近年進化のソーラーパネルの実用レベルは?3日間自家発電だけで仕事や生活できるかガチ検証してみた(3日目)
自給自足にこだわりがあるマイベストのアウトドア担当・舘岡が、上司に頼み込んでソーラーパネルで3日間のリモートワーク生活をしました!その生活を通してわかったソーラーパネルの実際どう?を解説する企画の最終日です!1、2日目をご覧になっていない方はそちらから読むのをおすすめします。
2日目は曇天だったものの、出張発電をすることで翌日分の電力を蓄えることができました!最終日は何事もなく過ごせる予定でしたが、本当に問題なく検証を終えることができるのか?スタートです!

防犯・防災の総合危機管理専門家として活動しており、護身術や防災グッズなど防災・防犯対策や危機管理業務について、企業・自治体・大学向けに実技指導・講演会・セミナー・監修を行うほか、TVや雑誌などメディアにも出演。43歳で硬式空手のチャンピオンとなっており、引退後に危機管理のアドバイス活動を開始。防犯・防災対策を実技と知識両方で広めるべく、活動している。

キャンプ歴は10年以上でキャンプインストラクターの資格を保有。焚き火を囲んで料理を楽しむキャンプはもちろん、蛇や虫を食べるサバイバル寄りのキャンプ・秘境探検などの幅広いアウトドア活動を行なっている。自身の経験や知識を活かし、現在はマイベストにて誰もが知ってるメジャーブランドから、通好みなマイナーブランドにいたるまで、幅広い商品を徹底的に比較・検証している。「初心者から上級者まで幅広く楽しめるギア選び」をモットーに、ユーザー目線に立ったコンテンツ制作を心掛けている。
こんにちは!
こんにちは!舘岡と申します。
「マイベスト」のアウトドア担当として100商品以上のキャンプ道具を検証してきました。プライベートではひとりで山にこもり、サバイバルっぽいキャンプをしています!
サバイバルスキルが人一倍高い舘岡ですが、地震大国の日本では大自然のなかでサバイバルをするよりも、災害時に生き残ることのほうが重要ですよね。
そして、災害時の生活で最も困るのが、停電による電力不足です。今回は防災アドバイザーのおりえさん監修のもと、普段は山のなかでサバイバルをしている舘岡が、今回は山を下りて自宅での自家発電生活に挑みます!
3日目:突然の絶体絶命!?とうとう検証失敗か!
8時:そこまで曇っていないので、今日も問題なく過ごせそう!(4%)
おはようございます。とうとう最終日ですね。
空は若干曇っていますが、雲の間には青空も少し見えているため、たくさん発電できるのではないでしょうか。また、昨日ソーラーパネルを持ち出して電力を溜めたので、余裕があります。
今日1日を穏やかに過ごせそうですね!
朝の日課、ポータブル電源の確認
んん??4%…!?
昨日までは確かに40%あったはず!
見間違いかと思いましたが、そこに表示されているのは確かに4という数字。
原因を考えた時に真っ先に思いついたのが、給電の切り忘れ。ACの挿し口を見るとWifiルーターとノートPCの充電ケーブルが刺さっているではありませんか。
おそらくこうでしょう。昨日寝るときにノートPCとWifiへの給電を切り忘れて一晩中浪費し、電池残量が0%になり給電が切れた。その後太陽が上がってきて、4%まで充電できた。
せっかく何事もなく過ごせると思っていたのに…。とりあえず仕事が始まるので、限界まで使用しようと思います。
12時:とうとう最後の時が来た(0%)
やはり発電量が追いつくはずもなく、0%になってしまいました。ここからはノートPCのバッテリーを使用していくしかないでしょう。Wifiルーターの給電もできないので、スマホのテザリングを使用してインターネットにつなげます。
ノートPCの電池が切れて上司に怒られるまでリーチがかかりました…。こんな状態でも仕事に集中できる私ってなかなかすごいと思います。
15時:本当にやばい!!(3%)
仕事中にバッテリー残量低下のポップアップが表示され、とうとう限界を迎えそうです…!ノートPCの電池が切れ、仕事をしなかったことで怒られる光景が鮮明に見え始めました。
とっくに太陽が差し込まない時間になっているので、ポータブル電源には電力も全然溜まっていません。あと30分ほどでノートPCの電池も切れるでしょう。あと少しだったのに、本当にくやしいです…。
雲の間で輝く好転の兆し!!
ふと窓の外を覗くと、雲の切れ間から太陽が出かかっているではありませんか!これはまた昨日と同じように土手に行けば、発電できるのではないでしょうか!
さっそくノートPCをリュックに入れ、ソーラーパネルとポータブル電源をもって外に出ました。
15時半:今日も土手に足を運びました(1%)
まだここで仕事をするのは2回目ですが、昨日よりも抵抗感が消え、ここでの作業に謎の安心感が芽生えてきました。そして、なんとこの日も昨日と同じ時間帯に、同じおじさまに話かけられました。
おじさま「またあんちゃんかい。今日も仕事?」
舘岡「そうです!でもここでの仕事も今日が最後です。」
謎の寂しさを感じながらもお別れをし、ソーラーパネルの発電量を確認してみました。
太陽光で96Wは発電されていますね。スマホの充電に換算すると、1時間で8.5回満充電にできる発電量。昨日ほどの発電量ではないですが、これでピンチは乗り越えられそうです!
ノートPCの電池残量が限界のため、このあとポータブル電源から給電していますが、ソーラーパネルの発電量のほうが多いので、電池が溜まっていくことが期待されます!
リモートMTGはこんな感じ
この日も打ち合わせがあり、リモートでMTGに参加しました。
ほかの参加者にスクリーンショットを撮影してもらった画像がこちら。青空の背景が素敵ですね!
この生活ももう少しで終わると感じたら、寂しいものを感じてきました。
17時:ピンチは乗り越えました!(31%)
1.5時間で31%まで充電することができました!これだけ電力があれば、余裕をもって1日を乗り越えられそうですね。
暗くなるにつれ発電量は減少していき、太陽が地平線に隠れるぎりぎりのところで帰宅しました。
19時半:最終日の晩餐(27%)
無事に業務を終え、ガスバーナーで防災食を調理します。この日のメニューは卵がゆです。
実はより災害時を忠実に再現するため、防災グッズで生活をしており、毎日災害時用の非常食を食べていました。ソーラーパネルでの生活と同時に、防災グッズでの生活も終わります。
3日目の振り返り:本当にもうだめかと思ったけど、天気に救われた
ほとんど私のヒューマンエラーのせいですが、危機的状況にも拘わらず無事に1日を終えることができました!最終日にノートPCとWifiルーターしか使用できなかったのはくやしかったですね…。正直ソーラーパネルとポタ電を持ち運びするのはだいぶ骨が折れます。車で移動するか、キャリーカートで移動するのが一番良いと思いますよ!
3日間のソーラーパネル生活のまとめ:季節・天気・立地によってはリモートワークや生活ができる!
今回の検証の目的は、近年進化しているソーラーパネルで発電した電力だけで、リモートワークや生活ができるのかを解明することでした。結論からいうと、季節・天気・立地次第では可能ということが判明。当たり前かもしれませんが、これが真実です!
1日目を振り返ってみましょう。まず季節ですが、6月は4時半の段階ですでに太陽が出ており、早い段階から発電を開始できました。天気においては申し分なく、立地においても、午前中はしっかりとベランダに日が当たり、効率よく発電。その結果、1日中ノートPCやWifiを使用できることはもちろん、サーキュレーターなどの季節家電も併用でき、とても快適でした。
2日目を振り返ると、朝から天気が良くなく、ほとんど発電ができませんでした。太陽光が差し込む午前中に天気が悪いと、ソーラーパネルとポータブル電源を持ち出して発電する必要があることが判明。土手まで持ち運ぶのにとても苦労しました。
3日目は私のミスで、2日目に苦労して溜めた電力の大半を無駄に。朝から絶望的な気持ちになりましたね!結局2日目と同じように出張発電をして、無事に検証を完了させることができました。
次に防災グッズとしてのソーラーパネルについて、実際の災害時では、最低限命に関わるものから電力を使用します。冬であれば電気毛布、夏であればサーキュレーターなどを使用すれば、災害時の生活で熱中症や低体温症を防げるでしょう。
今回の検証では、消費電力が43Wのサーキュレーターを7時間使用しても、電池残量に余裕がありました。電気毛布も同程度の消費電力のため、天気が良ければこれら季節家電を長時間使用できるでしょう。

防災用にソーラーパネルとポータブル電源を使用する場合は、舘岡さんがいうように最低限命にかかわるものから使用するようにしましょう。
能登半島地震や東日本大震災では、多くのひとが低体温症に悩まされました。サーキュレーターや電気毛布など、消費電力が低い季節家電を使用できるのが、災害時におけるポータブル電源の一番の利点といえます。