Xでバズった「iPhoneのフィルム貼り自販機」…ネタ系かと思いきや、意外と革命レベルかも【フィルラボ】
iPhone買って、まずやらなきゃいけないのがガラスフィルム(保護フィルム)の貼り付け。
ひと昔前はズレたり気泡が入ったり埃が混入したりで超めんどくさかったのですが、現在のガラスフィルムは「ガイド付き」のパッケージで販売されていて、誰でも簡単に貼り付けられるようになりました。
しかし!時代はさらにラクチンさとクオリティを私たちに提案してくれています。
それがiPhone用保護フィルム全自動貼付機、通称「フィルラボ」。要はiPhoneのフィルムを自動で貼ってくれる自販機です。
まだ設置場所は限定されていますが、Xでポストされ、9万3,000回のいいねを叩き出したことでも話題になりました。
とはいえ、ガラスフィルムを貼り付けるレベルはどうなのか、フィルム自体は使い物になるレベルなのか、という話題以外の実力の部分が気になるところ。
そこで、マイべマガジン編集部が実際に使ってみたうえで、商品比較サービス「マイベスト」の腕利き検証マンである八幡さん、井上さんに検証協力と評価を依頼し、使っていいのかどうかジャッジします。
本コンテンツの情報は公開時点(2025年8月6日)のマイベストの情報をもとに執筆しております。また、本コンテンツ内の価格情報はすべて税込みで表記しております。

新卒でPC周辺機器・スマホアクセサリー・カーアクセサリーを取り扱うメーカーに入社。法人営業・広報を担当し、商品開発にも携わる。2023年2月にマイベストに入社し、モバイルバッテリーやビデオカメラなどガジェットやカメラの比較・コンテンツ制作を経験。現在では、家電・カーバイク用品など幅広いジャンルのコンテンツ制作に携わる。「専門性をもとにした調査・検証を通じ、一人ひとりに合った選択肢を分かりやすく提案すること」を心がけて、コンテンツ制作を行っている。

自転車安全整備士・自転車技師の資格保持者。大手自転車店の販売員としてママチャリから子供車、スポーツ車にいたるまで幅広い車種の販売だけでなく、整備士として組立・修理を行っていた。さらに、CX・XCO全日本選手権のピットスタッフとしての経験を持ち、選手としても幅広く活動。ロードバイク・シクロクロス・マウンテンバイク・トライアスロンなど経験種目は多岐にわたる。現在はmybestにて、自転車に関わるジャンルのコンテンツを担当し、ユーザーに正確な情報を届けることを心がけている。

徹底した自社検証と専門家の声をもとにした、商品比較サービス。 月間3,000万以上のユーザーに向けて「コスメ」から「日用品」「家電」「金融サービス」まで、ベストな商品を選んでもらうために、毎日コンテンツを制作中。
iPhoneの保護フィルムを自動で貼ってくれる自販機「フィルラボ」
株式会社グローバルコネクション
iPhone用保護フィルム全自動貼付機
フィルラボ
販売価格:2,980円(ガラスフィルム代含む)
- 対応機種:iPhone X〜iPhone 16(第一世代SEとminiを除く)
- iPhone対応モデル詳細
- ガラスフィルムの種類:反射防止ガラスフィルム、のぞき見防止ガラスフィルム、高透明ガラスフィルム
検証時(2025年6月15日)、iPhone SEは反射防止ガラスフィルムが選べず、代わりにブルーライトカットガラスフィルムが選択できました
これが、iPhoneを入れると自動でガラスフィルムを貼ってくれる自販機こと「フィルラボ」です。
ちなみに、「フィルラボ」ができることは、第一世代SEとminiを除く、X以降のiPhoneシリーズのガラスフィルムを貼ること。
ガラスフィルムは「反射防止」「のぞき見防止」「高透明ガラスフィルム」、SE限定で「ブルーライトカット」が選べます。
さらに、貼付け前のクリーニングもしてくれるとのこと。本当ならとても便利ですが……?
【現場で検証を開始】「プロの仕上がり」「2分で完了」は本当なのか。検証を開始します
検証に向かったのは、新宿マルイ本館の地下の「フィルラボ」です。取材班の到着時に行列はありませんでしたが、通りすがりに視線を向ける人は多く、かなり目立っていました。
ただ、「iPhone用保護フィルム全自動貼付機」という機能を表す文字が小さいのでぱっと見でこれが何する機械なのかがちょっとわかりにくい気も。とは言え、そもそも知ってる人じゃないと2,980円はなかなか出さない気もするので想定のうちなのでしょうか。
それはさておき、サイズやフィルムごとの特徴を把握するため、4台のiPhoneを持ち込んでいるので、他の方の邪魔にならないよう配慮したうえで、「プロの仕上がり!」「2分で完了」という謳い文句の内容に注目しつつ、検証を開始します。
ちなみに、直前にもともと貼っていたガラスフィルムとカバーを外し、意図的に皮脂をつけました。
貼付け前のクリーニングの精度を確認するためです。
さっそく始めてみますと、手順自体はとてもシンプルで安心感がありました。モニターの表示に従って、シリーズ、機種(ProとかPro MAXなど)、貼りたいフィルムの順に選択していきます。
ひとつひとつの画像が大きいので選択肢がわかりやすく、注意事項も適切に表示されるなど、ミスが発生しないような配慮を感じましたし、実際にスムーズに進められます。
ちなみに、フィルムの種類は「反射防止ガラスフィルム」「のぞき見防止ガラスフィルム」「高透明ガラスフィルム」の3種類。1台目は「のぞき見防止ガラスフィルム」を選びました。
モニターでの作業が終了したら、決済へ。
ちなみに、支払い方法は現在PayPayとクレカのみ。現金は使えません。
続いては、いよいよiPhoneの投入です。
決済がおわると、施工ボックスからトレイが出てきます。
トレイ内の白線に沿ってiPhoneを置くのですが、どれくらい精度が求められるかわからないので、これがなかなか緊張させてくれます。
しかも、引っ込むタイミングがわりと早い!
ちゃんと置けたか?ちょっとズレてたけど大丈夫か?という不安を残したまま回収されるiPhone。トレイが引っ込むと、扉が閉められ、iPhoneは見えなくなります。
ちなみに、内部で作業が進んでいく途中、筐体から強めの風が吹き出してきました。ガラスフィルムを貼り付けている際に埃を混入させないための機能なのでしょうか。だとしたら、かなり丁寧だと言えます。
扉が閉まった時点からタイム計測を開始したところ、結果は2分43秒。“2分台”ではあるので、まあまあ許容範囲と言える範囲でしょうか。
そして排出されたiPhoneを取り出してみると、ガラスフィルムの上にカバーが付いていました。
この辺りも仕事の丁寧さを感じさせます。
そして、カバーを剥がして、遂に完成!
……なのですが、気泡が入っている。わりとがっつりと!
やっぱり、トレイにiPhoneを置いたとき、若干ズレていたのが良くなかったのか?
ここはひとつ、詳しい人、つまりマイベストの検証マンの意見を聞いてみましょう。

今のガラスフィルムは「エアーレス加工(※)」が多いので、これくらいの気泡なら、24時間くらい経過したら抜けますよ。
フィルムの接着面に設けられた特殊な層により、気泡が入ったとしても自然に消えていく加工のこと
それより、とてもきれいに貼れていると思います。

iPhoneのインカメラの真ん中まで、ピッタピタに貼れているのは気持ちいいくらい。
マイベストの「iPhone用ガラスフィルム・保護フィルムのおすすめ人気ランキング」の「貼りやすさ」項目だったら★5.00、満点ですね。
ガラスフィルムの検証を何度もこなしてきた人たちにそう言われると、ズレもないし、事前に擦り付けた皮脂もきれいに落ちています。
翌日には本当に気泡が抜けていましたので、貼り付ける技術レベルは高いと判定できます。
続けて、iPhone 13、iPhone SE (第3世代)、iPhone 14 Pro Maxを試してみます。
【現場で検証編まとめ】「プロの仕上がり」「2分で完了」という謳い文句は信頼できると言える結果
いずれもタイムは3分かからず。
さらに、iPhone 13には多少の気泡が見られたものの、SEのホームボタンまわりなども完璧に近い寄せを見せてくれています。
すべてのガラスフィルムが完成したあとに皮脂を確認すると、いずれもキレイでまったく目立たなかった点には驚かされました。もちろん、埃の混入なども見当たりませんでした。
ちなみに、SEだけはなぜかフィルムの選択肢に「反射防止」がなく、かわりに「ブルーライトカット」が採用されていました。謎が残されましたが現時点で理由は判明していません。
現場で検証してわかったこと
- ①「プロの仕上がり」はガチ
- ②「2分で完了」はまあ許容範囲
- ③想像より断然使いやすい
- ④仕事が丁寧
ちなみに、それまで貼っていたガラスフィルムや先ほど剥がしたカバーなどは、備え付けのリサイクルボックスに入れられるようになっています。
このあたりからも「丁寧な仕事をしている」という印象を受けます。話題先行の軽薄さは微塵もありませんでした。
……しかし、貼り付けられたガラスフィルム自体の性能はどうなのかも、やっぱり気になりませんか?
ということで、ここからは、マイベストのLAB(検証室)にiPhoneを持ち込み、傷のつきにくさや画面の見やすさについて検証を加えようと思います。
【LAB(社内)で検証を開始】ガラスフィルムとしての質はどうなのか。検証を開始します
ここからは、ガラスフィルムを貼り付けたiPhoneをLAB(ラボ)に持ち込み、マイベストで検証方法の考案を担当する井上さんの協力のもと、マイベスト「iPhone用ガラスフィルム・保護フィルムのおすすめ人気ランキング」を参照にしつつ、以下の検証を行いました。
- 貼りやすさ
- 今回はフィルラボで貼り付けたガラスフィルムを目視により評価
- 傷のつきにくさ
- 「多機能型摩擦測定機 TL201Tt」を使用し、ダイヤモンド針で10gから200gまで10g刻みで傷がつかないかを計測
- 「色んなところに擦れても傷がつかないか」を検証しています
- 画面の見やすさ
- ガラス板に貼り付けたガラスフィルムを分光光度計にセットし、380~780nmの可視光線の透過率を測定。同時に、ブルーライトカット率も計測
- 「ガラスフィルムを貼る前とほとんど見え方が変わらないか」を検証しています
このうち「貼りやすさ」については先にご紹介した通り、全機種が★5.00に相当すると判定しています。
続いて、フィルムの傷のつきにくさ、画面の見やすさなどについての評価もくわえて、使って良いかどうか、それぞれ判定していきます。
【判定①:人によっては選んでも良い】「のぞき見防止ガラスフィルム」(販売価格:2,980円)
1台目に試した「のぞき見防止ガラスフィルム」は、正面以外からのぞき込むと画面が暗くなる機能があるガラスフィルムです。電車など周りに人が多い環境下で、その人たちの視線を遮ることができるというもの。
実際にフィルラボの「のぞき見防止ガラスフィルム」を貼ったiPhoneを左右に傾けると、画面が暗転して見えなくなり、プライバシーが気になる人には有用だと言えます。また、ブルーライトカット率が41.05%と、後述するiPhone SE専用の「ブルーライトカットガラスフィルム」より高いのも特徴です。
ただ一方で、どうしても画面自体が見づらくなるという弱点があります。LABで計測したところ、可視光透過率は61.43%で、「画面の見やすさ」は“不満”に該当するスコアでした。
万人におすすめはできませんが、映像よりもプライバシーを重視する人なら選んで損はない1枚です。
現場検証時には気泡が発生しましたが、翌日には消えていたのでその点はご安心ください。

のぞき見防止機能は上下の角度にした際の暗転がちょっと鈍いのですが、十分に実用的です。
【判定②:人によっては選んでも良い】「反射防止ガラスフィルム」(販売価格:2,980円)
続いては「反射防止ガラスフィルム」です。
これは、その名の通り光が反射しにくく画面が見やすいタイプです。その他、指紋や汚れが目立ちにくいというメリットがあります。
フィルラボの「反射防止ガラスフィルム」は、その特徴通り、反射を抑え、同時に可視光透過率は88.64%と、「画面の見やすさ」は“満足”に該当するスコアに。
ただ!「のぞき見防止」同様、こちらもひとつ弱点があります。それはフィルム自体の傷つきやすさ。
ダイヤモンド針に90gのおもりをつけた時点で傷がついてしまいました。「傷のつきにくさ」は“不満”という評価です(※)。
iPhoneの本体に傷がついたわけではありません。
反射せず、指紋もつきにくく、かつ見やすいのは魅力的ですが、万人におすすめできるガラスフィルムではない、というのが結論です。

反射防止(アンチグレア)の場合、87%程度まで落ちますが、フィルラボの反射防止ガラスフィルムは88.64%と、ずば抜けて透明度が高い結果になっています。
ここは注目してほしいポイントです。
【判定③:選ぶなら絶対これ!】「高透明ガラスフィルム」(販売価格:2,980円)
そして大本命の登場です。
フィルラボで選ぶべきは、この「高透明ガラスフィルム」でした。
のぞき見防止、反射防止、ブルーライトカットといった属性付加はありませんが、可視光透過率は89.32%と、今回検証した商品の中での最高値を記録。
これは「マイベスト」のiPhone用ガラスフィルム・保護フィルムランキングの「画面の見やすさ」でも上位の数値です。
シンプルに画面がみやすく、傷つきにくい。画面の滑りやすさがちょっと気になりますが、弱点というほどでもありません。
ガラスフィルムをズレも埃も気泡もなく貼り付けてくれて、使っていて問題もない。
フィルラボ使うならこれ!と断言できるガラスフィルムです。

2,980円は若干割高に感じますが、時短や手間を考えるとありですね。
【判定④:正直、他のほうがおすすめです】「ブルーライトカットガラスフィルム」(販売価格:2,980円)
最後はちょっとイレギュラーな「ブルーライトカットガラスフィルム」です。
先述したとおり、iPhone SEの検証時、なぜか選択肢に「反射防止」がなく、その代わりに「ブルーライトカット」が登場したため、急遽対象となったガラスフィルムです。
一般的に、ブルーライトカットはPCやスマホの画面から発せられるブルーライトをカットすることで目を守る、という機能を持つものです。
ただ、今回のLAB検証では「ブルーライトカットガラスフィルム」のブルーライトカット率が25.39%であったのに対し、先述した「のぞき見防止ガラスフィルム」は41.05%。
iPhone SEでものぞき見防止は選択できるため、ブルーライトカットを目的とすると、このガラスフィルムを選ぶ必要が感じられません。
「傷のつきにくさ」は200gまで耐えて最高スコアを獲得していますが、それならば「高透明ガラスフィルム」の方がおすすめできます。
選択する理由がちょっと見当たらない、というのが結論です。
【検証まとめ】貼り方は上手でフィルムも悪くない。そのうえ、さらにメリットに感じる部分も!
細かいつっこみもさせていただきましたが、現地とマイベストLABでの「フィルラボ」検証を終えての結論をひとことでまとめると「この自販機すごい!」です。
ガラスフィルムの貼り付けレベルは非常に高く、フィルム自体も「高透明」を選べば後悔することはないレベルで使えるはず。
ガラスフィルムに強いこだわりがない限り、2,980円は決して高くないと言えます。
iPhone買ったあと、ガラスフィルム選ぶのって結構大変じゃないですか?
さらに!隠れたメリットも感じます。例えば、新しいiPhone買って、じゃあどのガラスフィルムを貼り付けるか考えるのって、実はけっこう大変じゃないですか?
iPhoneのシリーズは合っているのか、スタンダードなのかProなのか、何の機能を持つガラスフィルムが良いのか。迷いが生じたことがある人も多いのでは。
その点、「iPhone買ったら、その足でフィルラボへ行けばいい」というように、選択肢が限定されるって、実はかなりラクになれるんだ、と強く感じました。
「ガラスフィルム貼らなきゃだけど、めんどくさい」というゆるめのiPhoneユーザーにとっては、革命と呼んで差し支えない存在かもしれません。
ただ、徐々に増えているとはいえ、フィルラボ自体の設置箇所がまだ少ない、というのが最大の弱点なのかもしれません。
ぜひみなさんも、iPhone本体に傷をつける前にフィルラボ試してみてはいかがでしょうか。
(執筆/マイべマガジン編集部・青山卓弥)