ビジネス書コンシェルジュがおすすめする翻訳本12選

ビジネス書コンシェルジュがおすすめする翻訳本12選

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smooth
書評系ブロガー/税理士
毎年ビジネス書は大量に出版されますが、良書を見つける1つの方法に「翻訳本を選ぶ」というものがあります。なぜなら翻訳本は、本国で評価の高いものが日本で出版され、内容も原書の時点で外国の編集者のフィルターを通してしっかり精査されているから。

今回は、ビジネス書コンシェルジュである私が選んだ翻訳本をご紹介します。自己啓発・コミュニケーション・スキルアップとさまざまなジャンルから選んでいるので、興味のある作品がありましたら、ぜひお読みになってみてください。
  • シェリル・サンドバーグ
    OPTION B 逆境、レジリエンス、そして喜び
    1,728円


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    フェイスブックCOOとして知られるシェリル・サンドバーグが、友人で「GIVE&TAKE」などの作品で知られる、心理学者のアダム・グラントの助けを得て書き上げた自己啓発書。

    キャリアウーマンとして、非の打ちどころのない活動をしているように見えた彼女も、実は最愛の夫を休暇先で亡くして、失意のどん底にいた時期がありました。

    そんな彼女をグラントは、心理学者らしく具体的なエビデンスをもとに励まします、それに応えて彼女が立ち直っていく過程が描かれているのが本書。つらいこと、悲しいことがあったら、ぜひ手に取っていただきたい作品です。
  • ロバート・H・フランク
    幸せとお金の経済学
    1,836円


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    「プレミアム付きの絶版本を監修して復活させる」ことから、一部で「復刊王」の異名を取る金森重樹さんが手がけた自己啓発書。

    本書では特に、他人との比較によって価値の生まれる「地位財」(所得、車、家等)と、他人と関係なく、それ自体に価値のある「非地位財」(愛情、健康等)との関係について描かれており、正直なところ、私は「目からウロコ」でした。

    詳細は本書を読んでいただくとして、「お金をいかに稼ぐか」よりも、「お金をいかに使うか」について考える、いいきっかけになる作品です。
  • ハイディグラントハルバーソン
    やり抜く人の9つの習慣
    1,320円


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    「Harvard Business Review で最多閲覧数を記録した」いわくつきの作品。私のブログでここ数年、積極的にご紹介しているのが、実験や研究の裏付けがある「科学的自己啓発書」というジャンルで、本書はまさにその好例とも言えます。

    ページ数は多くないものの、紹介されている「習慣」はいずれも説得力があるもの。たとえば「もしこうなったら、こうする」というように事前に行動を決めておく「if-thenプランニング」は、類書でも見かけたことのあるTIPSであり、効果も期待できます。コンパクトに使えるノウハウが知りたい、という方なら一読の価値アリ!
  • エリック・バーカー
    残酷すぎる成功法則
    1,620円


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    橘玲さんが監訳されたことでも話題となった、自己啓発書の目玉本。原著の米国での評価も高く、460超もあるレビューの90%が星5つという人気ぶりです。その秘訣は「成功法則のうちエビデンスがあるものだけを集めた」というスタイル。

    おかげで、巻末の参考文献も、翻訳されたものだけでも90冊以上もあります。本自体も単行本で400ページありますから読み応え十分でしょう。まさに「科学的自己啓発書の大全本」と呼ぶにふさわしい1冊です。
  • リチャード・テンプラー
    できる人の人を動かす方法
    1,620円


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    本書は、著者であるリチャード・テンプラーによる、50ヶ国以上で読まれている世界的ベストセラー「Rules」シリーズの最新刊。人付き合いに役立つ「100の原則」が収録された1冊です(ちなみに私はシリーズのうち4冊読んでいますが、本書が一番使えると思います)。

    さすがに100も詰め込むと、類書とかぶるネタもあるのですが、それを差し引いても使えるTIPSが多々。特に男性の方におかれましては「相談する人が求めているのは、解決策やアドバイスよりも、自分の感情を認めてもらうこと」という指摘をよく噛みしめていただきたいところです(自戒を込めて)。
  • ニック・コレンダ
    人を操る説得術 7ステップで誰でもあなたの思いのまま
    1,188円


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    著者のニック・コレンダは、読心術の第一人者であり心理学研究者、さらにマーケティングを学んだ経験もあるという、自称「マインド・リーダー」。

    肩書のステイタスとしては「研究者」に劣るものの、巻末には参考文献が鬼のように付されており、ぬかりはありません。むしろマーケティングに長けた分、本書は実務への応用も意識されており、実生活に活かせる仕様になっています。

    本の冒頭でロバート・チャルディーニやダニエル・カーネマン、ダン・アリエリーに謝辞を述べているくらいですから、彼らの著作がお好きな方なら、無条件で楽しめる掘り出し本だと思います。
  • ロバート・チャルディーニ
    PRE-SUASION 影響力と説得のための革命的瞬間
    2,970円


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    2017年の年末になって登場したのが、『影響力の武器』の著者、R・チャルディーニによる33年ぶりの単著。

    この間、共著は何冊か出ていましたが、『影響力の武器』ほどの大きなテーマがなかったため、単著執筆に踏み切れなかったことが「監訳者あとがき」にて明かされています。

    逆に本書のテーマである「プリ・スエージョン(下準備)」こそが、久しぶりの単著に値するということで、なるほど読み応えも満点!注釈70ページ、文献59ページ含む、全508ページの大作に、R・チャルディーニのファンならずとも、知的好奇心が十二分に刺激されると思います。
  • ブラッド・スタルバーグ
    PEAK PERFORMANCE 最強の成長術
    1,728円


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    アダム・グラント、ダニエル・ピンク、ケリー・マクゴニガルといった、ビジネス書好きにはおなじみの面々が推奨する強力な作品。いわゆる「科学的自己啓発書」好きの方なら、「ツボ」ではないでしょうか。

    登場するTIPSも「成長」にフォーカスしたものばかりで、大ネタがいくつも登場。たとえ既知のTIPSであっても、分かりやすく整理されている分、再現性が高いと思います。

    興味深いのが、休息や習慣についてもページを割いていることで、やみくもに何かすればいいわけではない、ということを、私自身、改めて理解した次第です。
  • チャールズ・デュヒッグ
    あなたの生産性を上げる8つのアイディア
    2,052円


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    前作『習慣の力』が好評だったチャールズ・デュヒッグの新作のテーマは「生産性」ということで、成功本好きにも、仕事術本好きにも受け入れられる1冊。とにかく何をすればいいかが具体的に書かれており、後は「やるか、やらないか」の世界でしょう(耳が痛い人もいるかもしれませんが)。

    しかもTIPSだけでなく、挿入されたエピソードが魅力的なのもマル。巻末の付録ではこれらのTIPSを使って、いかに著者のデュヒッグが本書を書き上げたかについて明かされており、説得力を高めています。「時間の割には成果が上がらない」とお悩みの方なら、ぜひご一読を!
  • ケビン・クルーズ
    1440分の使い方 成功者たちの時間管理15の秘訣
    1,620円


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    私が運営するブログにおける、2017年度年間売上高第1位の作品。タイトルにある1440分とは「24時間×60分」、つまり1日を分数で表したものであり、時間管理に関するありとあらゆるTIPSが詰め込まれています。

    そのTIPSも著者の独りよがりではなく、「7人の億万長者、239人の起業家、13人のオリンピック選手、29人のオールAの学生」から聞きだしたものですから、説得力も大。机上の空論ではなく、まさに実践的なテクニックと言えるでしょう。

    本章が濃厚であるだけでなく、巻末には歴史的にも有名な「時間管理に関する名言」が110も掲載されていますので、こちらもお見逃しなく!
  • マイケル・ルイス
    かくて行動経済学は生まれり
    1,944円


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    映画にもなった『マネー・ボール』の著者、マイケル・ルイスの新作の主人公は、ダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーという行動経済学の2人のエースでした。

    本書は2人の出自から学生生活、学者としての活躍ぶりまで余すところなく描き切ることによって、いかにして初めは「異端」とも言えた行動経済学が、重要な学問となった(カーネマンはノーベル経済学賞受賞)かを教えてくれます。

    また、いまや有名となった「プロスペクト理論」などの理論が、いかにして生まれたかを知りえるのも本書の魅力。行動経済学好きなら、マストとも言える1冊です。
  • デイヴィッド・サンプター
    サッカーマティクス 数学が解明する強豪チーム「勝利の方程式」
    1,944円


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    サッカーに関するさまざまな事象に「数学的アプローチ」を行った意欲的な1冊。登場するのは、「ランダム性」「幾何学」「ゲーム理論」「インセンティブ」「統計的偏差」「ビッグデータ」「確率」etc.etc……と、多種多様な理論や考え方です。

    野球と違ってプレーに切れ目がない分(セットプレーやPKを除く)、サッカーを数値化するのは難しいと思うのですが、そこはジャンルごとにアプローチを変えて対処している次第。

    個人的には勝ち点が2から3に増えたことで、いかにサッカーが変わったかが興味深かったです。

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ビジネス書コンシェルジュおすすめ!新社会人向けの本10選【2018年版】
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新たな社会人としての仕事や生活を学ぶのに、コストパフォーマンスが高い方法の1つが読書。とはいえどんな本を読んだらいいのか分からない、という方も多いと思います。

そこで今回は、比較的最近発売されたビジネス書や実用書の中から、新社会人向けに10冊選んでみました。

もちろん2年目~3年目の方にとっても役立つ作品ばかりですから、気になる作品がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
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書評系ブロガー/税理士
ビジネス書コンシェルジュおすすめ!旅行や出張に持っていきたい新書10選【2018年版】
ビジネス書コンシェルジュおすすめ!旅行や出張に持っていきたい新書10選【2018年版】
夏真っ盛りの今日この頃、皆さま、もう夏休みはお取りになりましたでしょうか?

ところで、夏休みと言えばやはり「旅行」。そして旅行のお供といえば「新書」ということで、今回は過去1年に発売された新書の中から、私のおすすめする作品を10冊ご紹介したいと思います。ビジネス書から婚活本までテーマもさまざまですから、気になる作品をお選びください。

もちろん夏休みそっちのけで、「出張」なさっている方にも納得してもらえるラインナップですから、ビジネスパーソンの皆さんも、ぜひご確認くださいませ!
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書評系ブロガー/税理士