でお米を炊いているなら断然炊飯器がおすすめ。
一方のレンジは、浸水や蒸らしなど要所要所で作業が発生しますが、約45分でできあがります。炊飯器がない家庭や時間を削減したいならありでしょう。
詳しい調理方法は、公式サイトをご確認ください。
④価格:白米の置き換えとして毎食取り入れるのは難しい
最後に、絶対見ておきたいのは価格ですよね。今回も1食あたりの価格を、白米のほかに健康維持やダイエット時に主食として食べられる、玄米・オートミール・さつまいもと比べてみました。
結論、現時点では金額が高いためダイエット時の主食として毎食取り入れるのは難しい印象です。
「ダイズライス」は、公式オンラインショップでは800g(約16食)のみの取り扱いです。価格は3,300円(税込・送料別)で、1食換算すると約200円。1食あたり約50円台の白米・玄米と比べると、約4倍の価格となっています。
価格だけで考えるなら、1食あたり約30円と最も安いオートミールがおすすめです。
【結論】万人におすすめはできないが、味よりも成分重視で1食200円が許容ならあり
改めて、ダイズライスのよい点と気になる点を整理します。
- よい点
- 糖質が低いだけでなく、タンパク質が主菜並み(1食で20g超え)
- 食物繊維も豊富
- ダイエット時の主食として割り切るなら、食感・食べ応えは十分
- 炊飯器で炊けるだけでなく、レンジ調理も可能
- 気になる点
- 白米のおいしさには及ばず。特に独特の香りが気になる
- 1食あたり約200円と高め
ダイエット中の新定番になりうるかですが、香りや価格が気になる人もいる印象なので万人におすすめはできません。
とはいえ、「ダイズライス」のすごさは、主食(米)のような食感・食べ応えなのに、主菜(タンパク源)の栄養価を持ち合わせていること。そのうえ、糖質が低く食物繊維も豊富なので、成分を重視する人ならダイエット時の主食としてありでしょう。
- 結局、誰が買うべき?
- ダイエットサポート効果が期待できるなら多少味は落ちてもよく、1食200円が許容の人
- 食事量が減っているなどの理由で、主食からもタンパク質を摂取したい人
- 買わなくてよい人は?
- 不足しがちな栄養素(特に今回はタンパク質)をほかの食材で計画的に補えている人
- ダイエット中だからといって、味に不満があるものは絶対NGな人
平日は発芽玄米としっかり味つけをした鶏肉メインのお弁当を持参している私としては、昼食をダイズライスにすることでよりタンパク質を増やせて、外食よりも価格を抑えられるのは魅力です。白米と混ぜて炊けば1食の費用も抑えられるし、味の濃いおかずとなら合いそうだし、ありなのではと思っています。
同じ境遇の人は、試してみる価値ありです。
(執筆/マイべマガジン編集部・田部晴菜)
【関連するキーワード】
#ダイズライス #ダイエット #植物性食品
白米の置き換えにおすすめの商材もチェックしよう
ダイエット中の食事や健康維持の一環で、白米を体にいいものに置き換えたい人は以下のコンテンツもチェックしてみてくださいね。
長期的なダイエット時におすすめなのは、発芽玄米ともち麦。どちらも白米感覚で食べやすいので、無理なく続けられるでしょう。