マイべマガジン by mybest
メニュー
【最新XRグラスがすごい!】9万円のメガネ型ディスプレイ『VITURE Luma Ultra』で"寝ながら映画"がクセになった

【最新XRグラスがすごい!】9万円のメガネ型ディスプレイ『VITURE Luma Ultra』で"寝ながら映画"がクセになった

この記事を共有する

かけるだけで、目の前に大画面152インチが登場する魔法のメガネ。それがVITURE Luma Ultra。


ただ、この商品のキモは「目の前に大画面が浮かぶこと」じゃなく「コンテンツに対して、姿勢を選ばずに済む」ことでした。


本体9万円、専用ネックバンドを足して13.5万円。決して安くはない。


でも、ベッドで、リクライニング椅子で、飛行機で。「"姿勢"を選ばない大画面」としての価値は、想像以上


機内エンタメ、寝ながらの映画、リクライニング椅子でのゲーム、出張族の仕事道具。シーン別の使い心地と、9万円の元が取れる人/取れない人まで、まるごとレビューします

2026.06.30
浅沼伊織|元マイベストCCO
ガイド

2012年に雑誌や書籍の出版を行う晋遊舎に入社。2019年にテストするモノ批評誌『MONOQLO』編集長、2020年にホンモノがわかる家電情報誌『家電批評』編集長に就任。 2021年5月よりマイベストに入社。コンテンツ制作部長を経て、新規に創設されたクオリティーコントロール部長に就任。様々なジャンルの企画書作成からコンテンツ編集までを取り仕切る。2025年8月にマイベストを退社。人生サバティカル期間として、商品レビュー、コンテンツ制作・編集からゲームやAIプロダクトの企画まで、なんでも経験中。

浅沼伊織|元マイベストCCOのプロフィール
…続きを読む

メガネ型デバイス(XRグラス)が、ようやく本気の時代に入ってきた

2026年、メガネ型デバイスが一気に増えました


Meta Ray-Banが5月に日本上陸、Googleも秋にAI搭載グラスを出す予定。「いつかくる」と言われ続けてきたジャンルが、ようやく「もう来てる」フェーズに入った感覚があります。


ただ、ややこしいことに、ひとくくりに「XRグラス」と呼ばれるこのジャンル、中身は別物が混ざってます。Apple Vision Proのような没入型ヘッドセット、Meta Ray-Banのようなカメラ+AIのメガネ、そして今回試したVITURE Luma Ultraのような「メガネ型ディスプレイ」


「メガネ型ディスプレイ」は、Apple Vision Proとは別物です。手元のスマホやPCの画面を、メガネで浮かべるシンプルなディスプレイ装置だと押さえてもらえれば、後の話がスムーズです。

メガネ型ディスプレイの現在地、VITURE|Luma Ultra(8万9880円)

メガネ型ディスプレイの現在地、VITURE|Luma Ultra(8万9880円)

VITURE(ヴィチュア)は、2021年創業の中国・深センのメガネ型ディスプレイメーカー。元々はクラウドファンディング発で、いま日本市場にも食い込んできているブランドです。


今年の5月に新しいモデルであるBeastが発売されましたが、それでも今回レビューするLuma UltraはVITUREの最上位モデル。


そして、メガネ型ディスプレイとしても現状最高クラスです。あとは、これが「9万円の価値ある体験」をくれるかどうか。


SPEC

  • ディスプレイ:SONY製マイクロOLED、1920×1200(片目)、120Hz
  • カメラ:RGB×1 + グレースケール深度×2
  • IPD対応範囲:58〜70mm
  • 接続端子:マグネット式USB-C
  • 視野角:52°
  • 最大輝度:1500ニト
  • 重量:83g
  • 視度調整:-4.0Dまで
  • 電子調光フィルム搭載
  • 音響:ハーマンカードン監修 空間オーディオ
  • ネックバンド使用時:6Dof対応、ハンドジェスチャー操作可

XRグラス、何個試しても刺さらなかった僕が、今回手を出した理由

今までXRグラスはいくつか試してきました。ただ2年ほど前までのモデルは、画面が暗い、画質が満足ではない、などなど不満が。


コンセプトは最高なのに、技術が追いついてない感じで、そこまで感動もなし。1〜2週間で使わなくなりました。


ただ、今回のLuma Ultraはたまたま海外レビューを読んで、「あれ、これは進化したのかも」と。ソニー製のマイクロOLED、電子調光(レンズが自動で暗くできる)、視度調整(-4.0Dまで視力を補助)、6Dof(上下左右前後の動きに対応)。すごい全部盛り。


スペックだけ見ると、今度こそモニターの前に座る前提じゃない仕事環境を実現できそうな完成度でした。


ただ、結論から言うと、その期待は半分叶って、半分挫折。ここから先は、なぜそう感じたのかを、順に書いていきます。

ソニーのマイクロOLED×ハーマンで、画質音質に文句なし

ソニーのマイクロOLED×ハーマンで、画質音質に文句なし

まず、ハードウェアの完成度から。結論、文句なしです。


画質は、過去使ったXRグラスの中で圧倒的に頭ひとつ抜けています。色のメリハリ、黒の沈み込み、輝度。

比較対象として、いまマイベストから借りているXREAL Oneも並べて使ってみましたが、Luma Ultraのほうが映像にメリハリがある。差は明確でした

音は、ハーマンカードン監修の空間オーディオ。

低音もちゃんと出るし、開放型なので耳をふさがず周囲の音も聞こえる。映画やゲームにもバッチリ。ベッドで映画を見ても、家族との会話を遮断せずに済む構造です。

電子調光フィルムも秀逸。ワンタップで「素通し」「半透過」「完全遮光」を切り替えられて、リビングの明るい環境でもしっかり没入できる。

地味に、これが今回一番感動した機能かもしれません

操作系も、本体の物理ボタンで音量・輝度・調光モード切り替えができて、繋ぐだけで動く手軽さ。Wi-Fi設定もアプリ起動もいらない。接続端子はマグネット式USB-Cで、ケーブルの抜き差しもストレスフリーです。


視度調整も本体内蔵で-4.0Dまで対応。メガネを外して使えるのは、地味だけど大きい。ただし、乱視調整は不可で、乱視が入ってる僕の場合、そこは少し残念でした。

唯一気になったのが視野角(グラスをかけた際に視界の中に広がる範囲のこと)。52度は過去のXRグラスの中では平均的ですが、もう一段広いと「映画館」感が増します。

同じVITUREの新製品Beastは58度と広いらしくて、ここはちょっと羨ましい部分でした。

三半規管が弱い僕でも、酔わなかった

ちなみに、僕は三半規管が弱いです。

タクシーに数分乗っただけでも酔うレベル。VRゲームを試した時は、5分で頭痛が来て撤退した経験もあり、それでMETAのOculus Quest 3はタンスの肥やしになりました。


そんな僕がLuma Ultraを1ヶ月使った結果、酔いは出ませんでした

Macやネックバンド接続時の6Dof(自分が自由に動いても画面が空中に固定される)状態で、複数のモニターを頻繁に切り替えるシーンでは、ほんの少しラグや揺れはありましたが、座って使う、寝ながら使う、リクライニングする、というシーンではほぼ問題なし。


「VRで酔う体質だから、XRグラスもダメだろうな」と諦めていた人、Luma Ultraは試してみる価値があります。

装着感も良好。

AirPods Maxの締め付けやOculus Quest 3の苦しさを人より感じやすいタイプの僕ですが、Luma Ultraは83gと軽く、長時間つけていても全く気になりませんでした

本体にバッテリーがないのも大きいと思います。

機内の最強エンタメ装置だった

個人的に一番真価が出たシーンが飛行機です。

これまで様々な飛行機グッズや旅行用ガジェットを試してきましたが、Luma Ultraは今のところ過去最強の機内エンタメ装置でした。


長距離フライト、これまではスマホスタンドを座席前面に固定して映画を見るスタイル。けど、視線が下向きで首が痛くなるし、画面が遠い。手持ちにすると首がもっと痛い。要するに「画面に身体を合わせるしかない」構造でした。

そこでLuma Ultraを試したのが今回。スマホにUSBケーブルを繋げるだけで、視線をまっすぐにしたまま、目の前に大画面が浮かぶ(ミラーリングなのでスマホ画面はついたままですが)。


スマホにダウンロードした映画を見たり、Steam Deckでゲームをしたり。ネックピローに頭を預けて、リクライニングしながら、首をまったく動かさずに2〜3時間。


「身体に画面が合わせてくる」感覚への切り替わり。機内エンタメ装置として、劇的に変わりました

ちなみに、横にいた妻にも試しに渡してみたら、機内で『ザ・ボーイズ』の新シーズンを3時間ほど見ていました。

妻は強度近視で、Luma Ultraの視度調整-4.0Dではちょっと足りない範囲なんですが、それでも「これすごい」って何度も言っていて、家に帰ってからもう一度借りに来たくらい。動画用途なら強度近視でもアリ、という発見でもありました。


出張族・旅好きには本気で刺さる商品だと思います。

ベッドの天井、リクライニング椅子の真上に152インチが浮かぶ

飛行機で「これは何か違うかも」と感じたあとは、家でいろんな姿勢を試しました。


普段、ゲームをするときは前傾姿勢になって、肩こりと首こりがエグくなるタイプ。リビングのソファで動画を見ても、視線が下向きになって首が疲れる。Luma Ultraは、それを全部リセットしてくれます。


結果から書くと、Luma Ultraの真価は「コンテンツに対して、姿勢を選ばずに済む」こと。これに尽きると思います


具体的にクセになった組み合わせはこれ。

Steam Deck × リクライニング椅子

Steam Deck × リクライニング椅子

ケーブル1本で接続。リクライニングを最大まで倒して、ほぼ真上を向いた状態でゲーム。Steam Deckが手元にあるだけなので、姿勢が完全に自由。

Switch 2 × 格安HUB

Switch 2 × 格安HUB

公式のVITURE Pro モバイルドックが21,800円と高いので、Amazonで5,000円のUSB-C HUBを試したら普通に動きました。


本体下部のポートに繋げば設定いらずで即使用可能。画質も解像度も文句なし。ソファの背もたれに首まで全て預けながらのゲームプレイは最高です。

ベッドで映画

ベッドで映画

暗室モード(電子調光フィルムを最大に)にすると、部屋を真っ暗にしなくても十分没入できる。

寝る前の映画体験としては、過去最強。YouTubeなどの短い動画は操作のめんどくささもあってスマホやタブレットが良いですが、長めの映画なら最強です。

ネックバンド単体駆動が、もう一段便利

加えて、もう一段便利だったのがネックバンド単体駆動です。

VITURE|Pro ネックバンド(5万9980円)

VITURE|Pro ネックバンド(5万9980円)

VITURE Pro Neckband(専用ネックバンド)はAndroid 13搭載でGoogle Playに対応していて、スマホやPCを繋がなくても単体でアプリが動く。さらに6Dof、ハンドトラッキングにも対応(スマホに繋ぐ場合は6Dofは非対応)。

ラインナップは2モデル。8GB+128GBが44,980円、12GB+256GBが59,980円。僕は59,980円の12GB/256GB版を選びました(8GBは公式、各ECともに在庫なし)。

Netflixをダウンロードして動画再生できるし、家の全録レコーダーのアプリを入れれば録画番組まで見られる。


動画アプリは基本なんでも動くので、「寝る前にスマホを持ち上げる動作すらいらない」レベルで便利でした。

ハンドジェスチャーは、上向き&つまむ判定に難あり

ハンドジェスチャーは、上向き&つまむ判定に難あり

ただ、寝ながら使う時の注意点が一つ。


ハンドジェスチャー操作は、ベッドで仰向けに寝た状態だと何度やっても認識されない点。ネックバンドの右側に付いているカメラが、装着姿勢では前下方向を向く設計になっているのが理由だと思われます。


そのため寝ながらはスマホのコントロールアプリで操作しなきゃいけないので、少し面倒です。


また、「つまむ動作(クリックに相当)」の判定も緩め。コツを掴めば思ったより操作はできるんですが、つまむ判定でミスると操作がループしたり、誤動作したり。こちらも地味にストレス


上を向いた状態でも操作できるようにしてほしいのはもちろん、つまむ判定のシャープさも、メーカーに改善してほしい部分。

Macで32:9ウルトラワイド3画面、便利。ただ、仕事のメイン環境にはちょっと厳しい

Macで32:9ウルトラワイド3画面、便利。ただ、仕事のメイン環境にはちょっと厳しい

最も期待していた活用法が、仕事用途でした。


普段、4Kディスプレイを縦横に並べて作業しているタイプ。在宅ワーク主体だと、机に縛られた仕事の姿勢で肩こり・首こりが慢性化します。だから「メガネ型ディスプレイで、外でもウルトラワイド環境が手に入る」「出張族の最強の仕事道具になるはず」と、買う前の期待は大きかった。


結論から言うと、期待は7割叶って、3割で詰まったというもの。

VITUREの専用Macアプリ「SpaceWalker」を起動すると、1画面、3画面、ウルトラワイド表示(最大32:9相当)が選べます。これは確かに便利。

特にウルトラワイド表示。MacBook単体のディスプレイより、作業領域が明らかに広い。複数ブラウザを並べる作業ならちゃんと使えます。

ただ、Mac標準の仮想デスクトップ切り替えと噛み合わないんです。


Mission Controlでウィンドウを掴むときに、視線とジェスチャーの噛み合わせが微妙にズレる。アプリの切り替えが地味にもたつくし、複数アプリ間を頻繁に行き来する作業だと、家では外付け4Kのほうが結局速い。

加えて、僕の場合は乱視が入っているので、Luma Ultra本体内蔵の視度調整(-4.0Dまで)でも細かい文字が読みづらい


ウィンドウ並列3枚(AI+資料+ブラウザ)みたいなガチ作業をすると、解像度を下げても文字が滲んで疲れる。


一応画面に近づいたり、コマンドを使って画面を拡大すれば読めるのですが、それだとウルトラワイドの意味もなく…。

乱視矯正の選択肢がない時点で、テキスト編集や原稿チェックがメインの僕の仕事は、外付けモニターには勝てません。

一方で、Slackやメールみたいな軽いコミュニケーションのレスは、スマホで十分間に合う時代。Luma Ultraが活きるのは「並列3枚で集中して作業したいけど、4Kディスプレイは持ち歩けない」みたいな、出張族のガチ作業シーンに絞られます

僕の結論は、こんな感じです。


  • メイン環境にしようと買うと、ちょっと厳しい
  • でもサブ環境・緊急環境・移動中の作業環境としては、ちゃんと使える(複数・ウルトラワイドがとても便利)
  • 特に超小型ノートPC(GPDなど7〜8インチクラス)と組み合わせると、32:9ウルトラワイドの恩恵が活きる

「机に縛られない仕事環境を手に入れたい」というモチベーションなら、選択肢のひとつになります。

9万円、対比してみると見えてくる「姿勢解放」の一点価値

「で、いくらなら買いなの?」と思った方へ。


9万円、正直、高いと思います。ネックバンド込みの13.5万円ならなおさら。XREALの最新エントリーモデルが67,980円であることを考えると、メガネ型ディスプレイカテゴリでもLuma Ultraの価格は明確に上振れしています。

9万円あればMacBook Neo(少し足せば、ですが)も買えるし、ウルトラワイドモニター+サブモニタを揃えれば作業効率は明らかにそっちが上。「メガネで画面を大きく見たい」だけなら、XREALなどのもっと安価なモデルという選択肢もある。

だから、Luma Ultraの9万円は「画面の大きさ」を買うお金じゃない。「姿勢から解放される」というLuma Ultraにしかない一点に、9万円を賭けられるかどうか。そこに刺さる人なら、元は取れるかと。


僕の本音を言えば、ネックバンド付きで7万円、本体だけなら3万円台。そのラインまで落ちてきたら、全員に即買いをおすすめできるレベルです。

ただ、希望はあります。XREALの廉価サブブランド「XbX」が中国で約4万円のモデルを出してきました。日本展開は未定ですが、メガネ型ディスプレイの価格は確実にこなれていく方向です。


「メガネ型ディスプレイ、ちょっと興味あるな」程度の人は、半年〜1年待つのも一つの手

結局これは「姿勢から解放される、持ち歩ける大画面」だった

結局これは「姿勢から解放される、持ち歩ける大画面」だった

1ヶ月使い倒して、最終的に出した結論はこれです。


VITURE Luma Ultraは、「目の前に大画面が浮かぶデバイス」じゃない。「コンテンツに対して、姿勢を選ばずに済む道具」でした。


公式や他レビューが推している「152インチの大画面」という表現、もちろん間違いではないんですが。

ベッドの天井、リクライニング椅子の真上、飛行機の座席で頭を預けたまま。これらの「これまで諦めていた姿勢」で「不満ない画質&音質」でコンテンツを楽しめるようになる、というのが、Luma Ultraが本当に提供している価値です。

ここに刺さる人なら、買って後悔はしません


おすすめな人

  1. 飛行機を月に何度も乗る出張族・旅好きの人
  2. ベッドで寝る前に映画を見る人
  3. リクライニング椅子でSteam Deckなどの携帯ゲーム機を遊びたい人
  4. GPDなど7〜8インチの超小型ノートPCを使う人
  5. 新しいガジェットを試したい人

おすすめじゃない人

  1. 仕事・作業がメイン目的の人
  2. 机の前にちゃんと座って4Kディスプレイで仕事するのが好きな人(すでに環境が揃ってる人)
  3. 強度近視・乱視の人

家で外付け4Kディスプレイを並べて仕事をするのも、テレビの前にソファを置いて映画を見るのも、結局僕らは「身体を画面に合わせて」暮らしてきました。Luma Ultraは、その関係を逆転させる。画面が、こちらの身体に合わせてくる


9万円は決して安くはないけれど、「姿勢から解放される快感」を一度体験してしまうと、戻れないのも事実

飛行機やベッドのシーンが頭に浮かんだ人は、試してみる価値ありです。

ピンとこなかった人は、半年待って価格がこなれた他社モデルから入るのが正解かと思います。

(執筆・編集/浅沼伊織)

こんな記事も読まれています
VIEW ALL