
25万円のスマホを買ったら、日常の見え方が変わった。|Xiaomi Leica Leitzphone
モノズキ編集者(買い物マニア)が日々買った物の中で、「みんなに買ってほしい!」な、暮らしの新定番を紹介する企画。
第二弾は、中国のAppleとも呼ばれるXiaomiが、カメラメーカーLeicaとコラボしたカメラ特化スマートフォン。猫や旅・記事撮影用のコンパクトデジタルカメラを探すなか、たどり着いた最高のスマホを紹介する。

2012年に雑誌や書籍の出版を行う晋遊舎に入社。2019年にテストするモノ批評誌『MONOQLO』編集長、2020年にホンモノがわかる家電情報誌『家電批評』編集長に就任。 2021年5月よりマイベストに入社。コンテンツ制作部長を経て、新規に創設されたクオリティーコントロール部長に就任。様々なジャンルの企画書作成からコンテンツ編集までを取り仕切る。2025年8月にマイベストを退社。人生サバティカル期間として、商品レビュー、コンテンツ制作・編集からゲームやAIプロダクトの企画まで、なんでも経験中。
Xiaomi|Leica Leitzphone powered by Xiaomi|249,800円
Xiaomi|Xiaomi 17 Ultra|199,800円

今回紹介しているLeitzphoneは、Xiaomi 17 UltraのLeicaコラボモデル。写真性能や処理性能はXiaomi 17 Ultraと同じで、違いは以下。
- 本体デザイン:基本はLeitzphoneと同じだが、ライカロゴ、側面のスリット加工、カラーなどの違いあり
- カメラ操作:Leitzphoneはレンズ部分に回転式の物理ズームリングを搭載。カメラのように回転させることで、ズーム操作や露出補正などを行える(自由に設定可能)
- カメラモード:Leitzphoneはライカと共同開発し、ライカの名機「Leica M9」「Leica M3」の写りを再現するモードあり
- スペック:Xiaomi 17 Ultraは512GB・1TBから選択可能。Leitzphoneは1TBモデルのみ
- その他:OSのテーマ設定にLeica監修のモードあり
個人的に大きな違いは「カメラ操作」と「カメラモード」のみ。多くの人にとっては5万円の差に見合うかというと、正直厳しい。Xiaomi 17 Ultraで十分だ。
猫を気軽に最高に可愛く撮影したい。次いで旅や仕事。その結果、「スマホ」を選んだ
ここ最近、日々持ち歩けるカメラを探していた。
ポケットに入るくらい小さくて、iPhone(メイン使いはiPhone Air)よりも画質がよく、望遠も綺麗に映るもの。
昔雑誌でカメラ特集をしていた頃から「趣味としてでなく、旅先や日々の思い出写真ではカメラは不要」というポリシーで生きてきたが、それを変えたきっかけが猫だ。

iPhone Airで撮影した写真

α7iii(フルサイズ)で撮影した写真
私生活で猫と触れる機会が多くなったが、最高に可愛い瞬間があるのにスマホではなかなか理想の撮影ができない。
手持ちのフルサイズミラーレス(SONY α7iii+ズームレンズ)で撮影すると確かに綺麗だが、持ち歩くには大きすぎるし、猫が意外と怖がってしまう。
また、最近旅行や散歩が趣味になり、スマホで標準的な27mmよりも狭い画角+望遠の方が撮っていて楽しいと気づき、ついでに記事用の物撮りも望遠でできると良いと思い始めた。
検討に上がったのが、RICOHのコンパクトデジタルカメラ GR IIIx。
5年前の発売ながらいまだに抽選販売でしか手に入らない超定番モデルで、40mmという楽しい画角にAPS-Cセンサー、ポケットに入るサイズと条件が揃っている。
ただ、1年間で4回ほど抽選に応募して全て外れた。一向に当たらない。

そこで目が向いたのが、カメラ特化のハイエンドスマホだ。
近年、各社のフラッグシップスマホは「薄さ」「折りたたみ」「カメラ」の3点で凌ぎを削っており、中国メーカーは高級カメラメーカーの監修を受けた端末でとりわけ際立っている。
XiaomiはLeica、OPPOはHasselblad、VIVOはZEISS、realmeはRICOHが監修するという状況。
色味を盛って綺麗に見せる方向ではなく、センサー大型化やペリスコープ望遠の進化に加えて各ブランドの監修によって「光と影のコントラスト」や「その場の空気感を残す」といった写真としての質が段違いになってきている。
常にポケットに入り、撮りたい時にすぐ撮れて、望遠もカバーでき、撮影画像は自動でバックアップ&共有もできる。
GR IIIxが当たらないなら、Android機能付きのカメラとして割り切って買うのはアリではないか——そう思い始めた。
そのタイミングで発売が発表されたのが、Xiaomi 17 Ultra/Leitzphoneだ。
過去にマイべマガジンでも取り上げたXiaomi Ultraシリーズは日本モデルがなく個人輸入を検討していたところに、グローバルモデルの日本発売。

前モデルからの進化として、レンズは全てLeicaと共同のSummiluxになり、1インチセンサーの5000万画素広角・1/2.0インチの5000万画素超広角・1/1.4インチの2億画素望遠という3眼構成。
暗い場所でも強く、100mmまで光学ズームで綺麗に撮れ、Leica監修の撮影モードもある。
結果、テンションも上がり、独自のデザインとLeica M9モードに惹かれてLeitzphoneを購入した。
ちなみに、スマホとしての性能もSnapdragon 8 Elite Gen 5搭載、メモリ16GB、バッテリーの持ちも申し分なく、現在最強クラスだ。
撮れる確率が上がった。初めて「撮影」が楽しくなった

このスマホの価値は「画質」ではなく、どれだけ"撮れる状態"を作れるかにある。常に持ち歩ける、すぐ起動できる、望遠までカバーできる——この3つが揃うことで、「撮りたいのに撮れなかった瞬間」がほぼ消えた。
ここからはカメラとしての体験レビューになる。以下の写真は撮影モードをLeica M9モードに統一し、基本は撮ってだし(無加工)。一部、AIビューティ+Leicaのナチュラルフィルターを適用している。撮影者は素人だ。



猫撮影で重要なのは「画質」よりも、警戒されずに距離を取れることだ。光学ズームは75〜100mmだが、2億画素の大型センサーをクロップするインセンサーズームにより200mm相当まで全く違和感がない画質になる。
そのため食事中の猫にもバレずに撮影できるし、フルサイズ機のような「存在感」もない。
Leitzphoneならではの物理ズームリングだとレンズを回転させるだけでズームが変わり、猫撮影との相性が特に良かった。



スマホとして肌身離さず持ち歩いているからこそ、ふとした瞬間の撮り漏れもだいぶ減った。
ズームリングを回転させるとカメラ起動・撮影が即座に行える操作感も気持ち良い。



写真の素人が何も考えずシャッターをタッチするだけで「っぽい写真」が撮れるのは、いわゆる"盛るスマホ写真"とは逆方向のチューニングによるものだ。
ハイライトが飛びすぎず、シャドウを潰しすぎず、結果として記憶に近い絵が残る。
日常生活で「なんとなく綺麗だな」と思ったシーンが、脳内の色彩そのままに保存される感覚がある。



一般的なスマホの最短撮影距離が2.5〜5cmで接写対応している一方で、Leitzphone/Xiaomi 17 Ultraは30cmとやや遠い。
食べ物の撮影はその分離れて望遠で撮る必要があり、少し手間がかかる。
それでも仕上がりは、コントラストが過剰でない自然な色味で、記憶に残る写真になった。


スキー場でPhotographKitを装着しながらスノーボードに乗ったまま200mmで撮影したのが上記だ。
手ブレしながらでもしっかり写っていて驚いた。


驚いたのが星空撮影。夜空にかざすと自動で星空モードになり、手持ち露光でこの仕上がりになる。
iPhoneやSamsungなど複数のスマホで夜空を撮ってきたが、最も手軽で仕上がりが良い。





旅先での風景も、散歩中のスナップも、どういう写真を撮ろうかと考えながら歩くようになり、今まで見ていなかった街の一角に目が向くようになった。
カメラが変わったら、散歩自体が楽しくなった。
気づいたら写真エッセイになった。でも、それがこのスマホの本質だと思っている。
カメラが趣味ではない僕にとっては機動力も写りも文句がない。UIにいくつか課題はある(フィルターを起動するごとに選択し直す必要があるなど、若干の使い勝手の悪さを感じる)が、PhotographyKitをつけていてもポケットに入り、最新スペックのスマホでもあるので写真の共有もスムーズだ。
「良いカメラを持つと、日常の見え方が変わる」とよく言う。それがスマホで起きるとは思っていなかった。撮るものを探して歩くようになると、街の解像度が上がる。以前は素通りしていた場所で足が止まる。カメラが変わったというより、日常の見え方が変わった。それがいちばん予想外の発見だった。
ただ、約25万円はやはり高い。
今回の記事を読んで欲しくなった人の多くは、約20万円のXiaomi 17 Ultraで十分だと思う。Leica M9フィルターと物理ズームリングは確かに最高だが、5万円分の価値があるかというと、ほぼ自己満足の世界。
合理で選ぶならUltra、体験で選ぶならLeitzphoneだ。
(写真・執筆/浅沼伊織)
