【国内初レビュー!?】米国AURA社のデジタルフォトフレームが最高だったのでおすすめしたい
モニターを搭載し複数の写真を飾れるデジタル写真立て、デジタルフォトフレーム。自分や家族の大事な写真を思い出として色鮮やかに飾っておけて、QOLを向上させるアイテムです。
アナログな写真立てはあっても、デジタルフォトフレームは持っていない。そんな人が多い理由は、デジタルフォトフレームが進化しておらず、不便で飾りたくない見た目だからかも?
実は、そんなデジタルフォトフレームのイメージを完全に変える、超魅力的なデジタルフォトフレームメーカーをアメリカで見つけました。その名はAURA。デジタルフォトフレームを知っている人も知らない人もきっと驚く、すごいメーカーでした。今回はそんなAURAのすごさを紹介します。

学生時代から写真撮影が趣味で、写真業界で働きたいと新卒で大手家電量販店に入社。カメラの専門販売員として国内最大級のカメラ売り場にてソニーやキヤノンなど様々なメーカーのデジタル一眼・コンパクトカメラ・双眼鏡・撮影用機材などの販売を取り扱う。カメラのセミナー講師も担当しており、ジンバル・三脚などの動画撮影機材に関する知識・経験も豊富。カメラ専門誌・テレビ番組の出演歴もあり、フォトマスター準1級を保有、カメラ歴は16年。 その後2021年にマイベストへ入社、カメラの専門ガイドのほかスマートウォッチやスマートスピーカーなどのガジェットのガイドも担当しており、「多角的な比較・正しい情報発信」をモットーに商品の比較検証を日々行っている。
そもそも、デジタルフォトフレームは写真を「生かす」ために必須です
デジタルフォトフレームを知っていますか?タブレットPCのような画面がついた写真立てで、1つのフォトフレームに複数の写真(場合によっては数千枚)を表示できます。
デジタルフォトフレームは1990年代に登場し2010〜2011年ごろに最盛期を迎えた商品ですが、今は正直あまり人気のない商品として認識されているものです。
ですが、老若男女がスマホで写真を毎日必ず撮っている今こそ、最もデジタルフォトフレームを買うべき時代となりました。
撮った写真、どれだけ見返していますか?
写真アプリにある1年前に撮った写真を最後に見返したのはいつですか?前に使っていたスマホから引き継いだ写真は、撮ったあと何度見返しましたか?
数ヶ月前に友人と遊んだ際、撮ってもらった写真は見返しましたか?それ以前に、LINEからダウンロードしましたか?正直な話、特別なことがなければ撮影した写真を見返すことって少ないと思いませんか。
楽しかったから、感動したから、時間が経っても思い出したいから。そんな理由で撮っていたはずの写真を見返さないのは、とてももったいないことです。

写真を見返さないなら、撮った写真は「死んで」いるようなものではないでしょうか。
そう思うと、見返されない写真ばかりのアルバムアプリって、写真の墓場みたいですよね。
写真を「生かす」なら、デジタル時代の写真立てに飾るべし
スマホのアルバムアプリなどという「墓場」から思い出を救い出し、陽の光の元で「生きた写真」にする。デジタルフォトフレームなら、それができるんです。
単純に写真を見返すだけなら、アプリを開けばいいだけ。そう思う人ももちろんいるのはわかっています。
ですが、「あ、あのときの写真を見返そう」と日常的・自発的に考える人はごく少数でしょう。もし見返そうと心に決めても、何かしらのきっかけがなければわざわざアプリを開くのはやらなくなる可能性が高いと思いませんか?
だから、自発的に写真を見るのではなく、写真を勝手に見せてくれる道具がおすすめ。それができるのはスマホではなく、今では古臭いものと扱われがちなデジタルフォトフレームです。

アナログな写真立てと違って、写真を入れ替える手間なく、何百枚と写真を飾れるのもデジタルフォトフレームならではの優位性です。
じゃあどれがよい?……正直、満足できるものは国内にはなかった
撮ったら飾るべきだ、デジタルフォトフレームを買おう、となったら次に考えるのはどの商品を買えばよいかでしょう。
でも、いざ売り場にいくとデジタルフォトフレームはなかなか買えないんです。自分が実際にそうでした。何故かというと、「ほしくなるデジタルフォトフレームがない」から。
以前、自分は日本最大級のカメラ売り場でカメラや関連商品の販売をしていました。そこで売られていたデジタルフォトフレームは、デザインも設計も2010年ごろのものから進化しているようには思えないものばかり。まったく心が躍りませんでした。
タブレットに負け、消極的な選択しかできない悲惨なラインナップ
もちろん、友人などから聞かれたら複数ある商品の中からおすすめ商品を提示していました。でもそれは、この中から選ぶしかないならこれ、という消極的な選択でしかなく、自分がほしいと思っておすすめしていたわけではありません。
何なら、iPadとかAndroidタブレットを買ったほうが便利だし画面が綺麗ですよ、とまで言っていました。最近なら、Nest Hubなどの画面付きスマートスピーカーを流用するほうが無難とすら感じます。それほどまでに魅力的なものがなかったんです。
写真を飾りたいのに、飾りたいと思えるデバイスがない。正直、デジタルフォトフレーム市場は衰退していて悲惨な状況だと思っていました。
アメリカのデジタルフォトフレームが凄まじくよかったので紹介したい
しかし、悲惨なのは日本のデジタルフォトフレーム市場であって、国外は状況が違いました。アメリカのデジタルフォトフレームを検証してみたら、凄まじく魅力的なデジタルフォトフレームを見つけたんです。
今回は、日本・アメリカで買えるほぼすべてのデジタルフォトフレームを試したと言っても過言ではない自分が、唯一本気で買おうと思ったデジタルフォトフレームメーカー、AURAを紹介します。
日本じゃ知名度ゼロ?君はAURAを知っているか
AURA(会社名Aura Home, Inc、発音はオーラ)は、ニューヨークに本社を構えるデジタルフォトフレームメーカー。アメリカ国内では定番のブランドで、TargetやNordstromといったスーパー・百貨店でも売られています。
AURAのデジタルフォトフレームはアメリカの有名なレビューサイトでも高い評価を受けていて、ニューヨーク・タイムズ紙傘下の「The Wirecutter」がおすすめするデジタルフォトフレーム3機種を、すべてAURAが独占しています。
公式ページはデザインに統一感があり、フォントなどにもこだわりが。デジタル家電メーカーと言うより、インテリアメーカーのような雰囲気が感じられます。
また、Amazonをはじめ、さまざまなECサイトの口コミを見ても高評価レビューばかり。アメリカでの高い人気が伺えます。

アメリカ市場で高い人気を誇るAURAですが、日本のメディア・ブログ・SNSどこを探しても話題にしている人がいません。おそらくこれが国内初レビューだと思います。
ライバルに比べて段違いによい魅力的なガジェットなのに、日本で話題に一切なっていなかったのは、デジタルフォトフレームに対する注目度の低さの現れでしょう。ちょっとだけ悲しくなりました。
魅力しかない!なかでも、とくにすごかった3つのポイント
今回紹介するのは、AURAのラインナップのなかでもスタンダードなAURA Carver(左)とAURA Mason(右)の2機種です。
基本的な性能は共通ですが、Carverは1,280×800(画面比率16:9)の10.1インチHD解像度のディスプレイで横置き専用。Masonは1,600×1,200(画面比率4:3)の9インチ高解像ディスプレイで、縦横両置き対応です。
解像度と画面比率に差がある程度の2機種で、どちらも圧倒的に魅力的なデジタルフォトフレームでした。魅力的な点を説明するとなるとデバイスのすべてについて説明しないといけないほど素晴らしいため、今回は3つのポイントに絞ってレビューします。

画面の比率や解像度的にはMasonのほうが写真を飾るデバイス向きに感じますが、Carverは縦写真を2枚並べて表示する機能があり、縦写真を多く撮るスマホ写真家ならむしろCarverが好みかもしれません。
すごかったポイント①外観:ずっと眺めていたいほど、美しいディスプレイとデザイン
写真を見るデバイスとして最重要な画面部分も、初見で思わず声が出るほど美しいものでした。
画像左側がAURA Carver、右は国内で買えたデジタルフォトフレームのなかでも画面が美しかったNixplay(これも海外ブランドです)のデジタルフォトフレームです。
比べてみると、ディスプレイは非常に発色がよく、細部に目を凝らしても驚くほどシャープ。CarverとMasonで解像度の違いがあるのですが、違いを感じないほどどちらも美しいディスプレイです。
また、ディスプレイ表面は低反射加工がされていて、どの角度から見ても反射が気になることはありませんでした。
今まで、10インチクラスの画面では、iPadが最も美しいディスプレイを搭載していると思っていましたが、それと比べても画面品質は上だと思ったほどきれいです。
鮮やかかつ高精細なディスプレイと低反射加工が組み合わさり、専門店で紙焼きしてもらった美しい写真を見ているような美しさ。よい意味でデジタルらしくない美しさがありました。
所有欲を満たすデザイン・佇まいがオタクにも刺さる
また、AURAのデジタルフォトフレームはデザインも魅力的。ほかにも複数の商品がありますが、これらを含むAURAのデザインは、日本のデジタルフォトフレームと全く異なります。
本体は厚みがあり、外見からは悪い意味での家電製品っぽさを感じません。むしろ家具やインテリアのような佇まいで、シンプルながら高級感があり、どんな家のインテリアにも馴染む雰囲気です。
国内で見かけるデジタルフォトフレームは、安いタブレットPCや2,000円程度の額縁のようなルックスなので、ディスプレイの美しさだけでなくモノとしての佇まいの違いでも驚きます。

実物は写真で見る以上に高級なインテリアっぽさがあり、写真では高級感が100%伝わらないのが残念で仕方ありません。手に取るとズシっとした重さがあり、モノとしての価値がほかとは別次元。
自分は濃いめのガジェットオタクであると自覚しているんですが、そんな自分ですら所有欲が満たされました。カメラオタクの視点でいうと、機能美を突き詰めたSIGMAのカメラが好きな人にとくに刺さる商品だと思います。
すごかったポイント②操作性:究極にシンプルだが、よく考えられたUIとUXで快適
何でもかんでも画面をタッチして操作する時代ですが、なんとAURAはタッチパネル非搭載。操作はすべてスマホアプリから行います。
もちろん、物理操作を受け付けないわけではありません。本体上部にはタッチ・スライド操作に反応するバーがあり、写真送りに加えて写真の非表示操作が可能です。
はじめは画面タップがないことに戸惑いましたが、あえて画面タップを除いたのは非常に合理的でした。画面タップは便利に思えますが、フォトフレームとして最も大切な画面が指紋で汚れてしまいます。
AURAの開発者が、ユーザーの写真鑑賞体験を最高のものにしたいと考え抜いた結果の最適解だったのでしょう。デジタルデバイスにおけるUXはもはや既視感のあるものばかりで感動することが減りましたが、あえてタップできない仕様にしてもUXを損なわないどころか改善されていて驚嘆しました。

AURA自身、「We're a design and experience-led company(私達はデザインと体験主導の会社である)」と言っているように、まさに美しいデザインと心地よいUXを両立しています。
明確な思想のある、引き算されたシンプルで快適なUIデザインはガジェット関連で久しぶり。ガジェットオタクであればあるほど感動するはずです。
すごかったポイント③写真転送:ストレス皆無!本当にスマートな唯一の商品
デジタルフォトフレームをセットアップした後に、最も多く行う行為は写真の転送です。今までのデジタルフォトフレームはUSBメモリやSDカードに写真を追加する必要がありましたが、近年はWi-Fi対応のものが増えていて、スマホから写真を送れるようになっています。
例にも漏れず、AURAもスマホアプリから写真を送るタイプのものですが、写真転送がほかのWi-Fi対応モデルと比べても非常に便利でした。
適当に選んで送ればOKなのはAURAだけだった
アプリから送りたい写真を選択するだけですが、ほかと違うのは同時に送れる枚数に制限がないこと。検証してみたら、日本・アメリカ両国で売られているWi-Fi対応モデルでも同時に9枚までしか送れないものもあったことを踏まえると、非常に便利でしょう。
AURAは動画の転送・表示にも対応していますが、動画も複数同時選択・転送も可能(長尺の動画は30秒にカットされます)。動画の複数転送ができない機種が多く、そもそも動画を送るなら月額課金サービスが必須であるものもあるなか、何も考えずに転送できるのは画期的です。
しかも、静止画・動画を同時に複数選択できるので、何も考えずに選んでもすべて一気に送れます。さらに複数のAURAへの同時転送も可能です。

ちなみに、写真はAURAのクラウドサービス上に保存される仕組みですが、保存できる枚数は無制限。Flickrをはじめとする写真共有専用のサービスですら枚数無制限をやめた昨今、デジタルフォトフレーム専用のサービスとはいえ無制限なのは驚愕です。
また、iPhoneのLive Photoをそのまま「動く写真」として転送・再生してくれるのも、ほかのデジタルフォトフレームにはない大きな特徴でしょう。
Google Photoとの連携も!複数スマホと生きる人ほどうれしい
それだけではありません。なんとGoogle PhotoとAURAアプリが連携できるので、AURAアプリからGoogle Photo上の写真を選び、そのままデジタルフォトフレームに転送できます。
Google Photo側で人物やペットの自動更新アルバムを作っておけば、アップロードしたい被写体だけ自動抽出し、そのままスマホに写真をダウンロードせずAURA側に投稿が可能。
自分のように複数のスマホやカメラを使っていると、Google Photoに写真を保存しているケースが多いはず。自動アップロードと優秀な被写体検知・振り分けを備えるGoogle Photoとスムーズに連携できるのは、今までのデジタルフォトフレームの概念を変えるほど便利でした。

iCloudのフォトアルバムとも連携しますが、残念ながらAmazon Photosとは連携できませんでした。
なお、スマホアプリ以外にもメールやWebブラウザ経由の写真転送にも対応。PCから直接アップロードできるので、写真は一眼で撮るし撮影後はPCでRAW現像をするようなカメラオタクも安心です。

ちなみに、人物写真を転送すると、人物の顔がちゃんと画面内に写るように自動調整する機能も。とにかく簡単に使えるよう、数々の工夫がされています。
写真を見るのは面倒でなくても、撮った写真をすぐに転送できないと結局写真を転送しなくなり、デジタルフォトフレームを置いている意味がなくなります。
写真転送がいかに簡単にできるかを突き詰めたような設計で、非常に使いやすくほかの商品とは一線を画す商品です。
でも完璧じゃない。唯一かつ最大の欠点が、購入難易度の高さ
AURAのデジタルフォトフレームは、デザイン・性能・使い勝手、どれを取っても非常にハイレベル。しかし、実は1つだけ欠点があります。
AURAは現在、アメリカ・イギリス・カナダ・ドイツ・フランスで販売されており、日本では販売されておらず購入が非常に困難です。
AURA公式サイトもAmazon.comも、日本への直送は対応しておらず(Amazonも販売元が公式でなければ可能ですが)、買うなら輸入代行業者を使うしかありません。もちろん、手数料も時間もかかりますし、慣れていない人は輸入自体不安でしょう。
加えて、本体もアプリも公式サイトもすべて英語。基本的な操作だけであれば英語がわからなくても勘で使えそうですが、細かな設定やヘルプページを読むにはそれなりの英語力が必要です。
もし輸入したとしても、技適の問題もあります。技適マークは本体・アプリどちらでも確認できなかったので注意が必要です。
デジタルフォトフレームとしてこんなに魅力的な商品はないものの、購入難易度があまりにも高く海外通販玄人向け。または、何かあったときに自分でなんとかできる自信がある人向けの商品です。

ちなみに、AURA Carverは$149、AURA Masonは$199と意外と安め。画面の質はiPad並と考えたら激安です。
【まとめ】理想形だが、購入難易度が懸念。日本に来てもらえるよう祈ろう
AURAはハードウェアもソフトウェアもしっかり考えられており、ここまで出来のよいデジタルフォトフレームは今までありませんでした。使えば使うほど感動する一方で、悔しい思いも浮かんできました。
アメリカではこの魅力的な商品が何の障壁もなく一般流通し、生活のなかでAURAに出会う機会があります。一方で、日本においては購入も使用もハードル高め。このコンテンツを読んでいるあなた以外は、そもそもこんなによいデジタルフォトフレームがあることすら知らないわけです。
この差はつまり、写真の楽しむ余地がアメリカよりもないと言い換えられます。たった1ブランドのデジタルフォトフレームがあるかないかの違いですが、AURAが選べるアメリカはズルいとすら思いませんか?
あなたの力を借りたい。AURAにラブコールを
この悔しさを解消するには、AURAに日本参入してもらうしかありません。
ここまで読んでいただいたら、ぜひAURAを話題に取り上げて、日本参入を待っている人間が多いことをAURAに知らせるお手伝いをしてください。写真の楽しみ方を広げるためにも、どうかご協力をお願いします。
(執筆/マイべマガジン編集部・穐田純也)

なお、アメリカで販売されているデジタルフォトフレームを比較したコンテンツはこちらです。アメリカ版マイベストのコンテンツのため英語で書かれているんですが、もし興味があればこちらもぜひ読んでください。